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エプソン、暗部表現を強化した写真印刷向け「プロセレクション」新モデル

~フィルム対応スキャナも約7年ぶりに更新

 エプソンは2日、プロ写真家や写真愛好家向けの「プロセレクション」シリーズのA3ノビ対応プリンタ「SC-PX5V II」を発表。11月上旬に発売する。また、フィルムスキャンに対応するフラットベッドスキャナ2機種も10月9日に発売する。

プロフォトセレクション「SC-PX5V II」

「SC-PX5V II」

 「SC-PX5V II」は、2011年2月に発表された「PX-5V」の後継となるA3ノビ対応の写真印刷向けプリンタ。店頭予想価格は9万円前後の見込み。

 フォトブラックまたはマットブラック、シアン、ビビッドマゼンタ、イエロー、ライトシアン、ビビッドライトマゼンタ、グレー、ライトグレーの顔料8色インクである点は同様だが、新インクの「Epson UltraChromeK3インク」を採用。フォトブラックインクは顔料粒子を従来比約1.5倍に増量し、マットブラックはインクが用紙表面により定着しやすくするよう改良。これにより黒濃度を向上させ、全体のカラー階調性を拡大させた。さらに、樹脂コーティング層を厚くしたことで、見る角度や環境によって虹色に反射して見える「ブロンジング」を低減させた。

 また、フレームの剛性をPX-5Vから約12%強化し、紙送り精度と、インク着弾の正確性を高めた。

 このほか、写真印刷向けにモノクロプレビューや他社製用紙の設定をプリセットしておけるAdobe Photoshop/Lightroom用プラグイン「Epson Print Layout」や、対応測色機を拡充し、他社製用紙でも調整値が有効になるようにしたことで測色作業の手間を軽減させた「Epson ColorBase2」を提供する。

 主な仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、対応用紙がA3ノビ~A6、L判/2L判、KG、ハイビジョン、四切/六切、はがき、封筒など。給紙枚数は背面シートフィーダが120枚、前面からの手差しが1枚。

 インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、USB 2.0。本体サイズは616×369×228mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約15kg。

フィルム対応スキャナ

 フィルム付きスキャナは約7年ぶりのリニューアルとなる「GT-X980」、「GT-X830」を発表。店頭予想価格はそれぞれ5万円台後半、2万円台後半。

 GT-X980は「GT-X970」の後継モデル。光源がCCFLから白色LEDになったほか、フィルムホルダーを新設計のものに変更。フィルムを固定するためのパーツを変更したほか、フィルムの反りを防ぐために光の反射を抑えるアンチニュートンリングアクリル板をフィルム面に備えた。ただし、35mmストリップのスキャン枚数は24コマ(6コマ×4列)から18コマ(6コア×3列)へ減少している。

 そのほかの仕様は、前モデルをほぼ踏襲。センサーに「α-Hyper CCD II」、透過原稿/反射原稿でレンズを切り替える「デュアルレンズシステム」を採用し、フィルムスキャン時6,400dpi、各色16bit出力に対応する。反射原稿の対応用紙はA4、レター。

 インターフェイスはUSB 2.0。本体サイズは308×503×152.5mm(同)、重量は約6.6kg。

 GT-X830は「GT-X820」の後継。クラウドと連携し、スキャンデータの共有を行なえるソフトウェア「Easy Photo Scan」をバンドル点が大きな変更点。ほかの仕様は前モデルを踏襲する。

「GT-X980」
「GT-X830」

(多和田 新也)