笠原一輝のユビキタス情報局
愚直に“軽さ”にこだわって設計した世界最軽量13.3型ノート
~NEC PC「LaVie Hybrid Zero」開発者インタビュー
(2015/2/5 06:00)
NECパーソナルコンピュータ(以下NEC PC)は、1月の上旬に米国で行なわれたInternational CESにおいて、LaVie Zの後継として開発した薄型2-in-1/クラムシェル型ノートPCを参考展示し、日本では1月の下旬に「LaVie Hybird Zero」として正式に発表した。2月5日より全国の量販店などで販売が開始されている。
既にこの記事を読む前に触れた方もいるかもしれないが、世界最軽量の13.3型ノートPCがどのように実現されたのか、LaVie Hybrid Zeroを開発したエンジニア、商品開発本部 商品開発部マネージャ 情野謙一氏、および第一商品開発本部 設計技術部 マネージャ 神尾俊聡氏のお2人にお話を伺ってきたので、その模様をお伝えしていきたい。
そこから見えてきたことは、とにかく軽量ということを実現するために、NEC PCのエンジニアが、雑巾を絞り上げるようなアプローチで、少しずつ重量を削り取って実現したというその設計プロセスだ。
LaVie Zの第3世代とも位置づけられるLaVie Hybrid Zero
今回発表されたLaVie Hybrid Zeroは、ブランド名こそ変更されているが、基本的には昨年までLaVie Zとして販売されていた薄型軽量ノートの後継製品となる。2012年7月に発表されたLaVie Z(PC-LZ750HS)が最初の製品で、CPUに第3世代Coreプロセッサ(Ivy Bridge)を搭載した。初代LaVie Zの特徴は、13.3型という大きめの液晶ディスプレイを搭載していながら、マグネシムリチウム合金という新しい素材を利用することで、わずか875gという当時の13.3型液晶搭載ノートPCとして世界最軽量を実現した点にある。
そのLaVie Zの後継となったのが、2013年10月に発表されたLaVie Z(PC-LZ750NSB)だ。初代と区別するために、2代目や第2世代、2013年型などと呼ばれている。この第2世代LaVie ZはCPUが第4世代Coreプロセッサ(Haswell)へと変更され、液晶ディスプレイの解像度がWQHD(2,560×1,440ドット)へと強化、その上で重量が795gと、さらなる軽量化が実現された。この世代では、バリエーションモデルとして、シャシーはそのままに、液晶部分をタッチ液晶にして解像度をフルHD(1,920×1,080ドット)に変更したモデルが用意されており、下位モデル(LZ650シリーズ)として設定されていた。
情野氏によれば、今回のLaVie Hybrid ZeroはこのLaVie Zのコンセプトを受け継いだ製品となる。「LaVie Hybrid ZeroはLaVie Zの後継として、薄く軽く、そして世界最軽量を目指すというコンセプトを受け継いだ製品になる。そうした中で、世の中のトレンドとして2-in-1という流れがあり、今回の製品を開発するに至った」と、2-in-1としての薄さや軽さを定義するのが大きなテーマだったと説明する。つまり、ブランド名こそ変わっているものの、実質的にはLaVie Zの3代目、ないしは2015年型だ。
2-in-1デバイスであっても薄く、軽くを実現するために360度回転ヒンジを採用
現在クラムシェル型ノートPCの市場は大きな転換点にあり、タブレットに変形する変形機構を持ったハイブリッドとコンバーチブルと呼ばれるカテゴリの製品がクローズアップされている。PC業界のリーダーであるIntelがそれを“2-in-1”と呼んでおり、従来Ultrabookと呼ばれていた薄型ノートPCのカテゴリは、今2-in-1デバイスへと移り変わりつつある。薄型のクラムシェル型PCを標榜してきたLaVie ZもLaVie Hybrid Zeroで進化した形となる。
情野氏によれば「2-in-1化と言ってもさまざまなオプションが考えられる。スライダー型、フリップ型、ツイスト型なども検討してみたが、それぞれに一長一短があると考えた。その中でクラムシェル型ノートPCと同じ使い勝手を実現し、かつもっとも軽量に実現できる方式として、360度回転ヒンジの機構を採用することにした」という。
