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Intelのオッテリーニ社長が来日
~BaniasとHT対応Pentium 4をデモ

米Intel社長兼COO ポール・S・オッテリーニ氏

10月4日発表

 株式会社インテルは4日、プレスおよび業界関係者向けカンファレンス「インテル・マネジメント・セミナー」を開催した。

 セミナーでは、米Intelの社長兼COO ポール・S・オッテリーニ氏が、今後の方向性などについて語った。


●社長兼COO オッテリーニ氏が語るIntelの方向性

 はじめに、「以前のコンピュータは、人が入力することによって応答するというバッチ処理だった。それは今でも変わっていない。しかしパーソナルコンピュータの登場により、コンピューティングは大幅な進化を遂げた」と、コンピュータの歴史から切り出した。

 「現在のコンピューティングは第3世代(3G)を迎えており、今後は今まで以上の早さで新しい製品が登場してくるだろう。これからのコンピュータは処理能力だけではなく、無線通信といったほかの機器との“融合”がキーワードとなる」と続けた。

 また、“究極のゴール”として「いつでも、どこでも、だれもがコンピュータを利用できる環境」 を挙げ、「これは20年以上前から提唱されていたことだ。なぜそれを今挙げるのか?」と疑問を提示した。

 「それはPCの低価格やムーアの法則により、高速化/低価格化されたマイクロプロセッサによる、コンピューティングの普及。そして、サーバ機器、ハンドヘルド機器、携帯電話、ネットワークプロセッサといったPC以外のコンピューティング機器の普及により、それが実現できるからだ」という。

手に持たれているのはNEC製Banias搭載ノートPC。下に置かれているのは中央が松下製、右が東芝製ノートPC
 「高密度トランジスタ実装技術により、プロセッサに無線通信を組み込むことができるようになった。複数プロトコルの実装が可能になり、異なる機器間でも設定などを意識することなく“いつでも、どこでも、どんなデバイスでも”情報の共有ができる。今後はデジタルカメラや携帯電話のほか、テレビなどの家電でも利用可能になるだろう。プロセッサと無線LANが融合した“Banias”を皮切りに、順次市場に投入していく」と、今後の展望を語った。

 さらに、「すべてのコンピュータが通信を行ない、すべての通信機器がコンピューティングを行なう。Intelの使命は、集積技術による融合化の推進だ」と締めくくった。

 会場では、無線LANを内蔵したモバイル向けプロセッサ「Banias」を搭載したノートPCが公開された。IEEE 802.11aの無線LANを利用し、ストリーミングによるTV番組の視聴や、VPNを経由して仕事場のメールを受信するなど、実際の利用シーンを想定してのデモンストレーションが行なわれた。

ホームユースだけではなく、ホットスポットを利用して無線LANでネットワークに接続するイメージのデモ 実際にYahoo BB!モバイルにログオンしている様子。VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用し、仕事場のメールも受信していた ストリーミングソフト「SnapStream」を使い、TV番組を視聴。バッファリングに多少時間がかかっていたが、最大化表示してもコマ落ちすることなく映像が流れていた


●コンピューティング市場における日本の位置付け

インテル株式会社代表取締役役社長 ジョン・アントン氏
 続いて、インテル株式会社代表取締役役社長 ジョン・アントン氏から、コンピューティング市場における日本の位置付けが解説された。

 同氏は、「新しい技術に強い関心を求める点で、日本の消費者は非常にテクノロジ志向が強い。世界に先行して“融合技術”を利用している点で日本はリーダーシップをとっていおり、次の世代のチャンスを作っている」と、技術が進歩していく上で、コンピュータ市場における日本の位置付けが、重要であることを示した。

創立者ゴードン・E・ムーア氏の「躊躇していては、不況を脱することはできない」という言葉
 また、「日本はいま景気が低迷しているが、PC性能の向上やADSL、CATVなどブロードバンド環境の普及、アプリケーションの充実など、日本のPC市場の成長を促す要素が整いはじめている。日本市場が成長し、世界でのリーダーシップをとることを望んでいる」と、ビジョンを掲げた。

 さらにオッテリーニ氏が、創立者であるゴードン・E・ムーア氏の「躊躇していては、不況を脱することはできない」という言葉を挙げ、「どんなに苦しいときでも、新しい技術への投資は惜しまない。今年もワールドワイドで100億ドルの技術投資を行なった」と、攻めの姿勢を示し、各企業へもITへの投資を促した。


●Hyper-Threading対応Pentium 4の動作デモ

MPEGエンコードをしながらアクアゾーンを動かし、Windows版「FINAL FANTASY XI」のムービーを再生しているデモ
(C)2002 SQUARE CO.,LTD.All Right Reserved
 そのほか、会場ではHyper-Threading Technology対応のPentium 4 3.06GHzと、Celeron 1.20GHzを比較しての動作デモが行なわれた。

 デモでは、ペガシス製のエンコードソフト「TMPGEnc」を使用しての動画ファイルのエンコードと、環境ソフト「アクアゾーン」を動作させた状態で、Windows版「FINAL FANTASY XI」のムービーを再生するという並行動作デモが行なわれた。

 Pentium 4 3.06GHzのエンコード速度が速く、2つのソフトともにコマ落ちしない様子を強調していた。

 なお、動作クロックの異なる2つのCPUを比較したのは、「現在一般に普及されているPCのプロセッサはおよそ1GHz程度。一般的なPCと最新の高性能PCを比較した際の様子を見て欲しかったため」だとしている。同じ動作クロックで、Hyper-Threading対応/非対応の比較も、ぜひ見たかったところだ。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□米Intelのホームページ(英文)
http://www.intel.com/
□関連記事
【10月4日】インテル、BaniasとHT対応Pentium 4搭載試作機を展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1004/intel2.htm

(2002年10月4日)

[Reported by yosida-s@impress.co.jp]


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