PC使いこなし塾
Microsoft Office 2016をこれから使うあなたへ【第1回】
~Office 2016のモバイルアプリを有効活用しよう
(2016/4/22 12:00)
今回から集中的にMicrosoftの「Office 2016」を使いこなすための記事をお届けします。最初は、Office 2016の全体的な特徴から入り、後半はWordやExcelなど各アプリごとに焦点を当てていきます。
本記事ではOffice 2016のモバイルアプリを紹介します。本記事は総括的な内容となっています。より詳細な手順などについては「できるネット」の記事(Office 2016で作成した文書をスマートフォンで開いて編集する方法)でご紹介しています。
手元にあるあらゆる機器でOfficeを使おう
PC環境においてはデファクトスタンダードといってもいいMicrosoft Office。WordやExcel、PowerPointといった定番アプリは、もはや、Webブラウザと並び、稼働している時間がもっとも長いアプリケーションといってもいいかもしれません。仕事の現場はもちろん、勉強やレジャー、そして家事、育児にも欠かせない存在とも言えます。世の中はOffice文書を読み書きできるということが前提に動いているといっても過言ではないでしょう。
このOfficeをさらに活かすために、ぜひ、有効に使ってほしいのが、Officeのモバイルアプリです。ご存じの通り、Officeは、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteといった複数のアプリの集合体です。通常は、PCでOfficeアプリを使います。ですが、これらのアプリはiPhoneやiPadといったiOS機器、そしてAndroidタブレットやスマートフォン向けにも提供されています。もし、スマートフォンやタブレットが手元にあるなら、これらのアプリをインストールしておくと何かと重宝するでしょう。しかも無償で利用できます。異なるプラットフォームで同じアプリが使えるのは実に便利です。
スマートフォンやタブレットでOfficeが使えても役にたつはずがない。普通はそう思うかもしれません。最近は、タブレットがPCを置き換えられるかどうかといった議論もあります。このテーマについては誰もが一家言を持っているでしょう。でも、PCのOfficeアプリと連携させて使うということを考えたとたん、その利用シーンは一気に広がります。大事なことは1つのデバイスにこだわるのではなく、適材適所で使い分けること。そして場合によってはうまく連携させることです。
ただし、これらのOffice Mobileアプリは無償で、できることが、PC版Officeの正規ユーザーとその他のユーザーとで異なります。また、ブラウザで使えるOfficeオンラインアプリも提供されていますが、それも同様です。修正などの編集ができるのはPC版Officeのユーザーだけとなります。だからこそ、OfficeプリインストールPCを持っているなら、これらのアプリを使わない手はないでしょう。それにより、2台のタブレットおよび2台のスマートフォンでOfficeのプレミアム機能が使えます。ポイントは、PC版をインストールしたときと同じMicrosoftアカウントで使うこと。それだけです。
なお、Officeの正規ユーザーの場合も、モバイルアプリやブラウザ版では機能が限定されます。基本的にはPC版で作成や、高度な機能を利用し、必要に応じて、モバイル版で確認や表示、簡単な修正などを行なうといった使い方が想定されます。
自分が便利、みんなでも便利
MicrosoftのOfficeというと、オフラインで使うイメージが強いかもしれませんが、現在のOfficeはクラウド志向となっており、デフォルトではクラウドストレージOneDriveにデータを保存します。
OneDriveについては別の回でまた詳しく紹介しますが、うまく活用することによって、自分ひとりが便利になるだけではなく、チームで使う、仲間で使う、家族で使うといった便利が手に入ります。複数のユーザーが同じファイルを同時に使うこともできるのです。
仮に自分一人で使う場合、何が便利なのでしょうか。
例えば、残業しても終わらず、やむなく終電で戻って続きを作業して仕上げたプレゼンテーション。これがOneDriveにあれば、電車での移動中にもスマートフォンで推敲などができますし、ケアレスミスを修正することもできます。PCで参照しても、スマートフォンやタブレットで参照してもファイルは最新版です。クラウドに置かれた同じファイルを編集しているのだから当たり前ですね。
午前中の会議で、企画を上司に説明しなければならないとしましょう。会議の始まる数秒前までスマートフォンで修正を加えていても、PCでそのファイルを開けば、プロジェクターに映し出されるのは最新の修正が反映されている。これも当たり前です。
客先で同様のプレゼンテーションをしようという場合も、PCを持ち込まなくても、それなりの画面サイズのタブレットを持参しさえすれば対応できるでしょう。どのデバイスで作るか、どのデバイスで見せるかという悩みどころが一気に解消されるというわけです。これはゼミの課題発表前夜の学生諸君も事情は同じでしょう。
それに加えて、複数デバイスで同じファイルを開いて作業することで、今、参照している部分とは異なる部分を参照することが容易になります。タブレットやスマートフォンで長い文書の別の箇所を眺めながら、手元のPCで書きかけの部分を完成させていくといった使い方ができます。
一方、複数の人と1つの文書を共有し、編集することで、もっと便利なことができます。例えば、ブレーンストーミングをしている時に、めいめいが思いつきを口にします。普通は、それを議長がホワイトボードなどに書き込んでいくといったことをしてきたでしょう。でも、ファイルを1つ共有し、めいめいがその場で思いつきを書き込んでいけば、それと同じことがより効率的にできるのます。
もちろん、書き上げた文書を上司にレビューしてもらい、細部に調整を加えてもらってから客先に持っていくといった場合にも重宝します。
デバイスの数だけ便利が生まれる。これがあらゆるプラットフォームがサポートされたOffice 2016アプリの新しい当たり前なのです。
製作協力:日本マイクロソフト