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NEC PC「LaVie Hybrid ZERO」

〜2-in-1仕様に進化した世界最軽量モバイル

NE PC「LaVie Hybrid ZERO」(HZ750/AAB)

 NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)は、軽さを追求したモバイルノート「LaVie Z」シリーズの後継となる新ブランドノート「LaVie Hybrid ZERO」シリーズを発表した。“圧倒的な軽さの追求”というLaVie Zシリーズの理念はそのままに、新たに2-in-1仕様を実現。また、性能面でも大きな進化を遂げている。従来同様、タッチ対応モデルとタッチ非対応モデルがラインナップされるが、今回はタッチ対応モデルとなる「HZ750/AAB」を取り上げ、ハード面を中心に紹介する。発売は2月上旬で価格はオープンプライス。税別店頭予想価格は204,800円前後。

13.3型2-in-1モバイルで世界最軽量

 2012年に、875gと900gを切る圧倒的な軽さを実現する13.3型Ultrabookとして登場したLaVie Zシリーズ。2013年には、タッチ非対応モデルで800gを切る795gとさらなる軽さを実現するとともに、新たにタッチ対応モデルも登場し、タッチ対応モデルでも1kgを切る964gを実現するなど、常に世界最軽量にこだわってきた。

 今回登場したLaVie Hybrid ZEROシリーズは、ブランド名こそ新しくなっているが、LaVie Zシリーズの第3世代モデルに当たる。当然、LaVie Hybrid ZEROシリーズでもしっかりと理念が受け継がれ、軽さにさらに磨きがかかっている。

 LaVie Hybrid ZEROシリーズには、従来モデル同様に、タッチ対応モデルとタッチ非対応モデルがラインナップされるが、重量はタッチ対応モデルが約926g、タッチ非対応モデルが約779gと、どちらも従来モデルより軽くなっている。数字的にはそれほど大きな違いはないように見えるが、従来モデルまでの徹底的な軽さ追求がある中でのさらなる軽さの実現には、開発陣の執念が感じられる。

 しかも、単なる軽さの実現だけに留まっていないところが、LaVie Hybrid ZEROシリーズの特徴の1つ。従来モデルはタッチ対応モデル、タッチ非対応モデルともにクラムシェルスタイルだったが、LaVie Hybrid ZEROではタッチ対応モデルは液晶部が360度開閉し、クラムシェルスタイルだけでなくタブレットスタイルでも利用可能な2-in-1仕様となっている。2-in-1仕様を実現するとなると、特殊構造の液晶ヒンジが必要となるなど重量増に繋がる部分も多い。しかし、従来モデルで本体底面部のみに採用していた軽量素材のマグネシウムリチウム合金を、新たに天板部にも採用するなどの軽量化によって、2-in-1仕様を実現しつつ、従来よりも軽い重量を実現できたという。

 ヒンジは、液晶パネル側と本体側双方に回転軸を備える板状のもので、液晶部360度開閉型2-in-1で広く採用されているものと同じ。180度までは液晶側の回転軸のみが回転し、180度以上開くと本体側の回転軸が回転し、液晶部の360度開閉を実現している。タッチ非対応モデルでも同様のヒンジを採用するが、本体側の回転軸は回転せず、クラムシェルとしてのみ利用可能となっている。

 ところで、液晶部360度開閉型2-in-1では、スタンドスタイルやテントスタイルなど、4種類の形状で利用できるとする製品が多い。しかしLaVie Hybrid ZEROでは、クラムシェルスタイルとタブレットスタイルの2形状でのみの利用に対応し、それ以外の形状での利用はサポートしない。これは、軽さを追求するために、キーボード面を保護するゴム足や、テントスタイル利用時の安定性を高めるための側面のゴムが省かれているため。このあたりからは、シリーズならではのこだわりが感じられる。

 そうした2-in-1/タッチ対応モデルとなるHZ750/AABの本体サイズは、319×217×16.9mm(幅×奥行き×高さ)。従来モデルのタッチ対応モデルと比べると、高さが1mmほど増えているが、フットプリントは変わらない。重量は、先ほど紹介したように約926gで、実測では920.5gだった。

