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窓口で聞いたBフレッツのサービスエリアと導入可能なプラン |
NTT東日本 古賀哲夫営業部長 |
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NTTが6月28日にBフレッツの発表会を行なった。このとき、説明を行なったNTT東日本の古賀哲夫営業部長は、資料に書かれた「マンションタイプは最低10契約が見込まれる場合に提供します」といったサービス提供に関する制限事項を、「あくまで原則として」といった表現で説明した。敷設条件は設定したものの、ユーザーのニーズによっては柔軟に対応する姿勢を見せたわけだ。それでは、たとえばマンションに100Mbpsのベーシックタイプを引きたいとリクエストした場合、NTTはどういった対応を取るのだろうか。実際に試してみたところ、その結果は筆者が予想するよりはるかに前向きで積極的な対応だった。
●サービス提供可否は分からないものの積極的な対応を見せる
現時点でBフレッツに興味を持っているユーザーが気になる点といえば、自分の住んでいるエリアでサービスが提供されるのはいつなのかということと、自分の住んでいる家では、どういったプランを選択することができるのかの2点だろう。発表資料には8月1日からは「試験サービス提供中の一部地域(8つのビル)を含む都心5区」と書かれている。これが11月1日からは、東京23区と多摩エリアに拡大される。もっとも、資料をよく読むと「該当エリアの一部にて提供予定」と書かれているのだ。つまり、東京23区に住んでいたとしても、11月1日からサービスが提供されるわけではないのである。
それでは、自分の住んでいるエリアがBフレッツの提供エリアに入っているかどうかを調べるにはどうしたらいいのか。これは、NTTがWebで提供している「光ファイバーインフォメーション(東日本: http://www.ntt-east.co.jp/hikarika/ 、西日本: http://www.ntt-west.co.jp/hikarika/ )をチェックすることで、ある程度の想像がつく。Webページには、エリアごとに光ファイバーの敷設状況が掲載されており、自分の住んでいるところ、たとえば東京都大田区を選べば地図が表示され、すでに光ファイバーが敷設されているエリア、2001年度末までに敷設するエリア、2002年度以降に敷設するエリアが色分けされて表示される。
もっとも、この地図で光ファイバーが2002年度以降に敷設と表示されているエリアであっても、可能性は残っているようだ。NTTによれば「現在、光ファイバーのインフラがないエリアであっても、ケース次第で対応します」としており、明言はしていないものの、インフラが整っているエリアに隣接し、そこそこのニーズが見込まれるのであればBフレッツサービスを提供してくれそうな感じなのである。ぜひ、自分の住んでいるエリアがどういう状況なのかを知りたいところだが、残念ながら具体的な情報は都心5区は8月1日以降、23区は11月1日以降でなければお知らせできないとのことだ。
●各プランの敷設条件はあくまで原則
Bフレッツには100Mbpsのベーシックタイプ、100Mbpsの回線を複数ユーザーで共有するファミリータイプ、集合住宅を対象にしたマンションタイプの3種類が用意されている。マンションタイプは、構内配線に電話線(メタル線)をそのまま使うため、工事を最小限ですませることができる。多くのケースでは、1階にある管理人室や電話室などに回線終端装置とメタル配線を利用するためのPNA集合装置を設置。各住戸までは既設のメタル配線を利用し、住戸側ではPNA宅内装置を使って10Base-Tインターフェイスに変換するといった形になる。
資料には、マンションタイプを敷設するためには「最低で10契約が見込まれる場合に提供します」と書かれている。「見込まれる」とは具体的に、どういった意味なのか。このあたりも、NTTに質問してみた。その答えは、非常に前向きで積極的なものだった。曰く「お客さまからご要望をいただいた場合は、まず敷設可能かどうかを調べさせていただきます。お申し込みの段階では1契約であったとしても、(マンションの)管理組合様と共同で、マンションにお住まいのみなさまがBフレッツに興味をお持ちかどうかを調べさせていただくことで対応いたします」ということ。つまり、NTTが同じマンションにBフレッツユーザーがほかにいないかどうかを調べてくれるというのだ。どの辺りがサービス提供可否のボーダーになるかは明らかにしてくれなかったが、たった一人からのリクエストであってもサービス提供の可能性を残してくれたことは頼もしい。
もっとも、マンションタイプの場合、各住戸へ引かれる回線は10Mbps止まり。局までの回線も住人で共有するため、状況によっては帯域が極端に細ることも考えられる。現実的には、ほとんどの人はこれで十分だと思われるが、どうしても100Mbpsを一人で占有するベーシックプランを使いたい場合にはどうすればいいのだろう。これについても、「マンションプランをお勧めいたしますが……」と前置きした上で、「マンション構内に光ファイバーが敷設可能であれば対応するという。すべてのマンションに敷設できるわけではなく、マンション構内の共同構に空きがあり、パイプの曲がり具合などをチェックした上で、光ファイバーが配線可能だと判断できた場合には、マンションであってもベーシックプランを提供するというのだ。ただし、共同構などは、マンション全体での共有物であり、全世帯分の光ファイバーを通すスペースの確保は難しいことから、管理組合などで十分に調整を行なってほしいとしている。
なお、マンションにベーシックプランを敷設可能かどうかの現地調査費は無料、月額料金は一軒家やビルの場合に加えて、構内配線をNTTが用意するため、屋内配線利用料(加算料)の800円がかかる。トータルで10,900円。100Mbpsの回線が、この金額で使用できるとは、すごい時代になったものだ。
□NTT東日本のホームページ
http://www.ntt-east.co.jp/
□ニュースリリース
光・IP通信網サービス「Bフレッツ」の本格提供開始について
http://www.ntt-east.co.jp/release/0106/010628b.html
□関連記事
【6月28日】NTT東日本、FTTHサービス「Bフレッツ」を8月1日開始。月額5,000円から
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010628/ntt.htm
(2001年7月3日)
[Reported by kasai@impress.co.jp]
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