例えば、ソニーのVAIO Duoシリーズなどで採用されているスライダー機構はヒンジ角度が固定化してしまうし、スライダー機構の重量がどうしてもでてしまう。フリップ型、ツイスト型なども検討してみたが、液晶の裏に支えるフレームを追加しなければならず、薄型、軽量にこだわるLaVie Hybrid Zeroのデザインとしては適当ではないと考えたのだという。360度の回転ヒンジは、クラムシェル型と同じように液晶の角度は自由に調節できるし、ヒンジ部分に回転機構を追加するだけで済むので、比較的少ない重量の追加で変形できると考えたのだという。
かつ、NEC PCには過去に、回転ヒンジ型のデザインにトライしたことがあった。結局は製品化されなかったが、MGXというAndroid端末がそれで、要素技術を蓄えるという目的の為に試作が行なわれ、実際に動作するデバイスとして作られていた(取材時にも実際に電源を入れてもらったが、Android 2.xが動作していた)。このMGXは、2011年に試作されていたのだという。360度回転ヒンジと言えば、Lenovo本体のYOGAシリーズのイメージが強いため、そちらから技術が来ているのかと思われがちなのだが、実際にはNEC PCの開発拠点である米沢事業所でも、独自に要素技術の開発が行なわれてきたのだ。
しかし、他の回転機構に比べれば重量の追加が少ないとは言え、やはり360度回転ヒンジの導入によりいくらかの重量の追加はある。「回転機構以外にも、メモリを8GB乗せられるようにして欲しいなどの要求が製品企画側からはあり、それを考慮に入れて第2世代のLaVie Zのタッチモデルをベースにシミュレーションしてみると、重量が1kg超えてしまうことが分かった。そこで、そこからどれだけ重量を削っていけるのかが大きな焦点になった」(情野氏)とのことで、回転機構やメモリ8GB化などの要求を取り入れた結果、第2世代のLaVie Zではタッチモデルが約964gだったのが1kg超に、非タッチモデルの795gが830g超にと、そのままでは重量が増えてしまうことが分かったのだという。
そこで、LaVie Hybrid Zeroでは開発時点で大きな決断が行なわれた。それが2-in-1モデルとクラムシェルモデルをそれぞれ別のシャシーとして設計するというものだった。第2世代のLaVie Zではタッチモデルと非タッチモデルがあったのだが、いずれもシャシーは同一で、液晶ディスプレイ部分だけ違うという設計だったため、基本的には1つのデザインだけで済んでいた。ところが、LaVie Hybrid Zeroではそれを分離したため、2-in-1とクラムシェルがそれぞれ別々のシャシーとして設計されている。つまり、実質的には2つの製品を作るのと同じことだ。
情野氏によれば「クラムシェルモデルと2-in-1モデルでは奥行きが5mm違う。これはクラムシェルでは少しでも軽くしたいという想いがあったからだ。効率化を考えれば1つのシャシーでやった方がいいし、開発コストという意味では決して安くはなかったが、少しでも薄く、軽くということを最優先して2つのシャシーを作ることにした」と、徹底的に薄型軽量にこだわったからだと説明する。
こうしてこだわった結果、2-in-1型の方は約926gに、クラムシェル型の方は約779gと、第2世代LaVie Zのタッチ型約964g、クラムシェル型約795gに比べてさらに軽量化が実現されているのだ。
A面カバーには鍛造という未知の製造方法によるマグネシムリチウム合金を採用
それでは、具体的にどのようにして、1kgを超えてしまうものを925gに、そして830gを超えてしまうものを795gにしたのだろうか。そこには、NEC PCが長年培ってきた技術が活かされている。以下の表はLaVie Z(第1、第2世代)およびLaVie Hybrid Zeroで導入されてきた新技術を具体的に世代毎に示したものだ。
LaVie Z(第1世代、2012) | LaVie Z(第2世代、2013) | LaVie Hybrid Zero(第3世代、2015) | |
---|---|---|---|
重量(ノンタッチ/タッチ) | 約875g/- | 約795g/約964g | 約779g/約926g |
A面(天板面) | マグネシウムダイキャスト(0.6mm) | マグネシウムダイキャスト(0.6mm) | マグネシウムリチウム鍛造(0.6mm) |
B面(液晶面) | - | - | 軽量LCDベゼル導入 |