液晶部と本体部それぞれに回転軸を備える板状ヒンジを採用することで、新たに2-in-1仕様を実現
通常のノートPC同様に利用するクラムシェルスタイル
180度までは液晶側の回転軸のみが回転する
液晶部を180度超えて開くと本体側の回転軸が回転する
液晶を360度開けばタブレットとして利用できる
重量は公称926g、実測では920.5gだった
1kgを切る軽さで、片手でも軽々持てる
本体正面
左側面。高さは16.9mmで、前方から後方までフラットとなっている
本体後方
右側面
天板部分。従来は底面にのみ採用していたマグネシウムリチウム合金を天板にも採用し軽さを追求。フットプリントは、319×217mm(幅×奥行き)と従来同様
底面。こちらも従来同様マグネシウムリチウム合金を採用している

タッチ対応モデルにもWQHD液晶を採用

 従来モデルでは、タッチ非対応モデルで2,560×1,440ドット(WQHD)表示対応のIGZO液晶を採用していたが、LaVie Hybrid ZEROではタッチ対応モデルでもWQHD表示対応のIGZO液晶を採用するモデルが用意される。今回取り上げているHZ750/AABがそれだ。従来モデルでは、タッチ対応モデルはフルHD(1,920×1,080ドット)表示対応モデルのみだったことを考えると、進化と言える。なお、従来同様にフルHD表示対応のタッチ対応モデルも用意される。

 液晶表面は光沢処理となっており、外光の映り込みはやや激しいものの、発色は鮮やかで表示品質は十分に優れる。高解像度表示のため、デジタルカメラで撮影した写真のレタッチ作業なども快適に行なえそうだ。

 ところで、HZ750/AABでは軽量化を追求するために、タッチパネル部にPET素材のフィルムを利用している。通常はガラスを採用するが、軽量のPET素材フィルムを採用することによって、大幅な軽量化が実現できたという。もちろん、液晶パネルの表面はガラスが利用されているため、強度的な心配は少ない。また、表面にはコーティング処理が施されており、キズの付きにくさも通常のタッチパネルと同等レベルとのこと。

 ただし、指紋の痕はやや付きやすいように感じる。タッチ操作を多用しているとかなり指紋の痕が気になるので、頻繁に拭う必要がありそうだ。また、液晶が消えている状態では表面がわずかに波打っているように見える。それでも、液晶が点灯している状態では全く気にならなかったので、こちらはほぼ無視できそうだ。

液晶表面にはPET素材のフィルムタイプのタッチパネルを搭載し軽さを追求。表面はコーティング処理されキズから保護される
WQHDと高解像度で、情報量は十分に多く快適な作業環境が確保できる
光沢処理のため外光の映り込みは気になるが、発色は良好で表示品質は十分に優れる

キーボードはストロークが浅い

 キーボードは、従来モデル同様のアイソレーションタイプのキーボードを搭載する。NECパーソナルコンピュータ製品の伝統でもある長いスペースキーを備えるために、スペースキー周辺のキーはピッチが狭くなっているが、配列自体は自然で、大きな違和感なく利用できる。また、キーボード面はマグネシウム合金のフレームを採用しており、キー入力時のたわみも少ない。

 キーピッチは約1.8mmとフルサイズよりわずかに狭いが、実際に扱っていてピッチの狭さはほとんど感じなかった。ただし、ストロークは約1.2mmと浅く、やや違和感を感じる。クリック感はまずまずしっかり感じられるが、やや軽めのタッチで、ストロークの浅さと合わせて打鍵感はほかの薄型ノートに比べてやや劣る印象だ。できれば、もう少しストロークを確保して欲しいと感じる。

 タッチパッドはクリックボタン一体型で、面積は十分に広く、扱いやすさは申し分ない。「Fnキー+スペース」でタッチパッドの動作をオフにすることもできるので、外部マウス利用時の誤動作も防止できる。

キーボードは従来同様のアイソレーションタイプ。キーボード面はマグネシウム合金でたわみが少ない
キーボード面のタッチパッド前方部分のみ、無線用アンテナを搭載するため樹脂製となっている
キーピッチは約18mmと、フルサイズよりやや狭いが、それほど違和感は感じない
ストロークが約1.2mmと浅く、軽めのタッチで打鍵感は今一歩
タッチパッドはクリックボタン一体型。面積は十分に広く十分に扱いやすい

