米NVIDIAは24日(現地時間)、1枚のカード上に2基のGPUを搭載するハイエンドGPU「GeForce GTX 590」を発表した。米国でのメーカー希望小売価格は699ドルより。国内でも25日以降順次発売の予定。
Fermiアーキテクチャで初のデュアルチップGPU。1GPUの仕様は、クロックこそ607MHz(グラフィックス)/1,215MHz(SP)と一回り低いものの、SP数は最大限の512基を搭載。これにより、GeForce GTX 580に比べて、平均して50%の性能向上を果たしたという。
GPU同士はPCI Express x16カスタムブリッジチップで接続され、基板は12層、電源は10フェーズ、ヒートシンクはベイパーチャンバー式のものを2基搭載。TDPは365Wと高いが、ゲームプレイに支障が出ないよう、騒音を抑える工夫がなされており、同社の測定によると、Radeon HD 6990が約59dBA、GeForce GTX 295が約52dBA、同9800 GX2が約51dBAであるのに対し、GTX 590は約49dBAと、デュアルチップとして最低レベルにとどめた。
デュアルチップとすることで、1枚のカードで3台のディスプレイで3D Visionを行なう3D Vision Surroundに対応。また、1基をグラフィック用、1基をPhysX用に割り当てることもできる。また、2枚のカードによるQuad SLIにも対応し、Quad SLI時はさらに平均80%近く性能が伸びるという。なお、同社では、Quad SLIに対応する周辺機器の認証リストも公開している。
これ以外のGPUの主な仕様は、テクスチャユニット数が64基×2、ROP数が48基×2。メモリは384bit接続3,414MHz駆動のGDDR5を1,536MB×2搭載。製造プロセスは40nmで、トランジスタ数は30億個×2、TDPは365W。電源コネクタは8ピン×2。
カード厚は2スロット。ディスプレイインターフェイスはデュアルリンクDVI-I×3、Mini DisplayPort。3D VisionはDVI-I出力のみ対応する。
化粧カバーを外したところ | ヒートシンクはベイパーチャンバー式 | カード表面 |
ブラケット部 | GeForce GTX 580との性能比較 | Radeon HD 6990との性能比較 |
各種製品との騒音レベルの比較 | 1枚と2枚での性能比較 | Quad SLIの認証製品 |
(2011年 3月 25日)
[Reported by 若杉 紀彦]