TECHXNY 会場レポート 拾遺編

Matroxのビデオ編集カードやLEXMARKの低価格複合機など

Jacob K. Javits Convention Center

会期:6月25~28日
会場:Jacob K. Javits Convention Center



 25日より開催中のTECHXNY。既にレポートしているPC EXPOのほかDV EXPOやWeb Service Edgeなどのイベントも併設されている。しかし、どの会場もあまり広くなく、特に目新しい展示物もあまりないので、会場は若干さびしい感じだ。ここでは、新製品などを中心に会場の模様をレポートする。


■ Matroxは、ビデオ編集カードの新製品を発表

Matrox RT.X100

 DV EXPOに出展していた加Matroxは、ビデオ編集カードの新製品「Matrox RT.X100」を展示している。7月より発売され、価格は1,099ドル。日本ではインフォマジックから7月に発売され、価格は148,000円となっている。

 「Power of X」と呼ばれる新アーキテクチャを採用した、CPUベースのPCIバス用ビデオ編集カード。従来モデル「RT2500」の上位モデルとなる。ビデオ編集ソフト「Abobe Premiere」が標準で付属し、Premiereに特化したエフェクトなどを搭載している。

 CPUベースのため、最小動作環境がPentium III 1GHz/Pentium 4 1.7GHz/Athlon XP 1500+以上、512MB以上のメモリ、推奨環境はPentium 4 2.2GHz/Athlon XP 2000+と、かなり高いスペックを要求される。対応OSはWindows 2000(SP2)/XP。

 新たに、リアルタイムDV出力やMPEG-2キャプチャ機能を搭載したのが大きな変更点。リアルタイムクロマ/ルマキーイングや、リアルタイムカラーコレクション(色補正)/カラーバランス/入出力レベルコントロールなどリアルタイム利用時の機能が強化された。16:9でのキャプチャ/編集にも対応する。

 入力端子はIEEE 1394(6ピン)×1、コンポジット、RCA、Sビデオ、mini-DIN。出力端子はIEEE 1394(6ピン)×1、コンポジット、RCA、Sビデオ、mini-DIN。対応フォーマットはDV、DVCAM、MPEG-2 MP@ML。

 なお、同社の新GPU「Parhelia」を搭載したビデオカードなどは出展されていない。

「Power of X」ロゴ 主な特徴 Premiereが標準添付される。デモではHPのワークステーションに「RT.X100」を組み込んで利用していた

Matroxブース
デモ中は人垣ができた
MatroxはDV EXPOに出展。こちらの会期は25~26日の2日間

□Matroxのホームページ(英文)
http://www.matrox.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.matrox.com/video/press/releases/power_of_x.cfm
□ニュースリリース(和文/PDF)
http://www.infomagic.co.jp/pdf/NewsReleaseRT-02.pdf
□製品情報(英文)
http://www.matrox.com/video/products/rtx100/home.cfm


■ LEXMARKは廉価な複合型プリンタを発表

 LEXMARKは廉価な複合型インクジェットプリンタ2モデルを25日(現地時間)に発表し、会場で展示している。プリンタのほかスキャナ、コピー、FAXの機能を搭載した「X125」と、プリンタ、スキャナ、コピー機能を統合した「X75」の2モデルで、予想小売価格は「X125」が179ドル、「X75」が149ドル。

X125 X75

 「X125」は、解像度2,400×1,200dpiのA4対応複合型プリンタで、印字速度はモノクロ16ppm、カラー8ppm。スキャン機能は36bitカラーで、600×1,200dpiのスキャンが可能。コピー性能はモノクロ16ppm、カラー8ppmで33.6kbpsのファックス機能も搭載する。インターフェイスはUSB。対応OSはWindows 98/Me/2000/XP。

 「X75」は、解像度2,400×1,200dpiのA4対応プリンタ。プリンタ/スキャナ/コピーの3つの機能を表す「PRINTRIO」ブランドで展開される。印字速度はモノクロ11ppm、カラー6ppm。スキャン機能は48bitカラーで、600×1,200dpiのスキャンが可能。コピー性能はモノクロ9ppm、カラー4ppm。インターフェイスはUSB。対応OSはWindows 98/Me/2000/XP、Mac OS 9、Mac OS X。

□ニュースリリース(X125)
http://www.lexmark.com/US/press_releases_details/0,1233,NzYzfDE=,00.html
□ニュースリリース(X75)
http://www.lexmark.com/US/press_releases_details/0,1233,NzY0fDE=,00.html


■ その他の展示製品

 Windows XP Tablet PC Editionの発売日(実際には搭載機器の発売日でOSの単体発売は無い)も11月7日に決まり、今回のTECHXNYの大きなトピックの1つだった、Tablet PCだが、実際に展示しているのはMicrosoftのブースや周辺のブースのみ(もっともTablet PC参加メーカーがあまりTECHXNYに参加していないのだが)となっている。

富士通のTablet PC VIAのTablet PC
ペン入力もしくはワイヤレスキーボードを利用する

 Microsoftのブースでは、AcerやTATUNG、富士通などのTablet PCを使ってデモが行なわれ、来場者の注目を集めている。VIAもTabllet PCのリファレンスデザインを展示している。既に発表済みのものだが、C3ベースのTablet PCはVIA製のみ。CPUはEBGAパッケージのC3 667MHz。ワイヤレスキーボードもしくはペン入力を組み合わせて使う。基本的にOEM向けのリファレンスデザインで、このままの形での販売は無い。

VISUAL COMMUNICATIORのデモ。グリーンの専用スクリーンを利用

 SERIOUS MAGICのブースでは、簡易放送ソフトウェア「VISUAL COMMUNICATIOR」のデモンストレーションを行なっている。

 ウィザードに沿って設定し、DVやWebカメラなどをディスプレイ上に設置。それに向かってニュース番組風に話すと話者をイメージ上に合成し、本当のTV番組でしゃべっているように見せることができる。

 価格は99.95ドルで米国では既に発売している。また、グリーンのスクリーンやクリップ式のマイクが付属するセットも用意され、価格は149.95ドル。入力ビデオフォーマットはAVI、WMV、ASF、MPEGで、出力ビデオフォーマット640×480ドットまでのAVI/ASF/WMV。


Pocket PC 2002 Phone Editionを体験できるコーナーは大人気 BHAのブースでは、松下製のDVDマルチドライブ「LF-D521」などを使ったデモが行なわれている
Palmブース。目新しい製品は無いがデモやシールの配布で人気を集めた AMDによるインターネットカフェ


■ 少々さびしい展示会場。来年のTECHXNYは秋に開催

 昨年のレポートでも、TECHXNY(PC EXPO)が縮小傾向にあることが伝えられているが、今年はさらにその傾向が進み、メイン会場であるLEVEL3のフロアにも大きな空きスペースができている。こうした状況を受け、今回のTECHXNYが新製品発表の場として魅力に乏しかった感は否めない。なお、例年6月に開催されてきたPC EXPO(TECHXNY)だが、来年は秋の開催となる。


メインフロアの巨大な開きスペース 【動画】 1.1MB
一見にぎやかそうですが……
低調が伝えられるPC系大規模イベント「COMDEX Fall」も今秋の開催に向けてアピールしている。看板には「Recovery Ahead」の文字が

□TECHXNYのホームページ(英文)
http://www.techxny.com/
□関連記事
【2001年6月29日】TECHXNY/PC EXPO会場レポート:モバイル編
IBMがウェアラブルPC、カシオがPalm対抗PDAなどを展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010629/pcexpo8.htm

(2002年6月27日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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