8GBメインメモリ搭載などスペックも強化

 LaVie Hybrid ZEROでは、従来モデルに比べてスペック面も強化されている。CPUはBroadwellこと第5世代Coreプロセッサが採用され、最上位となるHZ750/AABではCore i7-5500Uを採用。そして、メインメモリは標準で8GB搭載している。従来モデルまでは、軽さを追求するためにメインメモリは最大で4GBまでしか搭載されず、しかもシングルチャネル構成となっていた。それに対しHZ750/AABでは、標準で8GBに強化され、さらにデュアルチャネル構成となった。これにより、CPUやGPUの性能がフルに発揮されるようになるため、性能面の強化にも繋がる。従来モデルでは、メインメモリ搭載量で購入を見送た人もいたようだが、HZ750/AABではその心配は無用だ。ただし、下位のCore i5-5200U搭載モデルは、メインメモリ搭載量が4GBでシングルチャネル構成と従来モデル同様となる。

 内蔵ストレージは、128GBのSATA SSDを搭載。Ultrabookとしてはストレージの仕様面は標準的だ。なお、直販サイト「NEC Direct」の直販モデルでは、内蔵ストレージとしてPCI Express接続の512GB SSDが選択可能となる。無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0に標準対応。無線LANの速度は11ac時で最大867Mbps。カメラは液晶面上部中央に約92万画素のWebカメラを搭載する。

 側面のポート類は右側面に集中されており、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、SDカードスロット、USB 3.0ポート×2、HDMI出力が備わる。電源コネクタは左側面に配置される。ポート類は必要最小限という印象で、できれば左側面にもUSBポートを配置して欲しかったように思う。なお、2-in-1仕様ということもあり、電源ボタンや音量ボタンが左側面に配置されている。

【お詫びと訂正】初出時、SSD容量を256GBと記載しておりましたが、正しくは128GBです。お詫びして訂正いたします。

左側面には電源コネクタと電源ボタン、ボリュームボタン、各種インジケータLEDを配置
右側面に、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、SDカードスロット、USB 3.0ポート×2、HDMI出力を配置
背面側にCPUクーラーの排気口がある
液晶上部中央には約92万画素のWebカメラを搭載
本体底面前方の左右にステレオスピーカーを搭載

CPU本来の性能がフルに発揮される

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.0.282」、「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.4.826」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、Maxonの「CINEBENCH R15」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の7種類。

 なお、LaVie Hybrid ZEROの評価に用いた個体は試作機であるため、実際の製品とスコア差が発生する可能性がある点はご了承いただきたい。また、比較用として、NECパーソナルコンピュータの「LaVie Hybrid Advance PC-HA850AAS」と日本マイクロソフトの「Surface Pro 3」の結果も加えてあるが、一部ベンチマークテストではバージョンが異なるものもあるため、参考値として見てもらいたい。

 結果を見ると、同じCPUを搭載しているLaVie Hybrid Advanceと比べて、多くのスコアが上回っていることが分かる。特に、3D描画のテストで大幅に上回っている。これは、メインメモリがデュアルチャネル構成になっていることが大きく影響している。LaVie Hybrid Advanceは、メインメモリは8GB搭載するが、シングルチャネル構成となっていた。つまり、HZ750/AABの結果がCore i7-5500U本来の性能を示すと言っていいだろう。このことにより、従来モデルと比べても性能はかなり向上したと感じるはずだ。

