イベントレポート
Lenovo、LTE内蔵Windowsタブレットや次期GeForce搭載YOGAを発表
~同社初のMVNOサービスLenovo Connectが中国と欧州地域でサービス開始
(2016/2/22 03:00)
Lenovoは、MWC 2016が開催されているスペイン・バルセロナにおいて、最新コンシューマ向けPCを発表した。発表されたのは360回転型2in1デバイスとなる「YOGA」シリーズの4製品および、低価格なキーボード脱着型2in1デバイスとなる「ideapad MIIX 310」で、ヨーロッパでは第2四半期(4月~6月)に相次いで販売される予定。
また、同社としては初めてMVNO(モバイル仮想ネットワーク事業者)のビジネスとなる「Lenovo Connect」を、中国と欧州を手始めに開始すると明らかにした。このLenovo Connectは、Appleが提供するApple SIMのようなLenovo自身がMVNOとなってセルラー回線を経由したデータ通信サービスをエンドユーザーに提供するもので、中国では同社の「MIIX 700」やスマートフォン、欧州では「ThinkPad」シリーズが対象となり、中国では2月から、欧州では第1四半期(1月~3月)中にサービスが開始される。
NVIDIAの次世代GPUをオプションで選択できるYOGA 710の14型モデル
LenovoのYOGAシリーズと言えば、360度回転型ヒンジを採用した初代製品以降、液晶回転型2in1デバイスの代名詞とも言える存在になっている。従来のYOGAシリーズは、ハイエンドのProと普及価格帯のProが付かない製品、さらに低価格向けのFlexシリーズと3つのブランドで製品が投入されていたのだが、昨年(2015年)9月にベルリンで行なわれたIFAで発表された第6世代Coreプロセッサを搭載した製品から、「900」、「700」、「500」、「300」という4つのグレードに分類されるようになった。900がプレミアム向け、700がミッドレンジ、500が普及価格帯向け、300がバリュー向けという位置付けになる。
今回発表された「YOGA 710」は、日本でも「YOGA 700」(11型)として販売されている製品の上位という位置付けで、11.6型と14型のフルHD液晶を搭載する。CPUは従来と同じ第6世代Core m(11型)および第6世代Core(14型)。11.6型モデルは、従来から60g軽量化された約1.04kgで、薄さは14.9mmと従来の15.8mmに比べて若干薄くなっている。また、11.6型モデル同士で比較した場合、新モデルはアンテナの改善などによりWi-Fiの電波強度が20%ほど改善されているという。
なお、YOGA 710(14型)には、オプションでNVIDIAの次世代GeForceを選択することができる。これまでのところ、NVIDIAはGeForceの新モデルは発表していないが、今年のどこかのタイミングで開発コードネームPascal(パスカル)で知られる次世代アーキテクチャのGPUをリリースすることを既に明らかにしており、そうした製品の1つである可能性が高い。
YOGA 710は11.6型、14型ともに欧州では5月以降の出荷開始を予定しており、価格は14型が899ユーロ(1ユーロ=125円換算で約112,000円)、11.6型が799ユーロ(同、約10万円)になる予定。なお、Lenovoの日本法人によれば日本での投入は未定とのことだ。
YOGA 710(14型) | YOGA 710(11型) | ||
---|---|---|---|
CPU | 第6世代Coreプロセッサ | 第6世代Core mプロセッサ | |
GPU | 内蔵/次世代NVIDIA GPU(オプション) | 内蔵 | |
メモリ | 最大8GB(DDR4) | 最大8GB(LPDDR3) | |
ストレージ | 最大256GB(SSD) | 最大256GB(SSD) | |
ディスプレイ | 14型フルHD(IPS) | 11型フルHD(IPS) | |
Wi-Fi | IEEE 802.11ac | IEEE 802.11ac | |
Bluetooth | 4.1 | 4.1 | |
セルラー | - | - | |
バッテリ駆動時間 | - | 約8時間 | |
ポート | USB 3.0(充電)×1、USB 3.0×1、Micro HDMI、SDカードスロット、オーディオ出力 | USB 3.0(充電)×1、Micro HDMI、オーディオ出力 | |
厚さ | 約17.3mm | 約14.9mm | |
重量 | 約1.6kg | 約1.04kg | |
OS | Windows 10 | Windows 10 | |
価格 | 899ユーロ | 799ユーロ | |
ヨーロッパでの出荷時期 | 5月 | 5月 |
Radeonをオプションで選択できるYOGA 510シリーズ
YOGA 510シリーズは、第6世代Coreプロセッサを採用した、360度回転ヒンジを備える2in1デバイス。15型と14型の2つの大きさのディスプレイのモデルが用意されている。従来モデルに比べて50%ほどバッテリ駆動時間が延びていることが特徴で、最大で8.5時間の駆動が可能になっている。Harman Kardonのスピーカーが内蔵されており、音質面でも訴求されている。
いずれのモデルもオプションでRadeonを外付けGPUとして搭載することが可能。15型はRadeon R7 M460を、14型はRadeon R5 M430を選択することが可能になっている。重量は15型が約2.08kg、14型が約1.75kgとなる。
