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エイリアンも真っ青。秒速3.14mでアゴが飛び出し捕食する「悪魔のサメ」

~発見から100年以上を経て摂餌法が解明

 北海道大学の仲谷一宏名誉教授らは8日、「悪魔のサメ」と呼ばれる「ミツクリザメ」の摂餌行動を撮影した世界初の映像を解析し、これまで100年以上謎であった摂餌法を解明したと発表した。

 ミツクリザメは1898年に日本で発見された深海ザメ。色素を欠いた桃色の体と、歯がむき出しになった容貌から、欧米では「Goblin Shark」(悪魔のサメ)と呼ばれている。しかし、発見から100年以上経っても、その生態はほとんど明らかになっておらず、最大の特徴である前方に突出したアゴが、捕食時にどのように使われるのかは謎だった。

 今回、仲谷名誉教授らは、NHKが撮影したミツクリザメの捕食映像を多角的に解析。その結果、ミツクリザメは捕食時に、約0.3秒でアゴを120度近くまで開き、アゴを閉じながらアゴ全体を前方に遠くまで突出させ、最も突出した後にアゴを完全に閉める、という段階を踏むことが明らかになった。

 捕食時の下アゴ先端の移動速度は秒速3.14mで、これは過去に測定された魚類の中で最速。また、アゴが突出する距離は全長の9.4%で、他のサメ類の2.1~9.5倍もの距離になる。このように、超高速でアゴを大きく前方に放り投げるような行動は他のサメ類には知られておらず、このミツクリザメの捕食行動は「パチンコ式摂餌」(Slingshot Feeding)と命名された。