やじうまミニレビュー

Inateck「FE2007」

~3ポートのHubを搭載したUSB 3.0対応のポータブルドライブケース

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
製品本体。黒1色でスクエアなデザイン。USB 3.0ケーブルが付属する

 ノートPCの内蔵HDDをSSDに換装したことで余ったHDDや、容量の大きなSSDに交換したことで行き場を失ったSSDは、ドライブケースに組み込むことで外付けドライブとして活用できる。今回紹介するUSB 3.0対応の外付ドライブケース「FE2007」はまさにそうした用途のための製品だが、同種の製品と異なるのは、3ポートのUSB Hub機能を搭載していることだ。

パッケージはクラフト箱にシールを貼ったデザイン。メーカーであるInateckは日本でこそマイナーだが海外ではそこそこの知名度がある

 つまり組み上がった状態では、USB Hub機能を持ったポータブルストレージとして使えるこの製品、USB 3.0対応で、かつ高速転送を実現するUASPにも対応しつつ、Amazonで実売3,000円ちょっとで入手できるコストパフォーマンスの高さが特徴だ。

 まずは組み立て方から見ていこう。HDDもしくはSSDを取り付けるには、カバーをスライドさせて外し、コネクタに挿入するだけ。あとはカバーを元に戻すだけで完成する。ねじ止めなどはなく、ドライバーなどの工具は不要だ。極めてシンプルな設計である。素材はABSで、衝撃吸収用のスポンジを両面テープで内側に貼り付けるようになっている。

 PCとはUSB 3.0ケーブルで接続する。付属のUSB 3.0ケーブルは被覆が固く、内蔵ドライブが軽量だと本体が引きずられがちだが、自前でゴム足を調達すれば解決できる。ケーブル自体をスリムで取り回しが容易なタイプに交換するのもよいだろう。いずれにせよ多少手を入れる必要はある部分である。

 USB Hubは、側面に3ポートが搭載されている。ノートPCなどUSBポートの数が少ない場合、本製品1つあればHDD/SSDを増設しつつ最大3台のUSB機器を使用し、かつポートは1つしか消費せずに済む。本製品にキーボードやマウスを接続しておき、外出先から戻ってデスク上で使う時は1本のケーブルですべての機器をまとめて取り付ける、といった使い方ができる。

 見た目はドライブケースにHubが合体しているように見えるが、構造的にはHubにHDD/SSDがぶら下がっている形になる。そのためケース側面の電源ボタンをオフにした状態ではハブ機能単体での利用も可能だ。またWindowsの側からドライブをアンマウントすると、ハブに接続された機器は認識したまま、ドライブだけが取り外される。アンマウントした途端にHubに繋いだキーボードやマウスまで使えなくなるといったことはない。

 本製品にはUSB給電用のケーブルが付属しており、電力が不足した際はUSB給電で補えるようになっている。もっとも試した限りではかなり余裕があるようで、Hubの先にポータブルHDDを接続しても問題なく読み書きが行なえた。今回組み合わせたのは消費電力の少ないSSDだったので多少差し引いて考える必要はあるが、よほど消費電力が大きな機器でもない限り、あまり出番はなさそうだ。

 本体がケーブルの反発力で引きずられないように脚またはケーブルを工夫する必要はあるが、機能性は高く、性能面も含めて致命的な欠点は見当たらない。筐体は必要最小限のコンパクトさで厚みも実測で14mmと薄く、かつ実売価格も3,000円ちょっとということでコストパフォーマンスにも優れている。余った2.5型のHDD/SSDを活用するための外付けケースを探している人には、おすすめできる製品と言っていいだろう。

同梱物の一覧。本体とケーブルのほか、USB給電用のACケーブル、内側に貼り付ける衝撃吸収用のスポンジ、インストールマニュアルが付属する
前面。ACケーブルを接続するコネクタと、ドライブの電源スイッチを備える。なおドライブのスイッチがオフでもUSB Hub機能は利用できる
後面。PCと接続するためのUSBポートは側面ではなくこちら側にある
右側面。3ポートのUSB Hubを備える。右のLEDは電源オンを、左のLEDはドライブの読み書きを表す
組み立てにあたってはケースをスライドさせて開け、2.5型のドライブを差し込む。最大3TBのドライブに対応する
今回は容量拡張による交換で不要になったSSDを使用した。ネジ止めなどは一切不要だ
ケーブルを繋いだ状態。PC本体に繋がるケーブルが側面から出ているのは多少違和感があるが、側面をHubに占有されている以上は仕方がない
USB上でSCSIを使って転送を高速化できるUASPにも対応する。ちなみに公式なアナウンスはないようだがWindows 10でも問題なく動作した

(山口 真弘)