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eMEX 2002レポート【展示品レポート編】


独立系メーカーの小ブースほどオリジナリティに溢れる展示品

会期:10月15日~10月18日(現地時間)

会場:蘇州南亜国際会展中心



 レポート2回目の今回は、各ブースに展示されていた製品の紹介を中心にお伝えする。大手メーカー製品はすでに日本でも販売されていたり、先日のレポートでお伝えしたように、ラインナップが古かったりと、全体的に目新しさには欠ける。

 その一方で、独立系の小さなメーカーのブースには中国ならではの発想に基づいた製品や、ちょっと日本ではお目にかかれないような展示や販売を行なっているブースがそこかしこに見受けられた。

 モノの価格については、高度な半導体/電子デバイスはもはや世界レベルで価格が一定化しつつあるため、生活物価の安い中国といえども、この手の分野では安さはあまり期待できない。秋葉原で買ったほうが安いものもあるほどだ。しかし、さほど高度でないものは日本よりも一回り安い傾向にある。また、涙ぐましい(?)企業努力により価格を頑張っている商品もあった。なお、1元は日本円で約15円。


■日本では見られないPDA/情報端末製品が多数展示

 大手でPDAを展示していたのはASUSくらいで、しかも参考展示らしくショーケースに収められたままで大手メーカーのPDAに対する意気込みがあまり感じられない。しかし、小さなブースに目を転じてみると、ひっそりとしながらも、中国ならではのニーズに答えるべく開発された商品が展示されていた。

ASUSのPocket PC搭載PDA。参考展示らしく、CPU周波数400MHz、重量130g、厚さ12.8mmということ以外の仕様は不明 PDA用のGPSアダプタ? と思いきや、PDAと専用のGPSのアンテナが最初からセットになったProSenseというメーカーの製品。むしろPDA付きGPSと言ったほうが近い。車載用のアダプタやアンテナも付属する(写真右)。やはり、広大な土地を持つ大陸ではGPSの需要は高いのだろうか、と思いきや実はまだ台湾でしか販売されておらず、これから中国でのセールスにあたるのだという。価格は16,000台湾ドル(1台湾ドル=約3.5円)。PDAもこのメーカーのオリジナルとのことでOSはAVISを採用。PIMの機能も搭載している模様。地図は割とさくさくスクロールしていた
上海で9月に開催された「CeBIT asia 2002」にも出展していたTelePaq。異彩を放っていたのが、この食パン大の巨大な株価情報端末。液晶はモノクロで、厚さも一般のPDAの倍近くあり、まるで一昔前の製品のよう 中国でTablet PC発見か!、と一瞬だけ淡い期待を抱かせてくれたWindows CE搭載のペンタブレット機。展示していたのはMXICというメーカー。ブルー以外にもオレンジが展示されており、どちらもなかなかスタイリッシュ。液晶の視認性が非常に悪いのが難点


■デジタルカメラはBENQと富士フイルムのみ

 デジタルカメラを展示/デモしていたのは、BENQと富士フイルムくらいのみであった。デモ機を開放していた富士フイルムブースには多くの来場者が集まっており、デジカメに対するユーザーの関心は高いようだ。

 BENQが展示していた製品のほとんどはCMOSセンサーの単焦点機で、価格帯は1,000元~2,000元。低価格のものが人気なのかと思えば、富士フイルムの担当者によれば4,500元/6,500元の上位モデルが人気とのことなので、そうでもないらしい。

BENQはデジタルカメラを数多く展示。これは410万画素CCD搭載の最上位モデルで、唯一光学ズームレンズ(3倍)を搭載。BENQの担当者はほかのモデルの価格は教えてくれたのだが、なぜかこれだけは教えてくれなかった いずれも130万画素CMOS/単焦点のコンパクトデジカメ。写真左のシルバーが上位モデルで価格は1,290元。右の白い方が下位モデルで価格は990元。2製品の機能上の差異は不明
210万画素CMOS/単焦点機。価格は2,200元 日本でも発売されているUSBポートに直接差し込める小型デジカメ。35万画素CMOSを搭載。価格は580元。日本で4月に発売されたときの店頭価格は1万円程度で、それと比較すると1割ほど安い 女性用コンパクトミラーのような形状のトイデジカメ。閉じた状態では普通のデジカメだが、開くと液晶パネルが現れる。液晶はタッチパネルで、付属スタイラスで操作できるらしい。価格は450元