C面(キーボード面) | マグネシウムダイキャスト(0.5mm) | マグネシウムダイキャスト(0.45mm) | マグネシウムダイキャスト(0.45mm) |
D面(底面) | マグネシウムリチウムプレス加工(0.5mm) | マグネシウムリチウムプレス加工(0.4mm) | マグネシウムリチウムプレス加工(0.4mm) |
LCD | 筐体一体型LCD設計/0.4mmガラス | 筐体一体型LCD設計/0.25mmガラス | 筐体一体型LCD設計/0.2mmガラス |
タッチパネル | - | ダイレクトボンディングタッチパネル | ダイレクトボンディングFFFタッチパネル |
キーボード | 筐体一体型キーボード設計(シートメタル0.3mm) | 筐体一体型キーボード設計(シートメタル0.265mm) | 筐体一体型キーボード設計(シートメタル0.2mm) |
CPUファン | - | 軽量マグネシウムファンケース | 軽量マグネシウムファンケース(軽量ヒートパイプ) |
基板 | 薄型計量基板 | 薄型計量基板 | 薄型計量基板(より高密度) |
CPU世代 | 第3世代Core(Ivy Bridge) | 第4世代Core(Haswell) | 第5世代Core(Broadwell) |
ノートPCの業界的な呼び方で、液晶の天板面をA面、液晶面をB面、システム側のキーボード面をC面、底面をD面と呼んでいる、以下本記事ではそれぞれの面をそのように呼んでいく。
2012年に発表された第1世代のLaVie Zでは、D面にマグネシウムリチウム合金を採用したカバーが採用され話題を呼んだ。ノートPCのA面やD面に採用されている素材は、一般的にはアルミニウム合金ないしはマグネシウム合金、あるいはカーボンなどになっており、マグネシウムリチウム合金という素材を採用した製品は、第1世代のLaVie Zが世界初だ。マグネシウムリチウム合金の特徴は、通常のマグネシウム合金に比べて比重が75%、アルミニウム合金に比べると半分になっており、同じ強度であればそれらに比べて軽量化することが可能になる点にある。
第1世代、第2世代のLaVie Zではこのマグネシウムリチウム合金をD面に採用し、A面とC面に関してはマグネシウム合金でカバーを作ってきた。しかし、LaVie Hybrid Zでは、マグネシウムリチウム合金をA面にも採用している。神尾氏は「第2世代のLaVie Zでは底面に採用しているマグネシウムリチウム合金のカバーを0.4mmと、第1世代に比べて0.1mm薄くしたが、今回のLaVie Hybrid Zeroでも同じ0.4mmのマグネシウムリチウム合金のカバーを採用している。さらにA面にもマグネシウムリチウム合金を採用し、かつ鍛造(たんぞう)という新しい製造方法にもチャレンジしている」と説明する。
鍛造というのは、金属をぎゅっと押し出す製造方法のことで、自動車のアルミホイルなどで利用されている製造方法だという。第1世代LaVie ZのD面に初めてマグネシウムリチウム合金を採用した時には、プレス(押しつぶして作る)という製法が採用されていたが、今回採用されている鍛造はそれともまた異なるのだという。神尾氏によれば鍛造とは、マグネシウムリチウムの素材をある一定の温度まで熱をかけて金型に入れ、上下からガチャッと潰すようなイメージで製造されるのだという。そうすると、縁が立ち上がってきたり、ネジ穴の部分が成形できたりするという製造方法で、マグネシウムリチウム合金で鍛造という製造方法を採用したのは、やはりNEC PCが世界初となるという。
このため、今回は鍛造に強い加工工場を別途新規開拓し、そこにマグネシウムリチウム合金を持ち込んで製造してもらったのだという。つまり、同じマグネシウムリチウム合金を利用していながら、D面のプレスで製造されているカバーとはまったく別の工程で製造されているのだ。「マグネシウムリチウム合金に含まれるリチウムは敏感な素材なので、扱えるメーカーがあまり多くない。そこで、弊社が素材に強い会社、加工に強い会社、それぞれの強みをまとめる形で形にしていった」(神尾氏)と、かなり苦労して実現したとのことだった。
ガラスを極限まで減らし、マグネシウムリチウム合金のカバーで剛性を確保