【表】ベンチマーク結果

LaVie Hybrid ZERO(HZ750/AAB) LaVie Hybrid Advance(PC-HA850AAS) Surface Pro 3
CPU Core i7-5500U(2.40/3.00GHz) Core i7-5500U(2.40/3.00GHz) Core i5-4300U(1.90/2.90GHz)
チップセット
ビデオチップ Intel HD Graphics 5500 Intel HD Graphics 5500 Inte HD Graphics 4400
メモリ PC3L-12800 DDR3 SDRAM 8GB PC3L-12800 DDR3 SDRAM 8GB×1 PC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB
ストレージ 128GB SSD 256GB SSD 256GB SSD
OS Windows 8.1 Update 64bit Windows 8.1 Update 64bit Windows 8.1 Pro Update 64bit
PCMark 8 v2.0.282(Surface Pro 3はv2.0.228)
Home Accelarated 3.0 2855 2813 2190
Creative accelarated 3.0 3692 3473 2540
Work accelarated 2.0 3795 4016 3282
Storage 4901 4942 4882
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 4950 4551 4816
Lightweight score 3098 3181 3209
Productivity score 2429 2210 2428
Entertainment score 3695 3378 3107
Creativity score 9017 8987 8691
Computation score 16834 12582 14289
System storage score 5081 5287 5135
Raw system storage score 4857 5464 4015
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A N/A N/A
CPU Score 10090 9897 9081
Memory Score 8778 7021 8446
Graphics Score 3713 3020 N/A
HDD Score 32543 57415 38847
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps) 31.27 22.06
CPU 297 255
CPU (Single Core) 121 94
3DMark Professional Edition v1.4.828(Surface Pro 3はv1.3.708)
Ice Storm 51176 32366 29479
Graphics Score 55588 39074 32413
Physics Score 40051 20219 22387
Ice Storm Extreme 36334 21660
Graphics Score 35443 22635
Physics Score 39843 18823
Ice Storm Unlimited 62690 45970
Graphics Score 71808 50279
Physics Score 43403 35363
Cloud Gate 5407 3560 2791
Graphics Score 6493 4064 3254
Physics Score 3411 2483 1864
Sky Diver 2803 1993
Graphics Score 2637 1922
Physics Score 4487 2564
Combined score 2572 1892
Fire Strike 756 473 1679
Graphics Score 806 519 1589
Physics Score 4809 3204 2672
Combined score 277 161 1478
Fire Strike Ultra 179 113
Graphics Score 175 109
Physics Score 4760 3089
Combined score 79 53
3DMark06 Build 1.2.0 1901
3DMark Score 7812 5720 4288
SM2.0 Score 2705 2038 1881
HDR/SM3.0 Score 3315 2315 1376
CPU Score 3987 3223 2459
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) 2514 1603
1,920×1,080ドット 高品質(ノートPC) 1274 737

 次に、バッテリ駆動時間だ。HZ750/AABの公称のバッテリ駆動時間は約9.0時間(JEITA測定法 Ver.2.0)とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「省電力」、バックライト輝度を40%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約8時間25分であった。公称の駆動時間には届かなかったものの、実測でこれだけの駆動時間があれば、外出時に利用する場合でもほぼ不満はないだろう。

 ちなみに、付属のACアダプタは重量が電源ケーブル込みで実測218g。本体と合わせても実測1,138.5gと軽く、ほぼ苦にならない。この点も、本体の軽さを追求しているからこその利点だ。

 なお、HZ750/AABではオプションのACアダプタ「PC-VP-BP103」を利用すると急速充電に対応し、1時間で80%まで充電可能となる。

付属のACアダプタ。十分に小型でかさばらない。オプションの「PC-VP-BP103」を利用すれば、1時間で80%充電できる急速充電に対応するが、付属のACアダプタでは急速充電は不可能
ACアダプタの実測の重量は、電源ケーブル込みで218gだった

毎日PCを持ち歩く人に最適

 LaVie Hybrid ZEROは、LaVie Zの理念を受け継ぎつつ、2-in-1仕様を実現したり、性能面を強化するなど、さまざまな面で進化を遂げており、超軽量モバイルとしての魅力が大きく高まっている。側面のポート類やキーボードなど、妥協しなければならない部分も存在してはいるが、1kgを切る軽さはそれを十分に補うだけの魅力がある。とにかく毎日PCを持ち歩いているという人には、間違いなくお勧めできる製品だ。

 なお、さらに軽さを追求したいなら、タッチ非対応モデルもある。タッチ非対応モデルはCore i5搭載でメインメモリは4GBとなるが、NEC Directの直販モデルではタッチ非対応でもCore i7や8GBのメモリ搭載を選択可能なので、タッチ非対応がいいという人にはそちらもお勧めしたい。

(平澤 寿康)