大須 万松寺で、パソコン供養が営まれる
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伊藤副住職の法要 |
5月12日 開催
名古屋の大須電気街に位置する万松寺で12日、おそらく日本初の「パソコン供養」が開催された。万松寺は地元では有名な電脳寺であり、大須の電気街はこの万松寺と共に発展してきたと言っても過言ではない。今回、パソコン供養を行なった伊藤元裕副住職は宗教人とソフト開発会社の社長という2つの顔をもっている。今回、伊藤元裕副住職の「家庭で不要になったパソコンおよび周辺機器を、単に処分するのではなく、針供養や人形供養と同様に愛着のあるものとして厳粛に供養する」という発案で「パソコン供養」は開催された。
当日、本堂に集められたパソコンはデスクトップ本体が約100台、ノートPCが10台、CRTが50台、プリンタが10台、なつかしの386マシンからiMacまで、本堂の正面の左右の柱の外まで所狭しと積み上げられていた。この催しには、報道陣も多数詰めかけ、地元テレビ局を中心に約20名に及んだ。一方、来賓6名を除くと、通りがかりに立ち寄ったユーザが4名ほどで、第一回とあって地元パソコンユーザにこの試みが周知されるのはこれからという印象だ。
午後1時、来賓の挨拶の後、伊藤副住職により法要がはじまった。今回「供養」するパソコンの持ち主の名前が全員読み上げられ、読経の声が朗々と本堂に響き30分ほどで無事「パソコン供養」は終了した。
名古屋では藤前干潟に予定されていたゴミ処分場が野鳥保護のため建設中止になるなど深刻なゴミ問題を抱えている。2年程前から強力な分別収集が始まり、パソコン等の粗大ゴミは役所に連絡しコンビニで払込をして証明をもらい、月に一度の指定日に収集されるシステムになっている。ユーザーにとっては、費用もだが、手間の面で負担が大きい。今回の「パソコン供養」は1台1,000円の供養料や送料の負担が必要だが、随時受け付けられているため、手間をかけずに処分を急ぎたいユーザーにもメリットがある。
集められたパソコンは素材リサイクルにまわされ、金、銀、鉄等が抽出される。パソコンリサイクル法を前に、1つのモデルケースとしても注目に値する試みだ。
今後も継続的に開催されるので、愛着はあっても火の入ることが少なくなった思い入れのあるマシンをお持ちの方は一考されてはいかがであろう。
本堂に積み重ねられたパソコンたち(左、正面、右) |
□万松寺のホームページ
http://www.banshoji.or.jp/
□パソコン供養の情報
http://www.banshoji.or.jp/event.html
□関連記事
【4月22日】大須電気街の万松寺で5月にパソコン供養を実施
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0422/osu.htm
(2002年5月13日)
[Reported by 奥川 浩彦]
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