日本エイサー「ICONIA TAB A100」
〜“マンガロイド”を謳う7型Android 3.2タブレット



日本エイサー「ICONIA TAB A100」

10月25日 予約開始
価格:オープンプライス



 日本エイサーは、7型液晶を採用するAndroid 3.2タブレット「ICONIA TAB A100」を、10月25日より予約開始した。“マンガロイド”という愛称が付けられており、コミックを中心とした電子書籍の利用を前面に押し出している点が大きな特徴となっている。今回、いち早く試用機を試用する機会を得たので、ハード面を中心に見ていきたいと思う。

●絶妙なボディサイズ

 ではまず、ICONIA TAB A100(以下、A100)本体形状からチェックしていこう。

 A100の本体サイズは、195×117×13.1mm(幅×奥行き×高さ)。7型液晶を採用していることから、Android 3.xタブレットの主流である10.1型液晶搭載モデルと比較すると、かなりコンパクトになっている。10.1型タブレットは、片手で持って利用するにはやや大きすぎるという印象だが、A100は片手でも楽に持てる。高さは、特別厚いわけではないが、薄型タブレットが多数登場している現在ではやや厚く感じる。

 重量は、公称で約410g、実測では398gだった。実測で400gをわずかに切る重量は、7型タブレットとして標準的だが、サイズがコンパクトなこともあって、個人的には若干ずっしりと感じた。とはいえ、片手で持って使っていても疲れを感じることはなかった。

 ボディカラーは、液晶面のベゼル部分は一般的なブラックとなっているが、裏面はネイビーとチェリーレッドの2色を用意。今回の試用機はネイビーカラーで、落ち着いた印象を受けた。また、曲線を組み合わせた独特な模様が印刷されており、独特の雰囲気を醸し出していた。

本体正面。フットプリントは195×177mm(幅×奥行き)と、7型タブレットとして標準的なサイズだ 10.1型タブレットのMotorola XOOMとの比較。かなりコンパクトで、男性の手なら縦向きで掴んで持てる 背面。試用機のカラーはネイビーだったが、鮮やかなチェリーレッドも用意される。また、曲線を組み合わせた独特のデザインが特徴
下部側面。高さは13.1mmと、薄型のタブレットが多数登場している現在となってはやや厚く感じる 左側面。前方から後方まで、ほぼ均一の厚さとなっている 上部側面。側面には物理ボタンがいくつか配置されている
右側面。各種ポートやステレオスピーカーが配置されている 重量は、公称で約410gだが、実測では398gと400gを切っていた

●1,024×600ドット表示対応の7型液晶を採用

 採用されている7型液晶の表示解像度は、1,024×600ドットと、7型タブレットとして標準的なものとなっている。一部の7型タブレットでは、10.1型タブレットと同じ1,280×800ドット表示対応の液晶パネルを採用しているものもあるが、A100とMotorola XOOMを同時に使ってみても、A100の解像度の低さを感じる場面はほとんどなく、ほぼ気にならないと言っていいだろう。

 液晶パネルの種類は公表されていないが、視野角は十分広く、縦位置や横位置はもちろん、斜めから見ても色合いなどの変化をあまり感じることなく映像や文字を視認できる。液晶表面は光沢感が強く、発色はなかなか鮮やかだが、反面外光の映り込みは気になる。ちなみに、液晶表面には強度に優れるゴリラガラスが採用されており、キズが付きにくい。タッチセンサーは静電容量方式で、もちろんマルチタッチにも対応している。

 OSにAndroid 3.2を採用していることもあり、液晶面には物理ボタンは用意されていない。ただ、液晶右側(縦向きでは下側)にタッチセンサー式のホームボタンが用意されており、この点は一般的なAndroid 3.xタブレットにはない特徴といえる。不要と言えば不要なのだが、個人的には独立したホームボタンが用意されている点は、扱いやすさを高めるという意味で好印象だった。

1,024×600ドット表示対応の7型液晶を採用。パネルの種類は公表されていないが、視野角は十分広く、縦位置での利用や斜めから液晶を見ても色合いの変化はほとんど感じられない Androiod 3.2採用ながら、液晶右側面(縦位置では下部)にタッチセンサー式のホームボタンが用意される

●プロセッサにTegra 2を採用

 A100は、プロセッサとしてNVIDIAのTegta 2(1GHz)を採用している。Android 3.xタブレットとしては一般的なスペックだが、過去のAndroid 2.x搭載の7型タブレットと比べると高スペックと言える。実際に画面操作やWebアクセスなどを行なってみても、ストレスを感じることなく非常に快適に利用可能だった。

