アダプテック、Ultra 320 SCSI製品を8月より出荷
~Maxtorは高密度/高回転HDDを公開

6月10日発表



 アダプテックジャパン株式会社日本マックストア株式会社は10日、都内にて合同で発表会を実施し、Ultra 320 SCSI対応のホストアダプタやHDDなどの製品発表を行なった。


●Ultra 320 SCSI製品第一弾はデュアルチャンネル対応のハイエンドモデル

「ASC-39320D」
2チャンネル対応、ファームウェアのアップデートで簡易RAID機能「iROC」にも対応する予定
 アダプテックジャパンは、Ultra 320 SCSI対応製品を8月下旬より順次出荷開始する。価格は全モデルオープンプライス。対応OSは、Windows NT 4.0/2000/XP、Linuxなど。

 Ultra 320 SCSI対応第一弾は、ハイエンドサーバー向けの2チャンネル対応SCSIホストアダプタ「ASC-39320D」。Ultra 160 SCSI対応の従来モデル「ASC-39160」の後継モデルで、店頭予想価格は「ASC-39160の5%増し程度」としている。

 SCSIコントローラは「AIC-7902」を搭載する。内部68ピンコネクタ×1、外部VHDCIコネクタ×2を装備。インターフェイスはPCI-X(64bit/133MHz)専用。

ASC-39320DやSCSI RAID 2200Sに搭載されるSCSIコントローラ「AIC-7902」 パッケージに付属される予定のUltra 320 SCSI対応ケーブル。高品質の転送レートを保証し、エアフロー対策のためにスマートケーブル化されている

 ファームウェアをアップデートすることで、簡易RAID機能「iROC」に対応するのが特徴。ハードウェアRAIDとして利用可能なため、構築したアレイからの起動もできる。対応RAIDレベルはRAID 0/1/10で、アレイ構築時のHDD接続台数は6台までとなる。また、同社製のSCSI RAIDカードに換装することで、構築したアレイをそのまま引き継げる。ファームウェアは10月以降にホームページ上で無償公開される予定。

 内部68ピンコネクタ×2、外部VHDCIコネクタ×1を装備したバリエーションモデル「ASC-39320」も10月より出荷開始される。チャンネル数は1で、iROCには対応しない。価格はASC-39320Dと同程度の見込み。

 エントリー向けのSCSIホストアダプタとして、「ASC-29320」が10月より、LowProfile対応の「ASC-29320LP」が2003年1月よりそれぞれ出荷開始される。Ultra 160 SCSI対応の従来モデル「ASC-29160」および「ASC-29160LP」の後継で、価格も従来モデルと同程度か若干高くなる見込み。インターフェイスは2モデルともにPCI-X(64bit/133MHz)専用。また「ASC-29320」は、簡易RAID機能「iROC」にも対応する。

 そのほか、SCSI RAID製品として、2チャンネル対応の「SCSI RAID 2200S」と1チャンネル対応の「SCSI RAID 2120S」が9月中旬より出荷開始される。店頭予想価格はそれぞれ、Ultra 160 SCSI対応の現行モデルと同程度の見込み。インターフェイスはPCI(64bit/133MHz)で、ともにLowProfileに対応する。また、バッテリオプションも用意される。

「SCSI RAID 2200S」
2チャンネル対応のハードウェアRAIDカード。LowProfile PCI対応
「SCSI RAID 2120S」
1チャンネル対応のハードウェアRAIDカード。LowProfile PCI対応
2200S/2120Sは、RAID用プロセッサにIntel 80302を搭載

アダプテックジャパン、マーケティングプロダクトマネージャー 瀧川大爾氏
 アダプテックジャパンのマーケティングプロダクトマネージャー 瀧川大爾氏は、「現在最も高速なHDDでは、ピーク時の転送速度が55MB/secに達し、現行のUltra 160 SCSIではHDDを3~4台接続してしまうとオーバーフローが発生してしまうが、Ultra 320 SCSIではこれらの問題を解決できる」とし、「Ultra 320 SCSIは、データの転送速度以外に、コマンドの転送速度も320MB/secにする“パケッタイズド転送”に対応したことでオーバーヘッドを減らし、パフォーマンスも向上している」と続け、Ultra 320 SCSIの優位性を語った。

 また、ファームウェアのアップデートをすることで利用可能な簡易RAID機能「iROC」や、ブラウザ上で動作するため、OSなどに依存しないRAIDユーティリティ「Adaptec Storage Manegae Browser Edition」が10月から順次リリースされることなどを紹介した。

ファームウェアをアップデートすることで利用可能となる簡易RAID機能「iROC」。ハードウェアRAIDとして動作し、構築したアレイからのOS起動も可能。HDDの接続台数は6台までとなる。10月以降にホームページ上で無償公開される IE 5.0以降のブラウザで動作するRAIDユーティリティ「Adaptec Storage Manegae Browser Edition」。こちらも10月以降に無償でダウンロードできる予定


●Maxtorは高密度プラッタモデルや高回転モデルを発表

日本マックストア、代表取締役 内山洋一氏
 日本マックストアは、Ultra 320 SCSI対応HDDとして、2001年11月発表の「Atlas 10K III」のほか、高密度プラッタモデルの「Atlas 10K IV」や、15,000rpm対応の「Atlas 15K」が用意されていることを明らかにした。

 「Atlas 10K IV」は、プラッタ容量を「Atlas 10K III」の18GB/プラッタから36GB/プラッタに高密度化したモデルで、容量は36/73/146GBが用意される。回転数は10,000rpm、平均シークタイムは4.4ms、最大転送速度は72MB/sec、バッファは8MB搭載する。なお、出荷開始時期や価格は未定。

 「Atlas 15K」は、直径65mmの小型ディスクを採用し、15,000rpmに対応したHDD。プラッタ容量は18GBで、18/36/73GBの3モデルが用意される。平均シークタイムは3.5ms、最大転送速度は75MB/sec、バッファは8MB搭載する。価格は未定だが、年内には出荷される見込み。

 日本マックストアの代表取締役 内山洋一氏は、「サーバー市場では、今後も高速なSCSI HDDへの要求が高まっていく」とした上で、「今後は、SCSIと物理的に共通なインターフェイスを採用した“シリアル・アタッチドSCSI”が普及していくだろう。シリアル・アタッチドSCSIはシリアルATAとも互換性を持つため、容易なシステム構成を実現できる」と、今後の展望を語った。

Ultra 320 SCSI対応HDD「Atlas 10K III」 「Atlas 10K IV」のスペックシート 「Atlas 15K」のスペックシート

□アダプテックジャパンのホームページ
(6月10日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.adaptec.co.jp/
□日本マックストアのホームページ
(6月10日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.maxtor.co.jp/
□関連記事
【2001年10月30日】Maxtorとアダプテック、Ultra320 SCSI対応製品を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011030/adaptec.htm

(2002年6月10日)

[Reported by yosida-s@impress.co.jp]

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