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WD、スマホ/タブレットから簡単に操作できるシンプルUIのNAS

~ファイル共有/バックアップ/同期機能を搭載

「WD Cloud」

 ウエスタンデジタルジャパン株式会社は、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなどからも簡単にアクセスできる1ドライブタイプのNAS「WD Cloud」を容量別に4モデル発売する。

 7月22日より順次出荷が開始され、容量は2/3/4/6TB搭載モデルを用意。税別店頭予想価格は順に25,800円、34,800円、44,800円、62,800円の見込み。

 本日13時よりWD Cloudの製品発表会が開催されるが、事前に製品を見る機会を得たので、先に本製品の特徴や仕様などをお伝えし、発表会の内容は追ってお届けしたい。

 WD Cloudは海外では既に発売済みの製品で、今回が日本のNAS市場への本格的な参入となる。全モデルともに同社がNAS用に設計したHDD「WD Red」シリーズを搭載しており、HDDメーカーによる自社の専用HDDを組み合わせた製品として、他社にはない高い信頼性を謳う。

 特別な機能としては、冒頭で述べたスマートフォンやタブレットからのアクセス機能があり、WD Cloudのアカウントを作成し、iOS/Android用アプリを使うことで、ファイルのアップロードやダウンロードが簡単に行なえる。LAN内でのアクセスはもちろん、インターネット越しでのアクセスも可能。

 共有機能も備えており、写真や動画といったファイルをほかのユーザーと共有できる。特定のユーザーにのみ特定のファイルを公開することもでき、該当ファイルが閲覧できるURLを生成して、メールなどで送ることが可能。

 また、これらデバイスのバックアップ機能も搭載し、Windows/MacといったPCについても同様にサポートしている。

 そのほか、PC内のファイルとNAS内のファイルを同期させる、言わばクラウド的な機能も搭載しており、複数PCからの同期に対応する。ユーザーはPC内で同期させるフォルダを個別に選択可能。専用のユーティリティが用意されており、同期タイミングを意識することなく使用できる。

 これらソフトウェアはシンプルなユーザーインターフェイスを採用しており、NAS入門者やPCに不慣れなユーザーでも操作に迷わないようにデザインされていると言う。なお、NASの詳細設定や管理は、ブラウザ経由で行なえる。

 本製品の対応OSはWindows Vista/7/8/8.1/10、Mac OS X 10.8以降。インターフェイスはGigabit Ethernet、USB 3.0。プロトコルはDLNAとUPnPをサポートしている。

 本体サイズは49×139.3×170.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2/3TBモデルが0.92kg、4TBモデルが1kg、6TBモデルが1.03kgとなる。

本製品の上面および背面は吸排気のための小さな穴がたくさん設けられている
背面にはインターフェイスがあり、Gigabit EthernetとUSB 3.0ポートを用意
付属品一式。シンプルさをウリとしており、3ステップで説明が書かれている
全モデルにNAS用にチューニングされたHDD「WD Red」シリーズを搭載する

【18時追記】以下、製品発表会の内容を追記しました。

WD RedとWD Purpleを産み出した元ドイツWDのSven Rathjen氏が登壇

日本でのNAS市場本格参入の第1弾として「WD Cloud」を投入。15日の製品発表会が行なわれた
発表会場にはWD Cloudのほか、4月にパートナーシップを結んだアイ・オー・データ機器の製品も展示されていた

 15日の13時よりウエスタンデジタルジャパンによる「WD Cloud」の記者発表会が行なわれ、米Western Digital本社(以下WD)から、Networked Content Solutions担当のSven Rathjen氏が登壇、WD Cloudの特徴や導入背景などについて説明した。

WD本社でVice President and General Managerを務めるSven Rathjen氏(左)と、ウエスタンデジタルジャパン代表取締役社長 兼 米国WD社コーポレートバイスプレジデントの金森苧氏

 同氏は以前ドイツのWDに7年間務め、前述したNAS用HDDの「WD Red」と監視システム用HDDの「WD Purple」シリーズを企画したメンバーの内の1人。つい3カ月前にWD本社に配属され、現在は主にWD CloudとMy Passportシリーズを担当している。