■ECSの1GigaPro搭載激安機などその他もろもろ

 ブースレポートでもお伝えしたとおり、ECSはコンパニオンを用意するなど、魅せるブースを作っていた。C3 1GigaProという日本ではなかなか見受けられないCPUを搭載した激安製品を展示しており、活気のあるブースとなっていた。

ECSのVIA C3(Samuel2) 1GigaPro搭載の激安シリーズ3製品。CPUの実クロックは733MHzでFSBは133MHz。マザーボードのCPUは直付けで交換不能。マザーボードのチップセットはSiS 630E、小型PCはVIA PLE133A、ノートPCはSiS 630ST。PC133 SDRAMのみの対応で、スペック的には一世代前になるが、価格はマザーボードがCPU込みで650元、小型PCが199ドル、ノートPCが5,999元と激安。小型PCは128MB SDRAM、2.5インチ10GB HDD、24倍速CD-ROM、Ethernet、4chオーディオを搭載したオールインワン機。なんとこの値段でOS(ThizLinux 2.4.9カーネル)や、MP3再生ソフト、3Dドローソフト、ファイヤーウォールソフト、オフィススイートまでバンドルされているというから驚き。ノートPCは、128MB SDRAM、10GB HDD、24倍速CD-ROM、13.3型XGA液晶、Ethernet、56kモデムを搭載する
ECSの15.1型液晶一体型PC。最上位モデルは、Pentium 4 2.40GHz、256MB DDR SDRAM、60B HDD、8倍速DVD-ROMドライブを搭載し、価格は9,998元。チップセットはSiS 315で、Ethernet、モデム、USB 2.0×4、IEEE 1394×1などを装備。本体サイズは396×384×238mm。中国での既成PCと自作PCの割合がどのようなものなのか気になるところだが、会場内で自社のデスクトップPCを展示しているのはECSだけであった BENQのポータブルDVDプレイヤー。単体でTVに接続してDVDを再生できるが、USB 2.0ポートも備えておりPCの外付けドライブとしても利用できる。価格は1,140元
BENQのATAPI内蔵型DVD-RWドライブ。価格は3,000元。展示は-RWのみであったが、同社では+RWも用意しており、今後の動向を見ながら、慎重に規格を選択していきたいとのことだった Macpower PeripheralsのMacintosh対応HDD外付けケース。2.5インチHDD用で、USB 2.0用、IEEE 1394用、コンボのものなどがある。価格はコンボのもので400元。この手のパーツは中国のほうが安いようだ Philipsブースに展示されていた、観光地でスポットの案内などを再生する携帯型の音声ガイド。観光地のパンフレットに書かれている特定の場所に到着したら、呼応する番号ボタンを押すと、受話器からガイドが流れる仕組み


■番外編

とある基板メーカーのデモ。プリント基板に回路を起こす機械で、金属板に竜の絵を描いていた。機械から金属板に向けて目に見えないレーザが発射され、ビリビリと音を響かせながら、ものすごい速度で絵を描いていくさまは圧巻で、多くの人が足を止めてデモに見入っていた。しかし、これで本業のセールスにつながったのかどうかは不明
会場のあちらこちらには販売を行なっているブースがあったが、どこもなぜか展示品は似たり寄ったりで、双眼鏡、サングラス、ラジコン、健康器具、釣り竿が定番となっていた。そんな販売ブースの1つはジューサーの実演販売を実施。さらに別のブースでは手のつぼの電気刺激を実施しているなど、これとITがどう関係あるのか突っ込みを入れたくなったが、ある意味新鮮であった。記者もつぼ刺激で旅の疲れを癒してもらおうかと思ったが、言葉が通じず断念

□eMEXのホームページ
http://www.goemex.com/jp/jpdefault.asp
□関連記事
【10月15日】【eMEX】各社ブースレポート編
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1015/emex01.htm

(2002年10月17日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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