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秋葉原ラジオ会館に「パーソナルコンピュータ発祥の地」のプレートを設置
ここは、今年8月31日まで、Bit-INN LOUNGE(旧・Bit-INN東京)があった場所。プレートは、Bit-INNの閉鎖を機に、パソコン発祥の地であるBit-INNの存在を後世に残すことを目的に設置された。 午前10時から行われたプレートの除幕式には、NECソリューションズの富田克一執行役員常務、Bit-INNを運営しているPCテクノロジーの野口重次相談役、秋葉原ラジオ会館の長野平一社長が参加し、これを祝った。 Bit-INN東京は、'76年に、パソコンの前身であるマイコンキット「TK-80」の販売およびマイコンの普及を目的として、NECが開設した戦略的な販売拠点。開設当初は、土日のたびに、マイコンに触れたいという若者が弁当持参で訪れ、一日に3,000人もの人が溢れかえったこともあったという。 ソフトバンクの孫正義社長や、アスキーの創業者の一人である西和彦氏なども、10代のうちからBit-INNを訪れていたという。 当時の逸話として、いまでも伝えられるのが、NECが「3坪のフロアでいいから提供してほしい」と申し入れたのに対して、当時の日本電子販売 野口重次社長(現・PCテクノロジー相談役)が、「NECの看板に恥じないように」と40坪のフロアを提供したことだ。 これを受けて、土日には、NECの社員が入れ替わり立ち替わりで店頭にたち、販売を手伝い、マイコンの販売、普及につとめたことなどが語りぐさとなっている。 こうした初期の取り組みが、現在のパソコンの発展へとつながり、NECのトップシェアを築くきっかけのひとつになったといえる。 その後、ラジオ会館内には、Bit-INNに続いて、日立製作所、東芝、三菱電機、富士通などが、相次いでパソコンの販売拠点、ショールームを開設したことでもその影響力が大きかったことがわかるだろう。 「パーソナルコンピュータ発祥の地」のプレートは永遠にこの場所に残ることになったが、古くからの業界関係者、マイコン時代からのマニアの間では、Bit-INNの閉鎖を悲しむ声が少なくない。 なお、Bit-INN LOUNGEは、8月31日に閉鎖後、秋葉原電気街の中央通り沿いにあるBit-INN Aiに統合した。
□Bit-INN LOUNGEのホームページ (2001年9月27日)
[Reported by 大河原克行] |
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