西川和久の不定期コラム

Microsoft「Windows 8 Release Preview」
~画面キャプチャで見るリリース間近の最新Windows



 日本時間の6月1日未明、Windows 8 Release Previewが公開された。3月1日のWindows 8 Consumer Previewからちょうど3カ月でのリリースだ。早朝からダウンロードし、仮想PCへインストールしたので、画面キャプチャを中心にご覧頂きたい。

●セットアップ

 今回公開された「Windows 8 Release Preview」は、出荷前に一般公開される最後のビルドに相当する。対応している言語は、アラビア語/中国語(簡体)/中国語(繁体)/英語/フランス語/ドイツ語/日本語/韓国語/ポルトガル語 (ブラジル)/ロシア語/スペイン語/スウェーデン語/トルコ語と、Consumer Previewの英語/簡体字中国語/フランス語/ドイツ語/日本語と比較してかなり増えている。RTM(Release to Manufacturing:製品版)により近づいている感じだ。

 それぞれ32bit版と64bit版があり、フォーマットはEXE版とISOイメージ版が用意され、何かの登録などは必要なく、誰でも簡単にダウンロード可能。日本語版のISOイメージは、32bit版が約2.5GB、64bit版が約3.3GBのサイズとなる。動作環境は以下の通り。Consumer Previewと全く同じだ。

 プロセッサメモリディスク容量グラフィックス
32bit版1GHz以上1GB16GBWDDM1.0以降のドライバに対応したDirectX 9対応※
64bit版2GB20GB
※解像度は1,024×768ドット以上を推奨。ただしスナップ機能(画面分割)を使うには1,366×768ドット/HD解像度以上が必要

 以前Consumer Previewの記事を掲載した時と同様、Mac OS X Lion/Parallels Desktopの仮想PCへインストールした。環境設定は2CPU/メモリ2GB/仮想HDD 64GB。使用したのは、日本語の64bit版だ。ISOイメージで仮想PCへマウントし、Consumer Previewで使っていた仮想HDDをそのまま再フォーマットで利用している。従って、Consumer Previewからのアップデートインストールではなく、新規インストールとなる。以下、セットアップ中の様子を全て画面キャプチャしたのでご覧頂きたい。

スプラッシュ画面。2次元っぽい熱帯魚は無くなった使用言語などの設定今すぐインストール
セットアップを始めていますプロダクトキーの入力ライセンス条項
インストールの種類を選択カスタム設定にして仮想HDDを初期化インストール中
この後2回再起動が必要再起動後/準備中再起動後/デバイスの準備中
再起動後/システムの準備中パーソナル設定。ここで背景色やPC名を決める設定/簡単設定を使った
PCへサインイン。Microsoftアカウントにしないといろいろ使えない機能があるMicrosoftアカウントの確認中Microsoftアカウントのパスワードを入力
セキュリティ確認情報を入力アカウントを作成Windows 8が起動した

 Consumer Previewであったスプラッシュ画面の2次元っぽい熱帯魚は無くなってしまったものの、他の部分に関してはほぼ同じだ。インストール中再起動は2回。特に問題になった部分も無く、仮想PC上へ約15分ほどでインストールが完了した。

 ただし、デバイスマネージャをチェックしたところ、Parallels Toolsのディスプレイドライバ(Parallels Display Adapter)が動作せず、Microsoft製のディスプレイドライバ(Microsoft Basic Display Driver)が使われていた。この点はConsumer Previewやその前の、Developer PreviewでもParallels側に若干問題があり、直後にアップデートされた経緯もあるので、恐らく今回も対応するだろう。

●Metro UIアプリの完成度がより向上

 まだインストールしてから数時間しか触っていないので、気付いていない箇所も多いと思うが、システム全体のおおまかな部分は、Consumer Previewとあまり変わっていない。ただし、標準でインストールされるMetro UIアプリケーションの完成度がRTMへ向けより上がった雰囲気だ。少し前に報道された、旧デスクトップ環境のAero廃止の件は、このビルドでは反映されていない。以下、主要な画面キャプチャを掲載したので参考にして頂きたい。

ロック画面ログイン画面スタート画面
Metro UI版のInternet ExplorerConsumer Preview版では動かなかった天気アプリカレンダー。GoogleアカウントやExchangeからも同期可能
SkyDriveストア。Release Preview用のアプリも若干並んでいるPeople/アカウントの追加
メールPeople/Facebookへアクセスできるビデオ
フォト/FacebookやFlickrなど、クラウドにある写真も同じUIで表示可能フォト/Facebookにある筆者のアルバムへダイレクトにアクセス地図
メッセージングミュージックニュース
ファイナンススタート画面/チャーム/設定PC設定/パーソナル設定/ロック画面
PC設定/パーソナル設定/スタート画面PC設定/デバイスPC設定/Windows Update
スナップ機能でPeopleとInternet Explorerを同時に表示チャーム/設定/タイル/管理ツール表示デスクトップ。ExplorerはリボンUIに対応(デフォルトはOFF)

 ご覧のように、Metro UIアプリに関しては、これまで動かなかったものや、中途半端だったものが、かなり実用レベルにまで作り込まれている。ニュースやファイナンスも日本に合わせた内容になった。

 Metro UIは、Windows 8の売りの部分なだけに、出荷版では更に完成度は上がると予想される。また、メモリ2GBの仮想PC上でも結構サクサク動くので、実機でストレスを感じることはあまり無いだろう。

 軽く使って気になった部分は、マウスのホイールの動きが速く、遅くしようとしたところ、Metro UIのPC設定/デバイスにはマウスの項目があるものの、ここからは調整ができず、一旦デスクトップを起動、コントロールパネル/マウスで、Windows 7と変わらない設定をしなければならなかったこと。キーボードのリピート速度なども同じだ。

 直接ユーザーが触れないデバイスに関しては、旧来のコントロールパネルでもいいと思うが、キーボード、マウスなどは人間と直結するインターフェイス。これがMetro UIのPC設定で調整できないのは(一度調整すれば当面変更しないので仕方ないかも知れないものの)何とももどかしい。

 もう1点、デスクトップ環境のタスクバー、右側のタスクトレイにある、アクションセンター、ネットワーク、スピーカー、IMEの設定で、ネットワーク以外はWindows 7と同じ表示だが、ネットワークに関してはチャームを使った表示となる。中途半端な感じがするので、どちらかに統一して欲しいところだ。


 以上、画面キャプチャを中心としたWindows 8 Release Previewの速攻レビューをお届けした。使い込んだレビューはスレートPCの実機で掲載する予定だ。RTM間近のWindows 8、雰囲気だけでも分かって頂ければと思う。