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WD、スマホ/タブレットから簡単に操作できるシンプルUIのNAS
~ファイル共有/バックアップ/同期機能を搭載
(2015/7/15 13:00)
ウエスタンデジタルジャパン株式会社は、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなどからも簡単にアクセスできる1ドライブタイプのNAS「WD Cloud」を容量別に4モデル発売する。
7月22日より順次出荷が開始され、容量は2/3/4/6TB搭載モデルを用意。税別店頭予想価格は順に25,800円、34,800円、44,800円、62,800円の見込み。
本日13時よりWD Cloudの製品発表会が開催されるが、事前に製品を見る機会を得たので、先に本製品の特徴や仕様などをお伝えし、発表会の内容は追ってお届けしたい。
WD Cloudは海外では既に発売済みの製品で、今回が日本のNAS市場への本格的な参入となる。全モデルともに同社がNAS用に設計したHDD「WD Red」シリーズを搭載しており、HDDメーカーによる自社の専用HDDを組み合わせた製品として、他社にはない高い信頼性を謳う。
特別な機能としては、冒頭で述べたスマートフォンやタブレットからのアクセス機能があり、WD Cloudのアカウントを作成し、iOS/Android用アプリを使うことで、ファイルのアップロードやダウンロードが簡単に行なえる。LAN内でのアクセスはもちろん、インターネット越しでのアクセスも可能。
共有機能も備えており、写真や動画といったファイルをほかのユーザーと共有できる。特定のユーザーにのみ特定のファイルを公開することもでき、該当ファイルが閲覧できるURLを生成して、メールなどで送ることが可能。
また、これらデバイスのバックアップ機能も搭載し、Windows/MacといったPCについても同様にサポートしている。
そのほか、PC内のファイルとNAS内のファイルを同期させる、言わばクラウド的な機能も搭載しており、複数PCからの同期に対応する。ユーザーはPC内で同期させるフォルダを個別に選択可能。専用のユーティリティが用意されており、同期タイミングを意識することなく使用できる。
これらソフトウェアはシンプルなユーザーインターフェイスを採用しており、NAS入門者やPCに不慣れなユーザーでも操作に迷わないようにデザインされていると言う。なお、NASの詳細設定や管理は、ブラウザ経由で行なえる。
本製品の対応OSはWindows Vista/7/8/8.1/10、Mac OS X 10.8以降。インターフェイスはGigabit Ethernet、USB 3.0。プロトコルはDLNAとUPnPをサポートしている。
本体サイズは49×139.3×170.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2/3TBモデルが0.92kg、4TBモデルが1kg、6TBモデルが1.03kgとなる。
【18時追記】以下、製品発表会の内容を追記しました。
WD RedとWD Purpleを産み出した元ドイツWDのSven Rathjen氏が登壇
15日の13時よりウエスタンデジタルジャパンによる「WD Cloud」の記者発表会が行なわれ、米Western Digital本社(以下WD)から、Networked Content Solutions担当のSven Rathjen氏が登壇、WD Cloudの特徴や導入背景などについて説明した。
同氏は以前ドイツのWDに7年間務め、前述したNAS用HDDの「WD Red」と監視システム用HDDの「WD Purple」シリーズを企画したメンバーの内の1人。つい3カ月前にWD本社に配属され、現在は主にWD CloudとMy Passportシリーズを担当している。
同氏はまずWD Cloudを投入した背景として、この2、3年でクラウドストレージはさらに拡大し、2016年にはデジタルコンテンツの36%がクラウド上にアップロードされるだろうという予測を立てた。そして日々増え続けるデータをスマートフォンといった単一のデバイスに全て保存していくのは不可能と説明。また、ユーザーはプライバシーに関わるコンテンツを自ら管理し、セキュリティを確保したいという考え方を持っており、クラウドで管理される個人情報について、懸念を持つユーザーが多いことを挙げる。
その解決策となるのが、WD Cloudであり、ユーザーは一般的な月額契約タイプのクラウドストレージのように料金を払うことなく、セキュリティとプライバシーを確保でき、最大6TBものデータを保存できることを大きなメリットとアピールする。
そして、同氏はWD Cloudは使いやすさにこだわった製品であることを自らデモンストレーションを行ないつつ説明。自身のiPhoneから米カリフォルニアの自宅にあるWD Cloudに接続し、簡単にファイルにアクセスできること、友人知人への特定ファイルの公開、WD Cloud内にある動画をストリーミングで再生してみせるなど、ユーザーは複雑な設定を行なわず、シンプルなインターフェイスで操作できることを実演した。
ストリーミングやファイルの同期は、各デバイスをWDのサーバーに認証することで、行なえる仕組みのようで、転送されるファイルは独自に圧縮/変換などは行なわれず、実ファイルのサイズそのままで扱われることになる。
同社はNAS市場では世界一のシェアを誇り、日本ではHDDで圧倒的な知名度を誇るもののNASの分野は未開拓。今回日本でのシェア拡大のコミットメントを示すなど、日本市場への熱意が窺えた。
また、発表会ではWD Cloudの初期セットアップのデモンストレーションも行なわれた。ウエスタンデジタルジャパンの牛島学氏が操作を行ない、日本語インターフェイスで統一されていること、そのシンプルで使いやすいとするデザインを強調し、実際に難なく設定できる様子を披露した。