インテル インダストリ フォーラム2002でバレットCEOが基調講演
~日立の水冷ノートPCが国内初公開

スモークの中から登場したIntelのクレイグ・バレットCEO

3月1日開催



 インテル株式会社は1日、米Intelのクレイグ・バレットCEOの来日にあわせ、業界関係者と報道関係者向けに「インテル インダストリ フォーラム 2002」を都内で開催した。フォーラムではバレットCEOの基調講演と記者会見、Pentium 4関連製品の展示が行なわれた。会場では、IDFで公開された日立の水冷ノートPCも参考出品されていた。

●成長の波は必ず訪れる

 バレットCEOによる基調講演は、タレントのクリス・ペプラー氏が司会を担当、バレットCEOがスモークの中から現れるなど、ショウアップが図られていた。

 講演の要旨は「成長の波はまた訪れる、そのためには技術革新が必要で、革新のためには投資が必要」という、IDFでの講演に沿ったもの。2002年の日本市場ではPC市場の再活性化のため、Pentium 4ファミリとブロードバンド環境の普及を進めることを表明したほかは、サーバー、デスクトップ、モバイル、ネットワーキングの分野に注力することなど、Intelの最新の方針を再確認する場となった。

産業が混乱期を経て磐石なビジネスに成長すること(左)を、鉄鋼業界の歴史に当てはめて説明(中)、IT業界は現在混乱期にあり、今後の成長が見込める(右)とした
P2Pソフトで遠隔地の医師とレントゲン画像を共有、会議をする様子をデモ。使われたソフトは「Groove」 クリス・ペプラー氏が個人所有しているPCについて「それはAppleじゃないでしょうね」と迫るバレットCEO(右)とインテル株式会社のジョン・アントン代表取締役社長(中)。「(Appleは)昔、持ってました」と答えたペプラー氏に、バレットCEOは「本物のPCを手に入れられてよかったですね」 バレットCEOを中心に、Pentium 4搭載機ベンダーの首脳が集合

●水冷ノートPCなど、モバイルPentium 4搭載ノートPCを多数参考展示

 Pentium 4関連製品の展示では、ソフトウェアや、すでに発売されているPentium 4搭載デスクトップPCのほか、参考出品のPCが展示された。

各社から発売前のモバイルPentium 4-M搭載ノートPCが参考出品された IDFで公開されていた日立の水冷ノートPCが国内初登場 こちらは水冷システムを搭載しない日立のPentium 4-M搭載ノート FLORA 270
ソニーから参考出品されたノートPC。製品名は表記されていないがかなり大きな液晶を搭載している 東芝からDynabookとは別に参考出品されたノートPC。製品名は表記されていない 東芝Dynabook
富士通 FMV BIBLO エプソンダイレクト Endeavor NT-5000 日本HP hp omnibook vt6200
松下電器産業 Tough Book ソーテック WinBook デルコンピュータ Latitude C840
ソーテック WinBook NEC VersaPro バレットCEOとモバイルPentium 4-Mプロセッサ

●Pentium 4搭載機なども展示

 モバイルPentium 4を搭載したノートPC以外にも、Pentium 4搭載デスクトップPCやソフトウェアなどが多数展示されていた。

【東芝のSFF PC】
東芝の企業向けSFF PC「EQUIUM」。Pentium IIIモデルとCeleronモデルはすでに発売されているが、Pentium 4モデルが参考出品された 筐体前面にPCカードスロットとUSBポート、IEEE 1394ポートが装備されている
ディスプレイ用にD-Sub 15ピンとDVI-Dを備える EQUIUMの内部。右側のファンの下に大きなヒートシンクがある。ACアダプタは大きめ

【ソーテックの参考出品PC】
ソーテックが参考出品した「PC STATION Vシリーズ」。CPUがPentium 4 2A GHzであること以外のスペックは未定となっている PC STATION Vシリーズも前面にPCカードスロットを備える

【そのほかの参考展示】
松下電器産業の「Panacom PC/W」(現行のCeleron搭載機は「LC/W」だが、このマシンの解説には「PC/W」と表記されていた)。2つの液晶ディスプレイを備える。CPUがPentium 4 1.8GHz、チップセットがインテル850であること以外、スペックは未定となっている ソフトウェア展示で一番の人気だった、バンダイの「UniversalCentury.net Gundam Online」 インクリメントPの「3D都市地図」。地図データと建物の実際のテクスチャーデータ、高さのデータをもとに、リアルタイムで立体地図が描画される

●プロセスの微細化だけでは対応できない

記者会見に臨むバレットCEOとアントン社長
 講演後の記者会見にはバレットCEOとアントン社長が出席。Intelの将来や半導体市場の将来について多数の質問が出た。この中で近い将来の計画としてバレットCEOは、「現在6つある0.13μm対応のFabのキャパシティを増やす」、「2つ目の300mmウェハ対応Fabを今年半ばに操業開始」、「0.09μmプロセスのプロセッサを2003年に製品化」と表明。

 またサーバー向けIA-64プロセッサ「Itanium」についても、第2世代の「McKinley」を現在テスト中であり、今年半ばには発売すること、Itaniumファミリの製品として5つのプロセッサを設計中であり、2、3年後には発売すると述べた。

 「今後もRDRAMのサポートを続けるのか?」という質問に対しては「サポートする。RDRAMがポピュラーにならなかったことは認める。Wining DRAM以外のメモリ技術もサポートしていく」と答えた。

 また、「プロセスの微細化だけでプロセッサの性能を向上させることはできるのか? ほかの新しい技術が必要なのか?」という質問には、「あと5世代くらい先までは微細化可能であることを証明したが、微細化だけでなく、誘電係数を高めたり、アセンブリ技術やデバイスからの信号の取り扱いなどを改良する必要がある」と述べた。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□関連記事
【2月27日】IDF Spring 2002レポート
基調講演:技術革新こそが成長の鍵に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0226/idf02.htm

(2002年3月1日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]

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