使用方法は簡単で、従来のモデム部分を「ブロードバンドアダプタ」に取り替え、ケーブルモデムと接続するだけでインターネットを楽しむことができる。ソフトは専用のブロードバンドパスポートを使用する。セガ・エンタープライゼスはブロードバンドアダプタをケーブルテレビと接続するためのツールとして販売しているため、ケーブルモデムとしか接続できないような印象が強いが、その実体はLANアダプタのため、ケーブルモデムでなくともLANであれば接続することができる。ネットワークの設定も細かく設定できるようになっているため、比較的自由度は高い。現に、会社のネットワークに接続し、Proxyサーバーの設定を行なうことでインターネットに接続する事ができた。

　Dreamcastのモデムで接続した場合、接続までに1分近くかかるが（ネットの混雑状況にもよる）、ブロードバンドアダプタで接続した場合、圧倒的に早く数秒でページが表示され始める。ただし、Dreamcast自体のCPUパワーやRAM容量の限界からか、表組みや写真が多いホームページや、複雑なホームページに関しては表示まで時間がかかるようだ。

　問題はどれだけのサービスを利用できるかだが、現状利用できるのはホームページの閲覧とメールが利用できる程度だ。ドリームパスポート3のウリとなっている「ch@b talk」や「どこでもチャット」は現状では利用することができない（チャット関連ではIRCチャットサーバーを利用できる）。また、メガドライブやPCエンジンのゲームが楽しめる「ドリームライブラリ」などはゲームをダウンロードするわけだから、ブロードバンドの恩恵を最も受ける分野だが、残念ながら未対応となっている。
　最も気になるネットワーク対応ゲームも現状では対応したものはない。トランプゲームや麻雀などを収録した「あつまれ！ ぐるぐる温泉」のブロードバンド版が秋の発売を目指して現在開発中だが、それまではブロードバンドアダプタの出番はない。

　秋から冬にかけて徐々にサービスが拡充されていけばブロードバンドアダプタは重要な周辺機器となってくるだろうが、Dreamcastでゲームを楽しみたい人は、すぐに飛びつく必要はないかもしれない。

ブロードバンドアダプタのパッケージ	基本的にモデムとほとんど変わりはない。これまで“LINE”と書かれていた部分が“LAN”と書かれており、側面にはMACアドレスが記載されたシールが貼られている	左側のCD-ROMはブロードバンドパスポート、右側がドリームパスポート3。機能的な違いがあるので注意すること

ドリームパスポート3	ブロードバンドパスポート
Dreamcast用インターネット接続ソフト「ドリームパスポート3」。ネットワークに接続しているユーザーを自動的に検索し、チャットが楽しめる「ch@b talk」や、ホームページを見ているユーザー同士がチャットできる「どこでもチャット」など、チャット関連機能が充実	ブロードバンドアダプタに付属するブロードバンドパスポート。基本的に一世代前のドリームパスポートをベースに作られているようで、インターフェイスもドリームパスポート2に似ている。ch@b talkやどこでもチャットは利用できない

ブロードバンドパスポートの設定画面
ブロードバンドパスポートでは、「ch@b talk」や「どこでもチャット」を利用することはできない。かわりにIRCチャットは利用することができる	ブロードバンドパスポートの設定画面。比較的細かい設定も可能となっている。プライマリDNS、セカンダリDNSやProxyの設定も可能。右側の写真はメールサーバーやPOP3サーバーの設定画面

□セガのホームページ
http://www.sega.co.jp/
□ニュースリリース（セガ）
http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr000608_1.html
□ニュースリリース（CSI）
http://www.csi-msp.com/w1/jp/Press/article2.htm
□Dreamcast専用「ブロードバンドアダプタ」販売サイト
http://www3.csi-msp.com/dcweb/
□関連記事
【6月14日】「ケ－ブルテレビ2000」開幕、セガがLANアダプタを展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000614/catv.htm

(2000年7月17日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]