西川和久の不定期コラム
マウスコンピューター“LuvBook J”「LB-J300X-SSD」
~2,560×1,440ドット13.3型IGZOディスプレイ搭載ノートPC!
(2014/10/17 06:00)
マウスコンピューターは10月9日、IGZOディスプレイも選択可能な13.3型ノートPC「LuvBook J」シリーズの販売を開始した。初期構成の違いにより6モデルある中、最上位モデルが編集部から送られてきたので試用レポートをお届けしたい。
2,560×1,440ドット13.3型IGZOディスプレイ搭載
LuvBook Jシリーズは合計6モデルが用意されている。HDD搭載モデルは、Pentium 3558U/メモリ4GB/320GB HDD/フルHD(1,920×1,080ドット)液晶搭載の「LB-J300B」、Core i5-4210U/メモリ8GB/500GB HDD/フルHD液晶搭載の「LB-J300S」、そしてCore i7-4510U/メモリ8GB/500GB HDD/2,560×1,440ドットIGZOの「LB-J300X」の3モデル。税別価格は順に59,800円/79,800円/99,800円だ。
これに加え、それぞれの品番の後ろに「-SSD」が付くSSD搭載モデルも用意され、「LB-J300B-SSD」は128GB SSD搭載で64,800円、「LB-J300S-SSD」は256GB SSD搭載で89,800円、「LB-J300X-SSD」は512GB SSD搭載で119,800円となっている。
またPentiumとCore i5搭載モデルに関しては、フルHDからHD+(1,600×900ドット)非光沢液晶パネルへの変更(スペックダウン)で2,500円(税別)引きも可能だが、IGZOには変更することはできない。Core i7モデルのみIGZO搭載可能だ。
プロセッサ/メモリ/ストレージ/ディスプレイ/バッテリ駆動時間以外は共通仕様になっている。手元に届いたのは、最上位モデルの「LB-J300X-SSD」。主な仕様は以下の通り。
【表】「LuvBook J / LB-J300X-SSD」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Core i7-4510U (2コア/4スレッド、クロック2GHz/3.1GHz、 キャッシュ4MB、TDP 15W) |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB(SSD) |
OS | Windows 8.1 Update(64bit) |
ディスプレイ | 13.3型(非光沢)IGZOディスプレイ、 2,560×1,440ドット、タッチ非対応 |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4400、 HDMI、ミニD-Sub15ピン |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE |
そのほか | USB 3.0×1、USB 2.0×2、SDカードスロット、 100万画素Webカメラ、音声入出力 |
バッテリ駆動時間 | 最大5.4時間 |
サイズ/重量 | 326×231×23.6mm(幅×奥行き×高さ)/約1.4kg |
直販価格 | 119,800円(税別) |
プロセッサはCore i7-4510U。2コア/4スレッド、クロックは2GHz。Turbo Boost時に3.1GHzまで上昇する。キャッシュは4MB、TDPは15W。ストレージは512GBのSSD、メモリは8GB搭載済みだ。OSは64bit版のWindows 8.1 Update。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400。ディスプレイは、非光沢の13.3型IGZOディスプレイで解像度は2,560×1,440ドット。ppiは約221となる。
IGZOディスプレイに関しては、6月に掲載したシャープの「RW-16G1」と合わせて2回目の試用となるが、技術的には高精細化が容易で低消費電力と言った特徴を持つ。外部出力用として、HDMIとミニD-Sub15ピンも装備。ただしタッチに非対応だ。
ネットワークは、有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetooth 4.0+LEにも対応している。その他のインターフェースは、USB 3.0×1、USB 2.0×2、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力。
サイズは326×231×23.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.4kg。バッテリ駆動時間は、最大5.4時間。今回の構成で直販価格は119,800円(税別)となる。BTOにも対応しており、メモリ(8/16GB)やストレージ(SSD 480GB/500GB/512GB/1TB)などを選択できる。
これからも分かるように、本機最大の特徴は、非光沢の2,560×1,440ドット13.3型IGZOディスプレイを搭載していることだ。
筐体は、トップカバーは少しゴールドかかったシルバー、他はマットブラックと、一般的だ。13.3型の割に厚みが23.6mmで重量約1.4kgと言うこともあり、持った時、比較的軽く感じる。
