西川和久の不定期コラム
マウス「LuvBook J/LB-J550X-SSD」
~13.3型2,560×1,440ドットのIGZO搭載ノートPC
(2015/5/15 06:00)
マウスコンピューターは4月27日、13.3型で2,560×1,440ドットのIGZOディスプレイを搭載したノートPC「LuvBook J」シリーズを発表した。プロセッサやストレージ、メモリの構成などで5モデルある中、Core i5でM.2 SSD(PCIe x2接続)の「LB-J550X-SSD」が編集部から送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。
13.3型2,560×1,440ドット「IGZO」液晶を搭載したノートPC
マウス「LuvBook J/LB」シリーズは、Core i5プロセッサでIGZO液晶搭載機としては、スタンダードモデル「LB-J550B」、SSD標準搭載高速ストレージモデル「LB-J550S-SSD」、M.2 SSD(PCIe x2接続)採用超高速ストレージモデル「LB-J550X-SSD」、Core i7プロセッサ搭載高解像度液晶モデル「LB-J750B」、M.2 SSD(PCIe x2接続)採用超高速ストレージモデル「LB-J750X-SSD」の5モデルから構成されている。
主な共通部分は13.3型2,560×1,440ドットIGZOディスプレイと、Wi-FiやBluetooth、そしてUSBなどとなる。プロセッサはJ550系がCore i5-5200U、J750系がCore i7-5500Uプロセッサだ。メモリは4GBまたは8GB、ストレージは、SATA接続のSSD、M.2 SSD(PCIe x2接続)、5,400rpm HDDなど、モデルによって異なっている。もちろんカスタマイズ可能だ。
今回手元に届いたのは、Core i5でM.2 SSDを搭した「LuvBook J/LB-J550X-SSD」。主な仕様は以下の通り。
【表】マウス「LuvBook J/LB-J550X-SSD」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i5-5200U(2コア/4スレッド、クロック 2.2GHz/2.7GHz、キャッシュ3MB、TDP 15W) |
メモリ | 8GB PC3-12800 DDR3L SODIMM(4GB×2/デュアルチャネル)/2スロット(空き0)/最大16GB |
ストレージ | 256GB Samsung SM951 シリーズ(M.2規格/PCI Express x2接続) |
OS | Windows 8.1 Update(64bit) |
ディスプレイ | 13.3型2,560×1,440ドット(非光沢)「IGZO」液晶 |
グラフィックス | Intel HD Graphics 5500、HDMI、ミニD-Sub15ピン |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE |
インターフェイス | USB 3.0×1、USB 2.0×2、マルチカードリーダ、100万画素Webカメラ、音声入出力 |
バッテリ駆動時間 | 最大約6.3時間 |
サイズ/重量 | 326×231×23.6mm(幅×奥行き×高さ)/約1.4kg |
税別価格 | 119,800円 |
プロセッサはBroadwell世代のCore i5-5200U。2コア4スレッドで、クロックは2.2GHzから最大2.7GHz。キャッシュは3MBでTDPは15W。J750系のCore i7-5500Uは、2コア4スレッド、2.4GHzから最大3GHz、キャッシュ4MBでTDPは15Wとなっており、CPU性能は異なるものの、圧倒的な差があるわけでもなく、多くの場合、価格も考慮に入れるとi5の方がバランスの良いプロセッサと言える。
ストレージはM.2 SSD(PCIe x2接続)の256GB。SATA接続のSSDと比較して、インターフェイスの仕様上、前者の方が物理的な転送速度は有利となり、後半のベンチマークテストでは、シーケンシャルリード・ライト共に730MB/secを超えている。
OSは64bit版のWindows 8.1 Update。また同じ価格で64bit版のWindows 7 Home Premiumも選択可能だ。次期Windows 10は、Windows 7から無償Upgrade可能なので、Windows 8.1に馴染めない人は、それまでWindows 7でという手も悪くない(細部の性能は8.1の方が上なので個人的にはあまりお勧めしないが)。
グラフィックスはIntel HD Graphics 5500。外部出力用として、HDMIとミニD-Sub15ピンを装備している。
ディスプレイは、13.3型2,560×1,440ドット(非光沢)で、高解像度・低消費電力の特徴を持つシャープ製の「IGZO」液晶を搭載。これまで何度か「IGZO」搭載機を試用しているが、個人的には好印象でポイントの高い部分だ。タッチには非対応。
ネットワークは有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetooth 4.0+LEにも対応している。IEEE 802.11acが標準で非対応なのは惜しい部分であるが、カスタマイズでIntel Dual Band Wireless-AC 316(1,900円)、Dual Band Wireless-AC 7265(2,900円)、Killer Wireless AC N1525(3,900円)を選択することも可能だ。
インターフェイスはUSB 3.0×1、USB 2.0×2、マルチカードリーダ、100万画素Webカメラ、音声入出力と、一通り揃っている。
本体サイズは326×231×23.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.4kg。このクラスとしては平均的だろうか。バッテリは着脱式で駆動時間は最大約6.3時間。
税別価格は今回の構成で119,800円となる。先にあげた5モデルは、下位モデルが89,800円、最上位モデルが129,800円と、割と狭い範囲に収まっているのが印象的だ。
トップカバーは暗めのブラウン。軽くヘアラインが入っている。サイズ326×231×23.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.4kgと言うこともあり、持ち上げると見た目の印象より少し軽く感じる。
