イベントレポート
【ShowStoppers編】電子ペーパー搭載のスマートフォンケース
~視線でポインタ移動できるデバイスも
(2014/3/3 06:00)
Mobile World Congress(MWC)の開催とともに、バルセロナ市内ではさまざまな併催イベントが開催されている。International CESやIFAなどでもお馴染みの、ShowStoppersもその1つだ。秋に開催されるドイツのIFAではイベントに付随する公式イベントという位置付けだが、CESやMWCでは独立したイベントとして実施されている。
こうした併催イベントを開催する目的の1つが、製品やソリューションのメディアへの紹介だ。MWC自体は大規模なトレードショーなので、出展者側の主たる顧客はバイヤーということになる。ショーの規準によってはエンドユーザーが来場者に含まれる場合もあるが、MWCの場合は極めて少ない。自ずとブースの展示内容もバイヤーを第1目的にしたものになる。
一方で、新しい技術や製品は企業側もなんらかの手段で、できる限りの広報を行ないたいと考える。そこで、このShowStoppersのような併催イベントでメディアに対してPR活動をするという状況が成立している。わずか数時間のイベントのためブースなどは設営せず、各社が1つか2つのテーブルを使って、自社製品のPRを行なうというわけだ。
ここ数年バルセロナで開催されるShowStoppersは会場の選定に凝っていて、2013年はリセウ大劇場で開催されたが、2014年は世界遺産であるカタルーニャ音楽堂(Palau Musica Catalana)が会場となった。
PCやスマートフォンにOperaブラウザを提供するOpera Softwareは、Android向けにモバイルデータ通信の通信量を節約できるアプリケーションを公開した。名称は「Opera MAX」で、公開ベータ版を米国と西ヨーロッパ地域のGoogle Playを通じて23日(現地時間)から提供している。Opera Softwareによれば、httpプロトコルを利用する多くのアプリケーションで利用でき、最大50%の通信量節約が行なえるとしている。
同様の試みはGoogle Chromeのモバイル版アプリでも実装されており、転送する画像ファイルや動画、テキストをGoogleのサーバーを経由させることによって、より軽量なデータに変更して表示する。Opera MAXも同様にOperaのサーバーを経由することで、データの軽量化を実現している。
また、データ通信量を管理する機能も備え、データ通信量が大きいアプリケーションのデータ転送をWi-Fi接続時に制限するなど、モバイルネットワークでの通信量全体を管理できるのも特徴だ。本来の転送データ量と、軽量化された実際の転送量を可視化できる仕組みも備えており、その効果をアプリケーションから見られる。
現在はサーバー側の安定動作確認を兼ねて、順次ベータユーザーを増やしている段階。日本からはOpera MAXのダウンロードはできないが、米国や西ヨーロッパ地域のユーザーもサービスインの待ち行列に並んで順次参加を待つことになる。
先のレポートで背面に電子ペーパーを搭載する両面スマートフォン「YotaPhone」を紹介したが、こちらは後付けできる電子ペーパーユニット。シンガポールが拠点のOAXISが出展した。「Ink Case」と名付けられた製品は、いずれもスマートフォンのケース形状となっている。ただし、電子ペーバー部分はモジュール式となっており、1つのモジュールでケースを変えるだけで複数のスマートフォンに対応できる。現在の対応機種は、iPhone 5/5s、Galaxy S4、Galaxy Note2など。
スマートフォンとはBluetoothで接続する。専用のアプリケーションを使ってアルバムから写真を映したり、フィットネスのデータ表示、電子書籍の転送などが行なえる。ちなみに電子ペーパー自体もYotaPhoneと同じ台湾E Inkの製品を利用している。
Plantronicsのスポーツ用ヘッドフォン「Back Beat Fit」。Bluetoothでスマートフォンなどと接続する。ユニットもケーブルも耐水性、耐久性のある素材を利用しており、フィットネスやランニングなどでの利用をターゲットにしている。また収納ケースにも工夫があり、ソフトフォーム素材のケースを裏返すことで、ランニング時にスマートフォンを収納できるアームバンドに変わる。裏返してアームバンドにしたときの表面部分は、クルマの前照灯などに反射する素材が使われているのも特徴。米国では4月に129.99ドルで出荷を予定している。