A面にマグネシウムリチウム合金を採用した狙いは、液晶ディスプレイ部分の軽量化にある。というのも、今回の製品では、液晶パネルそのものの軽量化を実現しており、その分カバー側で剛性を補う必要があったからだ。神尾氏によれば「今回液晶ディスプレイは、ガラス部分の厚さを0.2mmに削っている。さらにタッチパネルをFFF(Film Film Film)タッチパネルへと変更している」とのことで、液晶ディスプレイそのものを薄く、かつ軽量化することを実現し、その分の強度をA面のカバーで補うという構造になっていると説明する。
具体的にどういうことか説明していこう。一般的なタッチパネルは、タッチモジュールが液晶モジュールの上に貼り合わされているが、GFF(Glass Film Film)となっており、ガラス→フィルム→フィルムという構造になっている。この場合どうしてもガラスの重さが重量増に繋がる。そこで、LaVie Hybrid Zeroではそれをすべてがフィルムにし、GFFのから軽量化した。また、従来はタッチモジュールと液晶モジュールの貼り合わせには接着剤を利用していたのを、少しでも重量を軽くするために、両面テープに変更するなど、地道な軽量化を行なった。
さらに、LaVie Hybrid Zeroでは液晶モジュール自体のガラス面を薄くしている。そもそも、初代LaVie Zでも0.4mm厚のガラスで、ノートPC用としてはかなり薄い液晶モジュールが採用されていた。それが第2世代のLaVie Zでは0.25mmと薄くなっている。「第2世代のLaVie Zを設計している時にも、0.2mmの厚さができないのかと検討したが、液晶モジュールメーカー側がこれ以上は厳しいということで、0.25mmにした。今回の製品ではそこをさらに詰めて0.2mmに挑戦した」(情野氏)とのことで、今世代は初代LaVie Zの半分の薄さなったのだという。もちろん、0.2mmという薄いガラスを採用した液晶モジュールはメーカー既成品にはないので、カスタムで作ってもらう必要があった。情野氏によれば、実際には液晶モジュールメーカーが製造後に削っているのだという。
ここで誰もが、じゃあそんなに薄くして強度は大丈夫なのかという、しごくまっとうな疑問に行き着くだろう。確かにタッチパネルのガラスをフィルムにして、液晶モジュールのガラスも極限まで薄くするのは、軽量化という意味では利くのが、ほかの製品では強度を維持するために厚いガラスを採用している。LaVie Hybrid Zeroではそれが問題ないのか。
実は今回、LaVie Hybrid Zeroは、第2世代LaVie Zに比べてトータルでは若干厚くなっている。同じタッチ製品同士で比較した場合、第2世代LaVie Zが15.9mmだったのが、LaVie Hybrid Zeroは16.9mmになっている。なぜ厚くなっているのかと言えば、マグネシウムリチウム合金製のA面のカバーにある。A面のカバーを比較してみると、LaVie Hybrid Zeroのそれは、第2世代LaVie Zに比べて縁が立っている。つまり、液晶やタッチパネルのガラスが削られた分の強度は、このA面のカバー側が補っているのだ。神尾氏によれば「ガラスは端から割れていく。その起点となる部分の強度を上げれば割れにくくなる」との通りで、ガラスの厚さが減った分を設計側でしっかりと補うことで問題の無い強度を実現しているのだという。
もちろん、縁の部分が増えた分、カバー側の重量は増すことになるが、素材をマグネシウム合金からマグネシウムリチウム合金へと変更することで、重量増を防げた。これが今回のLaVie Hybrid Zeroがさらなる軽量化を実現できた理由の1つだ。神尾氏によれば、液晶ディスプレイ部分だけで、従来製品に比べて十数%重量が減っているとのことで、それこそが、2-in-1のLaVie Hybrid Zeroの、回転機構分の重量が増えているはずなのに、第2世代LaVie Zの964gに比べて38g軽い926gを実現できている最大の理由なのだ。
メモリは最大8GBまで、CTOモデルでは512GBのPCI Express SSDが選択可能に
今回の製品ではシステム側(基板の入っているC面、D面側)でもいくつかの工夫が加えられている。1つには、メモリを8GBにする工夫だ。従来のLaVie Z 第1世代、第2世代では最大搭載メモリが4GBまでとなっているが、今回の製品ではそれが8GBまで実装可能になった(搭載メモリは4GBと8GBの2つがあり、モデルにより異なっている)。情野氏によれば「お客様からのフィードバックで多かったのは、メモリを増やして欲しいということだった。そこで、8GB化できないか検討してみたが、前モデルと同じ層数を少なめにして広く基板をとるという形では、配線のルーティングが厳しいということが見えていた。そこで、層数を増やし、逆に基板の面積を小さくするというアプローチをとった」とのことで、基板の設計の考え方をこのモデルでは変えた。