 同氏はまずWD Cloudを投入した背景として、この2、3年でクラウドストレージはさらに拡大し、2016年にはデジタルコンテンツの36%がクラウド上にアップロードされるだろうという予測を立てた。そして日々増え続けるデータをスマートフォンといった単一のデバイスに全て保存していくのは不可能と説明。また、ユーザーはプライバシーに関わるコンテンツを自ら管理し、セキュリティを確保したいという考え方を持っており、クラウドで管理される個人情報について、懸念を持つユーザーが多いことを挙げる。

 その解決策となるのが、WD Cloudであり、ユーザーは一般的な月額契約タイプのクラウドストレージのように料金を払うことなく、セキュリティとプライバシーを確保でき、最大6TBものデータを保存できることを大きなメリットとアピールする。

WD Cloudの初期セットアップのデモを披露した、ウエスタンデジタルジャパン コンテンツソリューションビジネス シニアセールスマネージャーの牛島学氏

 そして、同氏はWD Cloudは使いやすさにこだわった製品であることを自らデモンストレーションを行ないつつ説明。自身のiPhoneから米カリフォルニアの自宅にあるWD Cloudに接続し、簡単にファイルにアクセスできること、友人知人への特定ファイルの公開、WD Cloud内にある動画をストリーミングで再生してみせるなど、ユーザーは複雑な設定を行なわず、シンプルなインターフェイスで操作できることを実演した。

 ストリーミングやファイルの同期は、各デバイスをWDのサーバーに認証することで、行なえる仕組みのようで、転送されるファイルは独自に圧縮/変換などは行なわれず、実ファイルのサイズそのままで扱われることになる。

 同社はNAS市場では世界一のシェアを誇り、日本ではHDDで圧倒的な知名度を誇るもののNASの分野は未開拓。今回日本でのシェア拡大のコミットメントを示すなど、日本市場への熱意が窺えた。

Rathjen氏が自身のiPhoneを使用してデモを行なった。iOSでは左上にある「My Cloud」アプリから操作する
現在同氏の自宅(米カリフォルニア)で動作しているNASの一覧
NASをタップすれば、フォルダの一覧が階層が表示され、階層をたどれる
同氏がドイツで撮影したというブラジル出身のサッカー選手であるロナウド選手の後ろ姿の写真を披露。もちろんこの写真はカリフォルニアから参照しているものだ
写真だけでなく動画もWD Cloudから参照でき、ストリーミング再生が可能。デモでは2.5GBの動画を問題なく再生して見せた
PDFのようなドキュメントにもアクセスできる

 また、発表会ではWD Cloudの初期セットアップのデモンストレーションも行なわれた。ウエスタンデジタルジャパンの牛島学氏が操作を行ない、日本語インターフェイスで統一されていること、そのシンプルで使いやすいとするデザインを強調し、実際に難なく設定できる様子を披露した。

WD Cloudの初期セットアップ画面。WindowsであればブラウザのURL欄に「wdcloud.jp/setup」と入力するだけ
名前とメールアドレスを登録する
次にユーザー名とパスワードを入力
これでWD Cloudが使えるようになる
WD Cloudの管理画面。ホーム画面ではHDDの残量や接続ユーザー数などを確認できる
接続を許可するユーザーの登録設定画面
共有設定画面
バックアップには3種類あり、これはUSBドライブを使用する場合の画面。USBからWD Cloudへとファイルをリストアすることもできる
リモートバックアップの設定画面
ほかのWD製NASにインターネット越しにバックアップできる
内蔵バックアップは、同一のHDD上にバックアップする機能。ファイルを誤って削除してしまった場合などを想定してのバックアップのようだ
カメラバックアップは、背面のUSB 3.0ポートにデジタルカメラをUSB接続して、撮った写真をそのままWD Cloudに保存するというもの
スマートフォンからWD Cloud内の写真を選択して外部に公開しようとしている。ファイルは複数選択できる
メールで写真を直接送るか、参照URLだけ送るといった方法を選べる

(中村 真司)