ニュース
エプソン、写真印刷の品質や楽しさをアピールした新カラリオ発表会
~AKB48の渡辺麻友さんを起用して“センター”を狙う
(2014/9/2 17:18)
エプソンは2日に発表した家庭向けインクジェット複合機「カラリオ」シリーズの新製品発表会を開催。2014年モデルの製品戦略などを説明したほか、新CMキャラクターに起用されたAKB48の渡辺麻友さんが出演する新CMを披露した。
発表会の冒頭で挨拶に立ったエプソン販売株式会社 代表取締役社長の佐伯直幸氏は、2014年のカラリオ新製品について、「お客さんが一巡して買い換え需要になっている中、さらに家庭での印刷利用拡大を訴求するために、どのような製品、ソフトが必要かを考えて練り上げた」製品であると紹介。
また、エプソン全体として、精密加工技術、TFT液晶パネル、インクジェットのプリントヘッドといったコア技術をベースに、印刷やビジュアルコミュニケーション、生活の質の向上、ものづくりの確信といったテーマに沿って、今後も製品、アプリを提供し、「世の中を大きく変えていきたい」と意欲を示した。
続いて、新製品の紹介をセイコーエプソン株式会社 取締役 プリンター事業部長の久保田孝一氏、製品の販売戦略をエプソン販売株式会社 取締役 販売推進本部長 鈴村文徳氏が紹介。
まず久保田氏は2014年新モデルの戦略として、「使いやすさとデザインの両立」、「さまざまな写真価値の提供」、「簡単に繋げて、どこからでも印刷できる」の3点を挙げた。
エプソンでは2013年にコンパクトモデルの全方位展開を行なっているが、2014年はコンパクトさに加えて、高級感や使いやすさに配慮。最上位のA3対応機「EP-977A3」に光沢感のあるEPSONロゴを採用したほか、3色のカラーバリエーションを持つ主力機の「EP-807A」シリーズでは液晶デザインにもカラーバリエーションを反映させるなどデザインをリニューアルした。
鈴村氏は、顧客が製品を検討するの決め手として、プリンタのサイズを重視する傾向が年々強まっているというデータを紹介。実際にコンパクトモデルの全方位展開を行なった2013年モデルは、プリンタのサイズに対するユーザー満足度がいずれの機種でも90%を超えており、「市場での競争力の源になっている」とした。
EP-977A3とEP-807Aシリーズでは、電源の自動オン機能、排紙トレイの自動開閉機能を搭載することで、印刷フローの一連の動作を自動化。なお、この機能についてはWi-Fi(Wi-Fi Direct含む)、USB接続でも利用できる、PCからの印刷についても自動電源オンからオフまでの自動処理が可能となっている。
操作パネルでセットした用紙の種類やサイズを本体側に登録する機能も搭載する。メモリカードからのダイレクト印刷やスマートフォンアプリの「iPrint」を利用したときの印刷に反映されるほか、プリンタドライバからの印刷命令で指定された用紙と本体の用紙が異なっているときにエラーで知らせることもでき、トレイにセットした用紙を確認しなくても用紙間違いの印刷ミスをなくすことができる。
さらに、EP-977A3では、用紙搬送の最適化によってA3印刷速度を向上。従来機から約1.5倍の速度となり、2分を切る約115秒でA3写真印刷を行なえるようになった。ちなみにA3印刷ができるプリンタの市場は2011年から比べるとほぼ2倍になっており、A3印刷の需要掘り起こしが市場拡大に繋がっているとした。
さまざまな写真価値を提供する戦略の上では、まず、新コンセプトの小型プリンタ「PF-70」を紹介。久保田氏は「(女性向けプリンタの)E-100を発表してから10年。次世代のコンパクトプリンタのあるべき姿を求めて、再度原点から商品企画したもの」と紹介。20~40代の女性が印刷したいシーンを検討したものという。
鈴村氏も「男性は印刷して終わりという人が多いが、私の妻を見ていると、写真を印刷したあとに切ったり貼ったりする。例えば、チラシのキャラクターを切り抜いて写真の周りに貼ったりなどして、それで家の中がちょっと華やかになる。生活を写真で彩るというのは女性ならではの感性ではないか」とし、女性が“やりたいコトを実現できる”製品として訴求していくとした。
