代表取締役社長 浜田宏氏

6月28日 発表

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　デルコンピュータ株式会社は28日、都内で発表会を行ない、同社の法人向けコンサルティングセンター「DTC (デル・テクノロジー・コンサルティング)」での提供メニューを拡大することを発表した。

　DTCは同社が2000年11月に設立した法人向けのコンサルティングセンターで、サーバーの導入やインフラ/ネットワークの整備、コンサルティング、技術検証などを請け負う。

DTCでのサービスメニュー。青文字が新規メニュー

　今回のエンタープライズビジネス拡大の発表に至った背景には、同社のサーバービジネスの好調振りがある。

　2002年第1四半期の日本市場におけるローエンドサーバーの同社のシェアは16.5%で、NEC、富士通についで第3位に位置する。代表取締役社長の浜田宏氏によれば、市場全体でPC/サーバーの売り上げが20%縮小する中、同社では前年度2桁台の伸びを達成したという。そして同社では今年度内にサーバーシェアを20%にまで伸ばす目標を掲げている。

　浜田氏は成長の理由について「ハードウェアのみならず、サービスにも“デルモデル”を活用し、顧客の満足度を上げるようこつこつと努力し、顧客のリピート率を上げてきた結果」と分析する。

　「サーバー/エンタープライズビジネスは単なるハコ売りで終わるものではなく、導入のコンサルティングに始まり、インストールや運用など“足の長い”ビジネス」(同氏)。

　同社は「直販を生かした徹底的なコスト削減に基づくローコスト化を行なう一方で、その余った金を顧客サービスに回してきた」(同氏)。そのことが顧客満足度1位の獲得に、ひいてはサーバー/エンタープライズビジネスでの引き合いにつながったとした。

　また、サーバーがコモディティ化し、市場が業界標準を求めるようになってきたことも同社にとって追い風になったと、浜田氏は説明する。

　同社はすでにDTCにおいて、MicrosoftやEMCといった企業と提携したサービスや製品を提供してきており、それらは特に大企業から予想以上の引き合いがあったという。

ローエンドサーバーのシェア	サーバーラインナップ	ストレージラインナップ

　しかし、今後は中小企業を重点的にビジネスを展開していく狙いだ。浜田氏は「日本に100万あるという中小企業に、より効率的なITをもたらし、生産性を高める手伝いをしたい。願わくば日本全体の需要を喚起していきたい」とその意気込みを語る。

　中小企業向けのITビジネスは、競合他社も拡大を目指すものの、苦戦を強いられている。この点について営業技術支援本部長の長谷川恵氏は、「他社が苦労しているのは知っているが、直販システムを生かすことで、ビジネスのきっかけをうまくつかめるだろう」と述べた。

　また、「あらゆる地域を当社の人員だけでカバーすることはできないため、Webを最大限活用し、必要に応じてさまざまなパートナーと提携していく」とした。

　同社は4月にブレードサーバーやXeon 4Way対応ブリックサーバーなどを発表しており、会場ではそれらも展示された。

ブレードサーバー「PowerEdge 1655MC」。3Uのシャーシに6つのブレードを収納可能	ブレード内部。Pentium III 1.26GHz×2、3.5インチ IDE HDD×2などを搭載可能	シャーシ背面。ネットワークインターフェイスやPSUが冗長化されているのが分かる

□デルコンピュータのホームページ
http://www.dell.com/jp/
□ニュースリリース
http://www.dell.com/html/jp/dell/news/020628.htm
□関連記事
【4月4日】デル、ブレードサーバー市場に参入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0404/dell.htm
【6月18日】2001年のサーバー出荷台数は約44万台
～矢野経済研がレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0618/yano.htm

(2002年6月28日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]