ディスプレイ中央上にWebカメラ、正面の側面左寄りにステータスLED。左側面はミニD-Sub15ピン、HDMI、USB 3.0、音声入出力。右側面はロックポート、電源入力、Gigabit Ethernet、SDカードスロット、USB 2.0×2を配置。裏は大きいパネル1枚で覆われ、メモリやストレージにアクセス可能な小さいパネルは無い。付属のACアダプタのサイズは、約35×87×26mm(幅×奥行き×高さ)、重量148gと小型軽量級だ。
また最近のこのクラスとしては珍しくバッテリは着脱可能となっている。バッテリ劣化対策や予備を持てることを考えるとポイントは高い。バッテリ単体の重量は約178g。
非光沢の13.3型IGZOディスプレイは、2,560×1,440ドットと解像度も高く、印刷物と同等の350ppiとまではいかないものの、約221ppiで文字などもジャギーが目立たずスムーズ。明るさコントラスト、発色も良好。視野角も広めだ。また輝度最少でもそれなりに明るく、場所によっては作業可能だろう。
キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。主要キーのキーピッチは実測で約19mm確保されている。13.3型でフットプリントも十分なため、右手前のキーなど一部ピッチが狭いところもあるが、破綻している部分はない。中央を強く押すと全体がたわむが、これは許容範囲だ。タッチパッドはボタンが2つあるタイプで、パッドの面積も十分広い。
発熱やノイズ、振動に関しては、試用した範囲では特に気にならなかった。サウンドは、最大出力はまずまず。低音が弱めなので、音楽を聴くにしても、動画を観るにしても迫力は望めない。このクラスとしては標準的なところか。
Core i7とSSDでバランスの取れた性能
OSは64bit版Windows 8.1 Update。BTOではないが、購入時に同価格でWindows 7 Home Premium搭載機も選択可能だ。
初期起動時のスタート画面は約1画面(一部ライブタイルが半端に切れている)。楽天gateway以降がプリインストールとなる。デスクトップは、同社お馴染みの壁紙に変更され、左端にショートカットが6つ並んでいる。
また“ディスプレイ/すべての項目のサイズを変更する(最大)”に設定されているため、一見それほど高解像度に見えないが、画面の解像度は2,560×1,440ドットになっているのが分かる。
SSDは512GBの「CRUCIAL CT512MX100SSD」を使用している。C:ドライブのみの1パーティションで約461GB割り当てられ空きは440GB。参考までにBTOで選べるSSDは、480GB/「Intel 530」(+6,900円)、500GB/「Samsung 840 EVO」(+18,900円)、1TB/「Samsung 840 EVO」(+48,900円)となっている。Gigabit Ethernet/Wi-Fi/BluetoothはRealtek製だ。
プリインストールのソフトウェアは、Windowsストアアプリが、「Fresh Paint」、「Hulu」、「LINE」、「NAVITIME」、「R25 for Windows 8」、「Yahoo!天気・災害」、「じゃらん」、「ホットペッパーグルメ」、「ムビチケ」、「楽天gateway」。全て一般的なので今回画面キャプチャの掲載は見送った。
デスクトップアプリは、「AOSBOX for mouse」、「マカフィーインターネットセキュリティ」。AOSBOXはクラウドタイプのバックアップツールだ。また、デスクトップにあるKINGSOFT Office体験版は、ホームページへのショートカットで実体はSSDに無い。
“ディスプレイ/すべての項目のサイズを変更する”の設定でどの程度見え方が変わるかをチェックしたところ、以下のようになった。最小と最大でコントロールパネルのサイズが全く違うことが分かる。ご覧のように最小の状態ではとても操作できる環境ではない。ここ自体は4段階設定可能で、最大では大き過ぎる場合、間の2か3段階目で運用すればいいだろう。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(今回は2コア4スレッドと条件的には問題ない)。
winsat formalの結果は、総合 5.3。プロセッサ 7.4、メモリ 7.5、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 5.3、プライマリハードディスク 8.15。PCMark 8 バージョン2は2317。CrystalMarkは、ALU 45433、FPU 44728、MEM 45349、HDD 40656、GDI 17456、D2D 7840、OGL 13501。
Intel HD Graphicsに引っ張られるのでトータルのスコアはそれなりだが、プロセッサ/メモリ/ストレージのバランスがとても良い。CrystalMarkも全て4万オーバーで揃っている。なかなか快適な環境と言えよう。
BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で19,800秒/5.5時間。仕様上最大約5.4時間なので、ほぼ同等となった。丸1日使用するのは難しいかも知れないが、予備バッテリを1本持てば何とかなる範囲だと思われる。
以上のように「LB-J300X-SSD」は、非光沢の13.3型2,560×1,440ドットのIGZOディスプレイを搭載したノートPCだ。Core i7とSSD、そしてメモリ8GBのコンビネーションでパワーも十分。特に気になる部分も無くうまくまとまっている。
Pentium/Core i5モデルでIGZOディスプレイが選べないのは、コストを重視するユーザーにとって少し残念だが、IGZOディスプレイを搭載したスタンダードなノートPCを探しているユーザーにとって、お勧めできる1台と言えよう。