日本IBM、ThinkPad s30の生産を中止
~リアルモバイルPCはXシリーズに統合

ThinkPad s30(RAJ/R3J)

3月20日 発表



 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は、B5サイズノートPC「ThinkPad s30」の生産を3月をもって、終了すると発表した。以後は在庫のみの販売となる。なお、サポートは従来通り継続される。

 ThinkPad s30は、昨年6月に発売された製品で、無線LAN内蔵モデルの設定と長時間のバッテリ駆動、グランドピアノのように光沢のある「ミラージュブラック」の外装(一部機種を除く)で話題を呼んだ。

 日本IBMでは、製造中止の理由として次のようにコメントしている。

 「従来、モバイルPC製品、特に、本当に持ち歩くリアルモバイルPCに関しては、国内および海外で、生活習慣やビジネススタイルの違いからその求める姿に多少の差異があった。ただし、グローバル化が進む中、それらの違いも小さくなりつつあります。

 一方、国内でのリアルモバイルPCの市場規模はモバイルPC全体の約30%と、それほど高くはなく、弊社では現在、その市場にThinkPad Xシリーズとs30の2モデルを提供しております。今後は、お客様の強い要望でもある“価格性能比”や“ユーザビリティ”の向上を実現し、グローバルな市場ニーズに応えることの出来る新しいモバイルPCを目指して製品のポジティブな統合を計画しております。そこでは、s30で培った携帯性や駆動時間、Xシリーズの特徴であるビジネスモバイルのスケール感などを統合する予定です」

 s30は、新しい機能を盛り込んだ特徴的なPCでありながら、ボディを磨くなど愛玩できる要素を併せ持っており、記憶に残る名機といえるだろう。製造中止は残念な決断だが、Xシリーズの製品にその特徴が受け継がれB5ファイルサイズの新しい製品が登場することを期待したい。また、これから入手しようというユーザーには現行機種が最後のs30となるため、早めに手配することをお勧めする。

 なお、同社では「今後は、単なるハードウエア単体機能による使い勝手ではなく、付随するユーティリティ等により、よりIT環境やユーザービリティを向上させる新しいモバイルPCを提供して行く予定でおります」ともコメントしている。しかし、コンシューマ市場の場合、ハードウェアの魅力が購入意欲の源泉となることも否定できない。総合的な使いやすさを求める一方で、同社が今後も魅力的なハードウェアを生み出し続けることを期待したい。

□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□ThinkPad s30製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tps301a/tps301aa.html
□関連記事
【2001年5月23日】IBM、ピアノ調ボディの新ThinkPad
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010523/ibm1.htm

(2002年3月20日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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