IBM、ピアノ調ボディの新ThinkPad
6月中旬 発売
標準価格:オープンプライス
連絡先:ダイヤルIBM
Tel.0120-04-1992
日本アイ・ビー・エム株式会社は23日、ThinkPad iシリーズの新機種として「ThinkPad i Series s30」2機種を発表した。無線LANを内蔵した2639-4AJ、100Base-TX EthernetおよびIEEE 1394を搭載した2639-43Jが用意される。発売は6月中旬。価格はオープンプライスで、IBMダイレクト価格では43Jが218,000円、4AJが228,000円。OSはWindows Meがプリインストールされる。
ThinkPad i Series s30は、先日、インテルのモバイルプロセッサ発表会でパネルだけが展示され話題を呼んだ製品で、ThinkPad i 1124の後継機種。まず目を引くのが、グランドピアノのように光沢のある「ミラージュブラック」でコーティングされたボディ。覗き込むと顔が写り込むほど滑らかな表面処理がされており、非常に印象的だ。触れるとどうしても指紋が目立つようになるが、製品には汚れを拭き取るためのクリーニング・クロスも付属する。
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2639-4AJ斜め後方 |
同じく斜め後方から。右側にある壁紙の模様がきれいに写り込んでいる様子がわかる |
本体に付属予定のクリーニング・クロス。実際にはもう少し大きいものが添付されるという |
B5サイズモデルながら、キーピッチは従来機よりもさらに大きくなり、18.25mmのフルサイズキーボード。そのため、本体からキーボードが左右に若干はみ出した、独特のスタイルをしている。また、「4AJ」モデルでは、IEEE 802.11b対応の無線LANを内蔵するため、液晶パネル左右の張り出し部分に無線アンテナを1つずつ内蔵している。複数のアンテナを内蔵することで、より良好な電波環境がえられるという。
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独特な形状のキーボード。本体から左右に張り出させることでフルサイズキーボードを搭載することが可能となった |
トラックポイントとボタン類 |
液晶パネルの両サイドに設置された無線アンテナ(張り出し部分)。キーボードの張り出し部分とぴったり重なるようにデザインされている |
10.4インチ1,024×768ドットTFT液晶ディスプレイを備え、超低電圧版のモバイルPentium III 600MHz、を搭載。メモリは128MB(最大256MB)、HDDは20GB、チップセットはIntel 440MX、ビデオチップはLynx3DM4を備える。インターフェイスは、ディスプレイ出力(付属の専用ケーブルで対応)、USB×2、モデム、PCカードスロット Type2×1など。また「43J」モデルには100Base-TX対応Ethernet×1とIEEE 1394×1が装備される。ポインティングデバイスはトラックポイント。
本体サイズは257×213×22.5~32.3mm(幅×奥行×高さ)。重さは1.45kg。バッテリ持続時間は標準バッテリーで約6.5時間。オプションとなるFullDayバッテリ使用時は約10時間となる。
また、本機と同様にミラージュブラックのコーティングが施された外付けUSB CD-ROMドライブ「22P7057」と外付けフロッピーディスクドライブ「02K7056」も発売予定。どちらもオープンプライスで、IBMダイレクト価格は22P7057が25,000円、02K7056が10,800円。
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2639-4AJ本体正面 |
本体背面。フラッシュ光の写り込み方もきれい(?) |
本体右側。有線LANモデルの43Jでは写真右側部分にEthernetが装備される |
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2639-4AJ本体左側。写真は試作機のため右側部分にIEEE 1394の文字が見えるが、搭載されるのは43Jのみ |
液晶パネルを閉じた状態 |
外部ディスプレイに接続する場合はこの変換コネクタを使用する |
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橋本孝之 取締役 |
発表会場ではパーソナル・システム事業部長 橋本孝之氏が、IBMの今後の事業展開について語り、「今回の製品ラインナップで新しいコンシュマー市場を開拓したい」と今回のシリーズに対する意気込みをみせた。
また、21世紀におけるスタンダードPCの条件として、フルサイズキーボードによる高い操作性、余裕のあるバッテリ持続時間、ブロードバンド対応の3点をあげ、今回の新製品にはそれらがすべて備えられていることを強調した。
その後、同社のワイヤレス市場への取り組みについて触れ、「現在、国内のブロードバンド環境は諸外国に比較してそれほど高い水準にはないが、近い将来、必ず普及するはず」と述べ、「それらの高速回線が普及した場合、IEEE 802.11bのような高速な無線システムが必要になる」とし、「インターネットへの直接のゲートウェイとしてはIEEE 802.11bを使う。BluetoothはPDAとノート同士のデータのやりとりなど、あくまでサポート的な役割になる」と、IEEE 802.11bとBluetoothの棲み分けについても語った。
午後に開催された発表会では、ThinkPad i Series s30の分解モデルや、歴代ThinkPadなどの展示も行なわれた。
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ThinkPad i Series s30は分解された状態での展示も行なわれた。 |
ThinkPad s30のマザーボード。右下のMini PCIモジュールに無線LANとIEEE 1394、または有線LANとIEEE 1394コンボカードが搭載される。有線/無線LANのコンボカードが用意されないのは、物理スペースの制約によるという。HDDはネジ止めされずに固定されている |
液晶部裏。左右に無線LAN用のダイバーシティアンテナが見える。受信は左右どちらか電波状況の良い方が使用される。送信は片側のみ |
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会場にはThinkPad 220以降の歴代ThinkPadも展示されていた |
米Linksysの無線LAN CFカードが参考出品されていた。発売日や価格は未定という |
サードパーティからはThinkPad s30とデザインをあわせたバッグも展示されていた |
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展示会場の一角にはAptivaをサーバーにした家庭内での無線LAN環境をイメージした展示も行なわれた。なお、ギターはThinkPadの表面処理が楽器に似ていることから展示されているという |
右は携帯電話やヘルメット、自転車などさまざまなものにペイントする増永修司氏によってペインティングが施されている。左はノーマルのThinkPad s30にステッカーを貼ったもの。参考出品で発売などは予定されていない |
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展示会場の中央には、現在全日本GT選手権に参戦中のレーシングマシン「TAKATA童夢NSX」が展示されていた。ThinkPad s30は素材にカーボンを採用しているが、レーシングマシンもカーボン素材を使用していることから展示されているという |
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「TAKATA童夢NSX」は、設計・開発にIBMのIntelliStationが採用されているほか、セッティング等にもThinkPadが使用されているという |
【お詫びと訂正】冒頭部分において「4AJ」および「43J」の機種名が入れ替わっておりました。お詫びして訂正させていただきます。(5月24日)
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□ニュースリリース
http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2001/05231
□関連記事
【5月23日】インテル発表会場でIBMが新型ThinkPadのパネルを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010521/intel4.htm
(2001年5月23日)
[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]
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