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Apple、Thunderbolt2搭載のMacBook ProとMac Pro

~新OS XのMavericksは無料提供を開始

MacBook Pro Retina Displayモデル
10月22日(現地時間)発表

 米Appleは10月22日(現地時間)、サンフランシスコ市内のYerba Buena Center for the Artsでスペシャルイベントを開催。「iPhone 5s」および「iPhone 5c」の発表から6週間、2012年と全く同じスパンでの製品発表イベントになる。イベントの模様は同社Webサイトのほか、iOSデバイス、第2世代以降のApple TVに対してストリーミングによるリアルタイム配信が行なわれた。終了後もAppleのページから視聴できる。

Mavericksを正式リリース。無料で同日より提供開始

10月22日(現地時間)より、無料でアップデートが提供されるMavericks

 6月に開催されたWWDC(World Wide Developer Conference)で発表された新OS Xの「Mavericks」が正式発表された。MavericksはMac App Storeを通じて、無料で同日より提供される。アップデート対象のOSは、Snow Leopard、Lion、Mountain Lionで、いずれもステップアップではなく、直接Mavericksへと更新することができる。

 対応機種もSnow Leopardの動作モデルにほぼ準じる形で、2007年以降発売のiMacとMacBook Pro、2008年以降発売のMacBook Air、MacBook、Mac Pro、そして2009年以降発売のMac miniとなる。

 Mavericksに含まれる新機能は、WWDCでプレビューされた内容とほとんど同一なので、詳細は関連記事を参照いただきたい。Appleによれば、最初のMac OS X以来続いていたネコ科のコードネームから脱却し、これからの10年を担うOSの第1弾としてMavericksを位置付けている。前述の記事でも触れているが、Mavericksはカリフォルニア州にある地名でサーフィンの名所。今後はこうしたカリフォルニア州の地名がOS Xの開発コード名になる模様だ。

iWorkは4年振りの大型更新。新規にMacを購入した場合と既存のユーザーは無料で最新版をダウンロードできる

 同時にアプリケーションスイートである「iLife」と「iWork」も最新バージョンが発表された。iWorkに至ってはマイナーチェンジを除けば4年振りのアップデートとなる。これまでiLifeは新規購入したMac製品にプリインストールされるほか、Mac App Storeでの購入が可能だったが、iWorkも同様に新規購入したMac製品に対して提供されることで実質的に無料となった。いずれも既存のユーザーは無料で最新版に更新できる。また、別記事でも触れるがOS X向けのiLifeおよびiWork更新にあわせて、iOS向けのiLife、iWorkもバージョンアップがなされている。こちらも更新情報は同様で、新規にiOSデバイスを購入した場合はいずれも無料。既存のユーザーも無料で最新版に更新することができる。

 iWorkを構成するPages、Numbers、Keynoteの各アプリケーションはクラウドベースでも提供され、iCloudを使ったクラウドソーシングに対応する。前述のネイティブアプリとの相互利用のほか、Windows PCからの利用も可能だ。こちらも当面は無料で提供されるが、デモンストレーションではβ表記がブラウザ画面上に残っていたので、正規運用開始後の料金体系などは明らかにはされていない。ただし発表の中では、Microsoftのオフィススイート「Office 365」の年間サブスクリプションが99ドルであることに対して無料で利用できることを強調していたので、β以降も無料である可能性は高い。

Thunderbolt2を搭載するMacBook Pro

 2012年6月に15インチモデルが、10月に13インチモデルが発表された「MacBook Pro with Retina Displayモデル」が、第4世代CoreプロセッサのHaswellを搭載して一新された。今製品では15インチと13インチモデルが同時発表となる。

 Haswellのほか、従来のThunderboltに比較して2倍の転送速度を実現する「Thunderbolt2」を搭載。10月上旬にはiMacのラインナップがHaswellを搭載してリニューアルされているが、発表時期を分けたのは、このThunderbolt2の採用とMavericksのプリインストールを前提にした可能性が高い。

 Apple Storeにおける構成は、13インチの場合は3モデル。最上位モデルは2.6GHzデュアルコアのi5(Turbo Boost使用時最大3.1GHz)に8GBメモリ、PCI Express接続の512GBフラッシュストレージ(SSD)が184,800円。中間モデルが2.4GHzデュアルコアのi5(Turbo Boost使用時最大2.9GHz)に8GBメモリ、PCI Express接続の256GBフラッシュストレージ(SSD)が154,800円。最下位モデルが2.4GHzデュアルコアのi5(Turbo Boost使用時最大2.9GHz)に4GBメモリ、PCI Express接続の128GBフラッシュストレージ(SSD)が134,800円。

