富士通、300Gb/平方インチの磁気ディスク読み取りヘッド5月15日 発表 株式会社富士通研究所は15日、300Gbit/平方インチ以上の記録密度を持つHDDのデータ読み取りが可能な巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto-Resistive)ヘッド技術を開発したと発表した。 この技術を用いると、2.5インチHDD1台当たり160~300GBの大容量化が可能になるという。同技術を用いたヘッドは2~4年後に実用化される予定。 現在、HDDに用いられているGMRヘッドは、GMR素子部分の膜面に平行に電流を流すCIP(Current in Plane)型で、記録密度の向上とともに素子サイズが減少し、再生出力が低下する。そのため、約100Gbit/平方インチ程度の記録密度が限界とされていた。 今回同社が開発したのは、GMR素子の膜内にナノメートルオーダーの非常に薄い磁性酸化膜(Partially Oxidized Magnetic Layer)を形成することにより、GMR素子内の電流の流れを制御し、抵抗変化を実用レベルに高めた新しいCPP(Current Perpendicular to Plane)-GMRヘッド。 開発したヘッドは、従来のCPPのGMR素子に比べ、素子の磁気抵抗変化率を5.0%と従来の8倍以上に高め、さらに素子抵抗変化を60倍程度まで高めたという。このため、150~300Gbit/平方インチ程度のサイズのヘッドに搭載した場合にも十分大きな再生出力を得ることが可能となった。 また、このCPP-GMR素子は、TMR(Tunnel Magneto-Resistive)素子に比べ、素子抵抗が10分の1程度小さいことから、素子サイズが小さくなってもヘッド抵抗の上昇を抑制することができ、高速なデータ転送が可能になるという。 □富士通研究所のホームページ (2002年5月15日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp] | I |
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