Lenovoによれば、YOGA 510は15型、14型ともに欧州では4月以降の出荷を予定しており、価格は15型が699ユーロ(同、約87,000円)、14型が479ユーロ(同、約60,000円)からとなっている。こちらも、Lenovoの日本法人によれば日本での投入は未定とのことだ。
YOGA 510(15型) | YOGA 510(14型) | ||
---|---|---|---|
CPU | 第6世代Coreプロセッサ | 第6世代Coreプロセッサ | |
GPU | 内蔵/AMD Radeon R7 M460 2GB(オプション) | 内蔵/AMD Radeon R5 M430 2GB(オプション) | |
メモリ | 最大8GB(LPDDR4) | 最大8GB(LPDDR4) | |
ストレージ | 最大1TB(HDD)/最大256GB(SSD) | 最大1TB(HDD)/最大256GB(SSD) | |
ディスプレイ | 15型 | 14型 | |
Wi-Fi | IEEE 802.11ac | IEEE 802.11ac | |
Bluetooth | 4.1 | 4.1 | |
セルラー | - | - | |
バッテリ駆動時間 | 約8.5時間 | 約8.5時間 | |
ポート | USB 2.0(充電)×1、USB 3.0×2、HDMI、SDカードスロット、オーディオ出力、Gigabit Ethernet | USB 2.0(充電)×1、USB 3.0×2、HDMI、SDカードスロット、オーディオ出力、Gigabit Ethernet | |
厚さ | 約21.5mm | 約20.9mm | |
重量 | 約2.08kg | 約1.75kg | |
OS | Windows 10 | Windows 10 | |
価格 | 699ユーロ | 479ユーロ | |
ヨーロッパでの出荷時期 | 4月 | 4月 |
Cherry Trailを搭載したideapad MIIX 310、オプションでフルHDを選べるようになる
「ideapad MIIX 310」は、キーボードが分離するタイプの2in1デバイス。昨年のMWCで発表されたideapad MIIX 300の後継となる。ideapad MIIX 300では、CPUはAtom Z3700シリーズ(Bay Trail)が搭載されていたが、今年の製品はCherry TrailベースのAtom X5-8300に変更されている。また、メモリは最大で4GB(DDR3L)、ストレージは最大64GB(eMMC)となり、スペックに強化されている。
液晶ディスプレイは、ideapad MIIX 300ではWXGAまでとなっていたが、ideapad MIIX 310ではオプションで10型フルHDが選択可能と強化されている。
また、LTEモデムをオプションとして選択することが可能。重量はタブレット単体で580g、キーボード部分が520gとなっており、バッテリ駆動時間は約10時間。Lenovoによれば、欧州では6月以降の出荷を予定しており、価格は268ユーロ(同、約34,000円)。なお、Lenovoの日本法人によれば日本での投入は未定とのことだ。
ideapad MIIX 310 | ||
---|---|---|
CPU | Atom X5 8300 | |
GPU | 内蔵 | |
メモリ | 最大4GB(DDR3L) | |
ストレージ | 最大64GB(eMMC) | |
ディスプレイ | 10型フルHD(オプション) | |
Wi-Fi | IEEE 802.11n | |
Bluetooth | 4.0 | |
セルラー | LTE(オプション) | |
バッテリ駆動時間 | 約10時間 | |
ポート | USB 2.0×1(キーボード側)、Micro USB 2.0×1、Micro HDMI、microSD、オーディオ出力、Gigabit Ethernet | |
厚さ | 約9.2mm(タブレット)/約9mm(キーボード) | |
重量 | 約580g(タブレット)/約520g(キーボード) | |
OS | Windows 10 | |
価格 | 269ユーロ | |
ヨーロッパでの出荷時期 | 6月 |
グローバルなMVNOサービスとなるLenovo Connectを中国と欧州で開始
このほか、LenovoはグローバルなMVNO(モバイル仮想ネットワーク事業者)となる、Lenovo Connectを中国と欧州で開始することを明らかにした。デバイスメーカー自体が、MVNOになる仕組みとしては、Appleが開始しているApple SIMがよく知られており、Lenovoが開始するLenovo Connectもそれと同じように、Lenovo自身がMVNOとなり、顧客にグローバル規模でのデータ通信サービスを提供していく。
Lenovoによれば、Lenovo Connectは手始めに中国でスマートフォンの「LeMeng X3」とWindowsタブレットとなるMIIX 700でサービスが開始される予定、当初は50カ国で通信が可能とされており、Lenovo Connectに対応したPCやスマートフォンを購入したユーザーは他国へ旅行した時にもすぐに通信サービスを利用できる。また、欧州では同社のビジネス向けPCとなるThinkPadシリーズの指定モデルで提供される予定で、110カ国でローミング機能を利用したデータ通信が利用できる予定だという。
Lenovo Connectのサービスは中国では今月から、欧州では第1四半期中にサービスが開始される予定。Lenovoの日本法人によれば、日本でのサービスが開始されるかどうかは未定とのことだ。