 システムメモリ容量は1GB、ストレージ容量は16GBと、こちらもAndroid 3.xタブレットとして一般的だ。また、側面に用意されているmicroSDカードスロットに、最大32GBのmicroSDカードを取り付け、ストレージ容量を拡張可能だ。

 先ほど紹介したように、液晶面にはタッチセンサー式のホームボタンが用意されているものの、物理的なボタンは配置されていない。ただ、側面には各種ポートやいくつかの物理ボタンが配置されている。

 左側面にはヘッドフォン出力と電源ボタンが、上部側面にはmicroSDカードスロットと音量調節用の物理ボタン、画面の自動回転のON/OFFスイッチが、右側面にはリセットボタンとmicroHDMI出力、microUSBコネクタ、充電用の電源コネクタがそれぞれ用意されている。また、右側面中央に配置されている独自コネクタは、専用ドック用のコネクタだ。microSDカードスロットは、フタで被われている。

 無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準搭載し、3Gは非搭載。センサー類は、GPS、加速度センサー、ジャイロセンサー、電子コンパス、照度センサーを搭載。カメラは、裏面に約500万画素のメインカメラと、液晶面左側に約200万画素のサブカメラを搭載する。充電には付属のACアダプタを利用し、USB経由での充電には対応しない。

 ところで、ハード的な特徴ではないが、個人的にかなり魅力に感じたのは、ドルビーモバイルに対応している点だ。ヘッドフォンを接続して音楽ファイルや動画を楽しんでみたが、非常に高音質のサウンドが楽しめた。ミュージックプレーヤーとしても本格的に活用できるように感じたので、サウンドにこだわりたい人にとって見逃せない仕様と言える。

左側面には、ヘッドフォン出力と電源ボタンを用意 上部側面には、画面の自動回転のON/OFFスイッチとボリュームボタンを用意 上部側面のフタを開けると、microSDカードスロットにアクセスできる
右側面には、リセットボタン、microHDMI出力、microUSBポート、電源コネクタを配置。メッシュ状の穴はスピーカー。また中央の独自コネクタはドック接続用のコネクタだ 裏面に、約500万画素のメインカメラを配置。横にはLEDフラッシュも搭載されている 液晶左側面(縦位置では上部)に、約200万画素のサブカメラを搭載
ドルビーモバイルに対応しており、ヘッドフォン出力の音声はかなり高音質だ 付属のACアダプタは比較的コンパクトだ 充電にはACアダプタが必要で、USB経由での充電は不可能

【動画】ICONIA TAB A100を利用している様子

【動画】Webブラウザを利用している様子

●「手塚治虫マガジン倶楽部」をプリインストール

 A100は、マンガロイドという愛称が付けられていることが表わしているように、電子書籍、特にコミックの利用を前面に押し出している。その愛称を体現するように、手塚治虫漫画全集400巻と、モーションマガジン全50話が閲覧可能な「手塚治虫マガジン倶楽部」アプリがプリインストールされている。

 実際に手塚治虫マガジン倶楽部を利用してみたが、7型液晶のサイズはコミックとほぼ同等のサイズということもあり、なかなか読みやすかった。もちろん、紙と液晶とでは見え方が全く異なるため、コミックと全く同じ感覚で読めるというわけではないが、絵や文字が見づらいということもなく、ページめくりもスムーズでなかなか快適に読めた。ちなみに、縦向きでは1ページずつ、横向では2ページ分が一度に表示されるが、さすがに横向きではかなり表示が小さくなってしまうので、縦向きで読むのがベストだろう。

 手塚治虫マガジン倶楽部は、月額1,050円の有料サービスだが、A100にはクーポンが付属しており、そのクーポンを利用することで48時間無料でサービスを利用できる。閲覧できる冊数が多いため、48時間ではとうてい全てを楽しむことは不可能だが、手塚ファンなら、月1,050円払っても十分に元が取れるはずだ。

 手塚治虫マガジン倶楽部以外の電子書籍リーダーとしては、Acerが展開する電子書籍サービス「LumiRead」のアプリと、カナダのKoboが展開する「Kobo」リーダーがプリインストールされている。ただ、これらは海外で展開される電子書籍サービス用のアプリであり、日本の電子書籍を購入する手段などは標準では用意されていない。マンガロイドという愛称を付けているのだから、それ以外の日本の電子書籍を購読する手段も標準で用意してもらいたかったように思う。