フロントは正面側面左側に各種LED、パネル中央上に100万画素Webカメラ。左側面はミニD-Sub15ピン、HDMI、USB 3.0、音声入出力。右側面はロックポート、電源入力、Gigabit Ethernet、マルチカードリーダ、USB 2.0×2を配置。裏は大きいパネルで覆われ、メモリやストレージにアクセスできる小さいパネルはない。付属のACアダプタは約87×35×25mm(同)、147gと比較的小型。コネクタはミッキータイプとなっている。
13.3型2,560×1,440ドットの「IGZO」液晶パネルは、明るさコントラストも十分。発色はIGZO固有の原色が鮮やか系だ。視野角も十分広い。また非光沢のため映り込まず長時間の作業しても眼が疲れない。輝度を最小にしても、少し暗めの場所であれば操作可能なレベルになっている。最近ミドルレンジからハイエンドのスマートホンのパネルが良くなっているだけに、PCでもこのクラスは欲しいところか。
キーボードは、10キー無しでアイソレーションタイプの87キー。右下辺りのキーピッチが若干狭くなっているが、全体的にいびつな配置もない。キーピッチは実測で19mm近くあるが、仕様上は約18mm。またストロークが約1.8mm確保され、たわみなども無く、気持ちよく入力できる。タッチパッドは物理ボタンが2つあるオーソドックスなスタイルだ。面積も約90×50mm(幅×奥行き)と広めで使いやすい。
ノイズや振動に関しては試用した範囲では全く気にならないレベルだ。発熱は、PCMark 8 バージョン2のグラフからも分かるように、プロセッサの温度が50度前後。従って筐体にはほとんど熱が上がって来ず、(季節がらもあるだろうが)暖かいとも感じられれかった。サウンドは、サイズ的に十分な低音は望めないが、出力はそれなりにあり、また高域の抜けが良く、コンテンツを楽しめる。
総じてそつなく作れらており、完成度の高いノートPCと言えるだろう。
Broadwell世代としては標準的な構成だが、M.2 SSD(PCIe x2接続)搭載で快適な作動
OSは64bit版Windows 8.1 Update。メモリを8GB、M.2 SSD(PCIe x2接続)のSamsung SM951 シリーズ/256GBを搭載しているだけに動きは非常に良く、試用していて気持ちいい。
起動直後のスタート画面は1つ。「楽天gateway」からがプリインストールだ。デスクトップ画面は、壁紙が標準から変更されているほか、「Adobe Reader」、「AOSBOX for mouse」、「KINGSOFT Office体験版」、「U-NEXT 30日間見放題」、「Intel HD Graphicsコントロール」、「操作マニュアル(PDF)」のショートカットが画面左側にある。
ストレージは先に書いた通りSamsung SM951 シリーズ/256GB。C:ドライブのみの1パーティションで約223GBが割り当てられ空きは空き201GB。また回復パーティションは14.65GB。
Gigabit Ethernet、Wi-Fi、BluetoothはRealtek製だ。Broadwell世代のノートPCとしては標準的な構成で、特に変わった部分は無い。
プリインストールのソフトウェアはWindowsストアアプリが、「Hulu」、「LINE」、「NAVITIME」、「R25 for Windows8」、「Yahoo!天気・災害」、「じゃらん」、「ホットペッパーグルメ」、「ムビチケ」、「楽天gateway」……と、同社のいつものパターンだ。
デスクトップアプリは、「AOSBOX for mouse」、「マカフィーインターネットセキュリティ」、Intelのツール系など。
またアプリ画面にはないが、ユーティリティ「Control Center」がタスクトレイに常駐しており、、静音/省電力/パフォーマンス/エンターテイメントの各設定で、ファン/省エネ/スリープボタンなどのシステム系やデバイス(タッチパッド有効/無効、カメラ有効/無効)の制御が可能になっている。左側のゲージは、上が音量。下が輝度。またOSDの機能も兼ねている。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMark(今回は2コア4スレッドと条件的には問題ない)と、CrystalDiskMarkの結果も掲載した。
winsat formalの結果は、総合 5.6。プロセッサ 7.3、メモリ 7.5、グラフィックス 5.6、ゲーム用グラフィックス 5.6、プライマリハードディスク 8.25。PCMark 8 バージョン2は2226。CrystalMarkは、ALU 41405、FPU 40882、MEM 40975、HDD 49579、GDI 15645、D2D 6929、OGL 11271。CrystalDiskMarkは、Read Seq:756.3、512K:657.5、4K:39.31、4KQD32:261.6。Write Seq:732.8、512K:708.8、4K:84.75、4KQD32:278.6。
winsat formalのプライマリハードディスク 8.25は、最近扱った他の機種のデータを見てもM.2(PCIe x2接続)のSSDのみで得られるスコアで高速なのが分かる。CrystalDiskMarkの結果も先に書いたように、シーケンシャルリード・ライトともに730MB/secを超えており上々だ。メインストレージが速ければ速い分、快適に使えるのは言うまでもない。
BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で21,620秒/約6.0時間。ほぼ仕様通りの結果となった。
1日バッテリ駆動するには少し微妙だが、バッテリが着脱式なので、予備を1本用意すれば問題無い(実測で177g)。この点はバッテリ内蔵型が多いノートPCが増えている中、メンテナンスも含め有利な点だ。
以上のようにマウス「LuvBook J/LB-J550X-SSD」は、13.3型2,560×1,440ドットの「IGZO」液晶、Core i5-5200U、メモリ8GB、M.2(PCIe x2接続)の256GB SSDと、非常に高いレベルでバランスの取れたノートPCだ。バッテリ内蔵式が多い中、着脱式でメンテナンス面、バッテリ駆動重視、どちらから見ても有利なのもポイントが高い。
特に欠点らしい欠点も無く、ワンランク上のノートPCを求めているユーザーにお勧めの1台と言えよう。