やじうまミニレビュー

往年の名機を彷彿とさせるテックウインドの「キーボードPC」

〜一応PC-8001mkIIと比較もしてみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
テックウインド「キーボードPC」

 尖ったPCが少なくなったとの嘆きの声も多くなりつつあるPC業界において、突如ダークホースとして登場し、話題をかっさらったのがテックウインドの「キーボードPC」だ。その名の通り、キーボード型のPCで、「MSXやPC8001シリーズの再来!?」などと、特に古くからのPCユーザーにウケが良かったようだ。そのキーボードPCを一般出荷に先立って試用する機会を得たので、簡単なレビューをお届けする。

 なんと言っても特徴はその外観に尽きる。ぱっと見はコンパクトタイプの日本語キーボードだ。しかし、裏面を見ると、電源ボタン、ヘッドフォン端子、ミニD-Sub15ピン、Ethernet、USB 2.0×2、HDMI出力、電源端子、microSDカードスロットなど、普通のキーボードにはない端子類が並ぶ。

 本体サイズは287×125×26.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約288gで、やはりコンパクトキーボードと変わらない。よくこのサイズにPCを入れ込んだものと感心するが、昨今登場したスティックPCとほぼ同様のハードウェア仕様であることを考えれば、むしろ内部には余裕すらあるのだと思われる(筐体ははめ殺しとなっており、メーカー貸出品だったので、今回分解はできなかった)。

キーボード面。これだけ見てPCと思う人はいないだろう
背面にPCとして必要な端子類が並ぶ

 たまたま手元に1983年発売の「PC-8001mkII」があったので、比較してみた。

PC-8001mkII キーボードPC
CPUクロック 4MHz 1,330MHz
メモリ 64KB 2,097,152KB
ストレージ なし eMMC 32GB
最大表示解像度 640×200ドット 1,920×1,080ドット(HDMI時)
最大表示色数 8色 1,677万色
サイズ(幅×奥行き×高さ) 440×295×96mm 287×125×26.5mm
重量 4kg 約288g
価格 123,000円 21,000円前後
PC-8001mkIIと並べてみた
横向きにも並べてみた
上にも載せてみた。こうしてみると親子のよう。もっとも子供の方がずば抜けて性能が高いのだが

 こうして比較すると、30年の進化をまざまざと見せつけられる。

 ネタはこれくらいにして、レビューに戻ろう。キーボード面に目をやると、左半分は一般的なキーボードとほぼ同じ。一方右半分はややキー配列が異なる。まず、スペースバーの右横には小さいながらもタッチパッドがある。これにより、別途マウスを用意する必要がないのだが、普通のキーボードにある、変換、カタカナ/ひらがな、右Ctrlなどのキーがない。また、タッチパッドの真上にある「ね」、「る」、「め」のキーは縦幅が他のキーの半分程度に圧縮されており、右Shiftの場所に「ろ」キーがある。変換キーを使う人や、かな入力の人はちょっと困るかもしれない。「\」キーも通常より一段上に押しやられており、それに伴い、F11とF12はFn+F1/F2で代用することとなる。

 キータッチはやや固めで、打鍵時はカチャカチャという安っぽい音がするものの、特に不都合はなく文章入力できる。

 タッチパッドはタップ操作で、左クリック、右クリック(2本指のタップ)もできるが、ボタンにはなっていないため、ドラッグアンドドロップなどの操作はやりにくい(ダブルタップ+ホールド操作によるドラッグは可能)。そこで、Fn+Altに左クリック、Fn+カタカナ/ひらがなに右クリックが割り当てられており、両手を使ってうまく操作できるようになっている。

タッチパッド周辺のキーはちょっと無理があるが、ローマ字入力なら致命的ではないだろう
付属のACアダプタは5V/2A

 ハードウェアの仕様は、Atom Z3735F(1.33GHz)、メモリ2GB、eMMC 32GB、Windows 10 Homeを搭載する。画面出力解像度はHDMIならフルHD(1,920×1,080ドット)、ミニD-Sub15ピンならHD(1,366×768ドット)をサポート。有線だけでなくIEEE 802.11b/g/n無線LANとBluetooth 4.0も搭載。マイクも内蔵しているので、Windows 10のCortanaの音声操作も利用できる。

 参考までに簡単にいくつかのベンチマークも測定した。1世代前のAtomなので、3Dゲームなどは厳しいが、2Dベースならあまり不自由は感じない程度と言える。

3DMark Ice Strom Unlimitedの結果
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルドベンチマークの結果
ドラゴンクエストXベンチマークの結果
PCMark 8 Home conventionの結果
CrystalDiskMarkの結果

 スティックPC同様、電源を繋ぎ、HDMIでディスプレイと接続すれば、あとは何もいらない。実売価格は21,000円前後と、スティックPCの2倍ほどするが、おもちゃとして購入できる範囲の価格、そして本体サイズと言える。これがUSBキーボードとしても機能するとさらに面白かったのだが、手持ちのディスプレイのHDMI入力に空きがあるなら、キーボードPCを持っておくと、使いでのあるサブ機になるのではないだろうか。

(若杉 紀彦)