 電子書籍以外としては、「ICONIA TAB A500」に搭載されている、DLNA準拠のコンテンツ共有アプリ「Acer Clear.Fi」やソーシャルネットワークアプリ「ACER SOCIAL JOGGER」をはじめ、手書きメモアプリや独自のカレンダーアプリなど多数のアプリをプリインストール。また、日本語入力アプリとして「ATOK for Android」がプリインストールされている点も大きな魅力だ。

「手塚治虫マガジン倶楽部」アプリがプリインストールされている 手塚治虫マガジン倶楽部は月1,050円の有料サービスだが、48時間無料でサービスを利用できるクーポンが付属している 手塚治虫マンガ全集400巻と、モーションマガジン50話が読み放題だ
ほぼコミック誌と同サイズに表示されるので、かなり読みやすい 横位置では、2ページ分が一度に表示される DLNA準拠のコンテンツ共有アプリ「Acer Clear.Fi」を利用し、ネットワーク経由でメディアファイルの活用が可能
TwitterやFacebookなどに対応するソーシャルネットワークアプリ「ACER SOCIAL JOGGER」もプリインストール ニュースやメールのチェック、予定表など一元管理できるオリジナルアプリも搭載 手書きメモ機能も用意されている

【動画】手塚治虫マガジン倶楽部でコミックを表示している様子
●マンガ用途に限らず、広くオススメしたいタブレット

 では、パフォーマンスをチェックしよう。「Quadrant Professional Edition」と「AnTuTu Benchmark」の2種類のベンチマークソフトを利用し、比較用として、Motorola XOOM Wi-Fi TBi11M、レノボのIdeaPad Tablet K1、ソニーのSony Tablet S、ASUSTeK ComputerのEee Pad Sliderの結果も加えてある。ただし、AnTuTu Benchmarkは製品によりバージョンが異なっているため、参考値として見てもらいたい。

 比較用のタブレットも含め、プロセッサは全てTegra 2を採用しているものだが、A100の結果が他のものよりかなり優れていることがわかる。液晶の表示解像度が異なるため、横並びでの比較は難しいかもしれないが、少なくとも数値上はTegra 2を採用する10.1型タブレットよりもパフォーマンスは高い。とはいえ、Motorola XOOMと並べて比較した限りでは、操作感に大きな差は感じられなかったので、体感的にはTegra 2搭載タブレットとほぼ同等と考えていいだろう。

Quadrant Professional総合
Quadrant Professional詳細

【AnTuTu Benchmark】
  ICONIA TAB A100 XOOM Wi-Fi TBi11M
Android 3.1
IdeaPad Tablet K1
Android 3.1
Sony Tablet S EeePad Slider
バージョン v2.4 v2.1 v2.1 v2.1 v2.3.1
RAM 775 828 818 819 787
CPU integer 1415 1183 1169 1170 1161
CPU float-point 1030 1035 1016 1018 1028
2D graphics 310 246 292 293 346
3D graphics 1047 759 802 811 823
Database IO 375 370 175 325 295
SD card write 102 105 131 95 141
SD card read 162 159 131 192 189
Total score 5216 4685 4534 4723 4770

 次にバッテリ駆動時間だ。A100には容量11.3Whのリチウムポリマーバッテリが内蔵されており、公称で720PのH.264動画再生時で約4.5時間の駆動が可能とされている。バックライト輝度を最低に設定し、無線LANをオン、GPSやBluetoothはオフにした状態で、フルHD解像度のH.264動画(映像ビットレート3Mbps、Baseline Profile)を連続再生させて検証してみたところ、約5時間40分と、公称値を大きく上回る駆動時間を確認した。10.1型タブレットに比べるとやや短めの駆動時間だが、このあたりは本体のサイズや重量とのトレードオフとなるため、7型タブレットとしてはまずまずといったところだろう。

 7型タブレットは、10.1型タブレットよりもコンパクトで持ち運びが楽に行なえるとともに、スマートフォンより大きな画面で、映像再生やWebアクセスなども快適に行なえるなど、携帯するタブレットとして最適な存在だ。

 A100は、Tegra 2を採用することでパフォーマンスも高く、ストレスなく利用できる。手塚治虫マガジン倶楽部やエイサー独自アプリなど、付属アプリも豊富で、買ってすぐにさまざまな機能を楽しめる点も魅力だ。

 価格は、メーカー想定売価が37,800円とされており、比較的安価。マンガロイドという愛称で、電子書籍やコミックを楽しむことを前面に押し出すタブレットではあるが、優れたパフォーマンスで、通常のタブレットとしての用途も快適にこなせるため、初心者から上級者まで広くオススメしたい製品だ。

バックナンバー

(2011年 11月 8日)

[Text by 平澤 寿康]