松下、自律走行する家庭用掃除ロボットを開発
3月25日発表
松下電器産業株式会社は25日、自律制御で動作する家庭用掃除ロボットを開発したと発表した。
世界で初めて、安全系および集塵系センサを搭載した一般家庭向けの自動掃除ロボット。名称は未定。部屋の形状や床面の状態、ゴミの量に応じて最適な集塵を行なうのが特徴。
発売時期や価格は未定だが、2~3年後の実用化を目指している。なお、試作機段階での価格は「1台数百万円程度」としている。また、ホームページ上にてモニターを募集し、5月より一般家庭における実証実験も開始する。
測距用の2種類のセンサー(赤外線センサー/超音波センサー)とジャイロセンサーを併用し、自動的に障害物を避けながら、同社独自のクロスパターン走行を行なうことで、ゴミの取り残しのない掃除を行なえるという。またカーペット上など、まっすぐ走行しづらい路面状況でも、ジャイロセンサーとラダーセンサーによる自動姿勢制御を行なうことで直進できる。
階段などの段差から転落を防止する段差センサーや、ストーブなどの熱源に近づかないための熱センサー、車輪空転時のスリップセンサー、上から押さえつけられたときの過負荷センサーなど、本体に50個のセンサーを搭載する。
1回の充電で連続約55分間、床面積で約80平方メートルの使用が可能。充電時間は約2時間。走行速度は最大30cm/secで、ゴミの量が多い箇所では自動的に速度を半減する。本体サイズは292×367×265mm(幅×奥行き×高さ)、重量は9.8kg。
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松下電器産業株式会社取締役 電化・住設社 社長 林 義考氏 |
同社の取締役 電化・住設社社長 林 義考氏は、「家庭での使用を考え、安全面を最優先した。この自律走行の技術を応用し、家事や介護などにも展開する。今後は携帯電話とも連動し、外出先から家の様子を見守るなど“安心ロボット”として位置付けて行く」と、今後の展望を語った。
なお、今回発表された家庭用掃除ロボットは、4月11日~13日に大阪にて開催される「バリアフリー2002」に出展される。
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内部構造 |
同社独自のクロスパターン走行。最初に部屋の外周を1周したあと、縦方向に往復走行し、最後に横方向に往復走行する |
考案された走行パターン。清掃率は、ランダム走行時は約80~85%、クロスパターン走行時は約92~93%だったという |
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安全面は特に留意されており、起動時に「幼児やペットはいないか?」、「ストーブや置きタバコはないか?」、「コードやリモコンなどは落ちていないか」など、確認のメッセージが表示される。液晶画面はタッチパネル仕様になっている。「National」ロゴの下にあるのは型番(MC-BR100)と思われるが、「現在名称は未定」とのこと |
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本体前面。 大きさは「普通の掃除機の本体部分を一回り大きくした」という程度 |
本体背面。液晶ディスプレイを装備する |
本体上部には取っ手を備える。軽々と持ち上げているように見えるが、10kg近くあるので実際はかなり重い |
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本体カバーを外した状態(本体正面)。各種センサーを装備 |
本体カバーを外した状態(本体背面)。液晶ディスプレイやバック走行時のセンサーなどを装備。中央に見えるのは駆動用のニッケル水素バッテリ |
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本体後部に充電器を装着できる。本体と同時に持ち運びを行なうための配慮 |
本体側面部にゴミ収納ボックスを備える |
本体底面部。ゴミ収集用のブラシ付きノズルを装備 |
□松下電器のホームページ
http://www.matsushita.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn020325-2/jn020325-2.html
(2002年3月25日)
[Reported by yosida-s@impress.co.jp]
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