 液晶ディスプレイの解像度は2,560×1,600ドット(Retina)。Appleはプロセッサー・ナンバーを明示していないが、いずれもIntel Iris Graphicsを搭載する。バッテリ駆動時間は同社規準で9時間。

 15インチは2モデルの構成。上位が2.3GHzクアッドコアのi7(Turbo Boost使用時最大3.5GHz)に16GBメモリ、PCI Express接続の512GBフラッシュストレージ(SSD)で、264,800円。下位が2GHzクアッドコアのi7(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)に8GBメモリ、PCI Express接続の256GBフラッシュストレージ(SSD)で、204,800円。

 液晶ディスプレイの解像度は2,880×1,800ドット(Retina)。同様にプロセッサー・ナンバーは明示されていないが、いずれもIntel Iris Pro Graphicsを搭載するほか、上位モデルには単体GPUとしてNVIDIA GeForce GT 750M(2GB GDDR5)を併せて搭載している。バッテリ駆動時間は同社規準で8時間。

13インチのMacBook Pro Retina Displayモデル
15インチのMacBook Pro Retina Displayモデル

 いずれもオンラインのApple StoreではCTOによるカスタマイズが可能で、13インチの場合は、2.8GHzデュアルコア i7(Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、16GBメモリ、1TBフラッシュストレージ(SSD)などが選択できる。15インチの場合は2.6GHzクアッドコア i7(Turbo Boost使用時最大3.8GHz)、1TBフラッシュストレージ(SSD)などが選択可能。13インチのフルカスタマイズでは278,101円、15インチのフルカスタマイズでは338,799円。

インターフェイスの配置は従来モデルと同様。ThunderboltがThundebolt2に変更された

 インターフェイスはThunderboltがThunderbolt2になったこと以外は、配置を含めて従来モデルと変わらない。USB 3.0×2、Thunderbolt2×2、HDMI出力、SDXCカードスロット、音声出力などを搭載する。電源アダプタも13インチは60W出力、15インチは85W出力で従来モデルと同様。MagSafe2で本体と接続する。

 本体サイズは従来モデルと基本的に同一で、13インチが314×219×18mm(幅×奥行き×高さ)、重量1.57kg。15インチが358.9×247.1×18mm(同)、重量2.02kg。従来モデルでは13インチが15インチよりわずかに厚かったが、今モデルでは18mmに統一された。省電力化が進み、同社規準となるバッテリ駆動時間までバッテリ容量を減らすことができたものと推測される。13インチ、15インチともに発表当日より出荷が開始される。

クリエイティブワークに特化したMac Pro。12月より出荷。

 6月のWWDCにおいて、チラ見せという形で紹介されていたMac Proも正式発表された。標準仕様として上位、下位の2モデルがオンラインのApple Storeに登場しているが、原稿執筆時点ではまだ注文できない。

 上位モデルは、3.5GHzの6コア Xeon E5プロセッサを搭載。16GBの DDR3 ECCメモリ、AMD FirePro D500をデュアルで実装する。いずれもVRAM容量は3GB。ストレージは256GBのフラッシュストレージ(SSD)。

 下位モデルは、3.7GHzのクアッドコア Xeon E5プロセッサを搭載。12GBの DDR3 ECCメモリ、AMD FirePro D300をデュアルで実装する。いずれもVRAM容量は2GB。ストレージは256GBのフラッシュストレージ(SSD)。

 インターフェイスは共通で、USB 3.0×4、Thunderbolt2×6、Gigabit Ethernet×2、HDMI 1.4出力。同梱品は電源ケーブルのみ。マウスやキーボードは別売。

 いずれもCTOが可能で、上位はプロセッサを3.0GHz 8コア、あるいは2.7GHz 12コアに変更可能。メモリも32GB(8GB×4)、64GB(16GB×4)に変更できる。GPUもAMD FirePro D700デュアル(VRAM容量6GB×2)に変更できる。下位モデルもカスタマイズによって上位モデルと同等にできる。ストレージオプションは標準の256GBのほか、512GBと1TBが用意される。現在はカスタマイズが行なえないため、カスタマイズの価格は不明。出荷時期はいずれも12月と発表されている。

 本体サイズは高さが251mm、円形だがフットプリントは167mm四方。重量は5kg。

一新されたMac Pro。プロセッサとGPUはオンボードなので、購入時のCTO以外では変更することができない。メモリとフラッシュストレージ(SSD)が、ユーザーによる交換可能なパーツとなる見込み

(矢作 晃)