NEC PCの薄型、軽量のモデルでは、基板の層数をあまり増やさずに、広めに基板をとることで、基板を薄くして、システム全体を薄くするというアプローチがとられてきた。しかし、そのデザインでは、基板の中を通す配線の取り回しが厳しくなるため、メモリの最大容量があまり大きくできないという弱点があった。そこで、今回のLaVie Hybrid Zeroでは、基板を高密度化することで配線の取り回しを容易にして、配線を増やし、4GBだけでなく8GBにも対応可能なように変更した。ただし、高密度化することで、基板の面積を減らし(従来モデルが203.3平方cmだったのが187.6平方cmへ減少)、結果的に重量へのインパクトは最小限にしているという。なお、今回のモデルから採用されているメモリはDDR3ではなく、LPDDR3に変更されており、待機時の電力が減っているのだ。
加えて、CPUファンとヒートパイプに関しても見直されている。今回のモデルでは、CPUに第5世代Coreプロセッサ(Broadwell)のUプロセッサが採用されており、従来モデル(第2世代 LaVie Z)で採用されていた第4世代CoreプロセッサのUプロセッサと熱設計面への要求という点では同等で変更はない。従って、まったく同じCPUファン+ヒートパイプを採用してもよかったのだが、CPUファンの向きを変えて後方排気とすることで、ヒートパイプの長さを短くすることに成功し、それだけ約3g近い重量減を実現したという。かつ後方排気にすることで、ファンが回っている時でもユーザーに届く音を減らせるというメリットもある。
性能面で大きな変更点として挙げられるのは、PCI Express SSDに対応したことだ。といっても店頭で販売される標準モデルはSATAタイプで、NECダイレクトで販売されるCTOモデルで512GBのSSDを選んだときのみ、PCI Expressとなる。SATAでも十分速いのだが、PCI Express SSDにすると、Windowsの起動がまさに瞬間と言っていいレベルになるので、少しでも性能が必要というユーザーはNECダイレクトで512GBのSSDを選択するのが吉だろう。
製品の使い勝手や堅牢性はしっかり確保しているLaVie Hybrid Zero
最後になるが、このLaVie Hybrid Zeroは、日本でだけ販売されるモデルではなく、NECとジョイントベンチャーでNEC PCの親会社となるLenovoも、米国で販売する予定だ。
実際NEC PCはLaVie Hybrid Zeroを1月に行なわれたInternational CESで展示し(CESの時点では次世代LaVie Zと呼ばれていた)、米国のガジェット系メディアEngadgetが主催するCES公式の賞である「Best of CES Awards 2015」のベストPC賞を受賞した。日本向けのPCがこうした賞を受賞するというのは、久しく例が無かったことで、米国で販売されると言うことが大きな話題になっている。つまり、今まさに世界のユーザーがLaVie Hybrid Zeroに注目しているのだ。
冒頭でも述べたが、これまでのLaVie Z、そして今回のLaVie Hybrid Zeroの掲げる“極限まで軽く”というシンプルな開発目標は誰にもわかりやすいモノだし、実際に実機を触ってみると、こんなに軽いのかと、多くのユーザーがビックリするのがこの製品の本質だと筆者は思う。そのシンプルな目標を実現したのは、別に魔法を使ったわけではなく、言ってみれば開発者の地道な努力の結果だというのが、今回の記事を読んで頂いた読者にご理解頂けたのではないかと思う。
もう1つ筆者が強調しておきたいのは、このLaVie Hybrid Zeroが本当に凄いのは、そうした極限まで軽くという目標を実現しながら、ユーザーの使い勝手や堅牢性を損ねていない点だ。液晶のガラスを削りながら、強度の確保をケース側の素材を工夫したりしながら実現していく、そうした結果としてでき上がっているのが今回のLaVie Hybrid Zeroなのだ。製品の発売は本日(2月5日)からなので、店頭にも実機が並び始めると思うので、この記事を読んだ後で、是非とも実機に触ってみてその凄さを実感してみて欲しい。