そうしたことを実現するためにPF-70では、「無駄なく印刷できるロールシール」、「継ぎ足しできるアルバムプリント」、「カードからA5まで印刷できる用紙サポート」、そしてそれらを「簡単操作のスマホアプリ」という要素を盛り込んだ製品となった。
小型で縦置きでき、片手でも持ちやすいサイズが大きな特徴で、その実現のため、A4機よりも小径の紙送りローラーや給紙ローラー、センサーを採用。センサーは小型化の一方で検知能力は高解像度化させている。これらを3次元的に隙間なく実装している。また、USBやWi-Fi、赤外線、カードリーダからの直接印刷など、多様なデバイスから利用できることも製品の特徴として挙げている。
さらに付属のロール紙ユニットを利用することで、写真を織り込んださまざまなシールを作れる点や、継ぎ足しできるA5サイズのフォトブックの作成も可能。そのための用紙も新たに発売する。
なお、フォトアルバムはEP-977A3/907F/807Aシリーズでも作成可能。さらに、A4機では写真を用紙上に割り付けてストーリー性を持たせた作品を制作できるテーマレイアウト機能を利用できるほか、EP-977A3ではA3の写真入りカレンダーを作成することもできる。
スマートフォンからの印刷機能については、アプリ、プリンタともに親和性を強化したと紹介。
プリンタをルーターに接続した状態のまま、Wi-Fi Directで最大4台を接続できるようにしたほか、Google Cloud Printからの印刷にも対応。スマートフォンアプリも「3DフレームPrint」が文字入力に対応した。
さらに、スマートフォン内蔵のカメラで撮影した原稿/書類を、4隅を指定しての台形補正、影除去を行なった上で印刷する「カメラでコピー」アプリも新たに提供する。
7型の液晶とキーボードを備え、PCレスで印刷ができる「E-850」は、素材を追加。特に、宛名面の飾り付けを行なうテンプレート74種類を新たに用意。はがきテンプレート1,511種類との組み合わせで、11万通り以上の選択肢が作れることをアピールした。
ビジネスインクジェットは、4色顔料インクを用いる「PX-M650」シリーズを発売。FAX搭載の「PX-M650F」が、1回線で電話とFAXを自動切り替えする機能やFAXの無鳴動着信機能、「見てからファックス受信/印刷」機能を搭載することを紹介した。
発表会では、写真愛好家やプロ/アマ写真家をターゲットにする「プロセレクション」にラインナップされる新機種「SC-PX5V II」も紹介。新たに採用したUltraChrome K3インクの採用で黒濃度を増し、他社用紙でも黒濃度が向上することを数値で示した。
SC-PX5V II用のアプリケーションとして用意される、レイアウト印刷やモノクロプレビュー、カスタムメディア(用紙)登録を行なえるAdobe Photoshop/Lightroom用プラグイン「Print Layout」、設置環境などに起因する色味の変化を測色機によるデータによって補正する「ColorBase 2」なども紹介している。
新CMキャラクターにAKB48の渡辺麻友さんを起用
カラリオのTV CMでは、新たにAKB48の渡辺麻友さんを起用。2013年より登場している「エイさん」と「ちいサメ」とともに、「6色インクで写真をキレイに」をコンセプトに、6色インク機であることを示す新たなロゴも作成し写真画質を訴求する。
鈴村氏は渡辺麻友さんの起用について、「“センターポジション”をしっかり取りたいという意気込みを込めている。楽しいプロモーションを展開していきたい」とコメントした。
新TV CMは、渡辺麻友さんとエイさん、ちいサメが「Rock Shock」というロックバンドを結成し、A3での写真印刷、コンパクトだが写真印刷はキレイ、といったカラリオの特徴をライブのトークコーナーの中で伝えるといったもの。Rock Shockは「6色」に掛けている。