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NTT東日本、FTTHサービス「Bフレッツ」を8月1日開始。月額5,000円から |
NTT東日本 古賀哲夫営業部長 |
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NTT西日本 Tel.0120-111701
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、光ファイバを使うことで通信速度が最大100Mbpsの「Bフレッツ」を8月1日より都心5区の一部地域で開始すると発表した。
あわせて、フレッツISDNを300円値下げし月額3,300円、フレッツADSLを250円値下げし月額3,800円(電話と共有する場合)とする価格改定も発表、7月16日から実施される。なお、NTT西日本も同様の発表を行なっている。
Bフレッツは、NTTが2000年12月26日から試験サービスを行なっていた「光・IP通信網サービス」を本格提供することにしたもの。試験サービス時と同様に「ベーシックタイプ」、「ファミリータイプ」、「マンションタイプ」の3種類が用意されている。提供エリアは、8月1日から東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、11月1日からは東京23区、多摩エリア、2002年1月からは東京都町田市や神奈川県の一部地域などに拡大する計画だ。NTT東日本によれば、年度内にビルベースで30%程度のエリアをカバーしたいという。
ベーシックタイプは、アクセスラインに100Mbpsの光ファイバを用いるもので、月額使用料が9,000円。このほかに屋内配線利用料200円、回線終端装置利用料900円がかかるため、トータルで10,100円となる。なお、この料金にプロバイダ費用は含まれていない。また、ビルの構内光ケーブルをNTTが設置する場合には、さらに月額800円がかかる。導入時に必要な初期費用は、契約料の800円と工事費の27,100円。一戸建ての住宅やオフィスビルを対象としており、集合住宅には原則として引くことはできない。気になる実効帯域は、試験サービス時には、HTTPプロトコルを使用した場合で20Mbps程度は出ていたという。
ファミリータイプは、10Mbpsの回線を複数ユーザーで共有するタイプで、月額利用料は5,000円。このほかにかかる費用はベーシックタイプと同様で、トータルでは6,100円となる。初期費用や回線を敷設できる施設もベーシックタイプと同じだ。ただし、ファミリータイプは、原則として一定数のユーザーが見込めるエリアにしか提供しない。これは、100Mbpsの回線を途中で分岐させることで複数ユーザーに提供するため。もっとも、NTT東日本によれば、一定数以上が必要だというのはあくまで原則であり、実際にはユーザーの需要に応じて柔軟に対応していきたいとしている。こちらの実効帯域は、試験サービス時で最大7Mbps程度。
マンションタイプは、100Mbpsの回線を集合住宅内の複数ユーザーで共有するタイプ。NTT局からマンションまでは100Mbpsだが、マンション内の各住戸には10Mbpsで接続される。月額利用料は3,800円、初期費用は契約料800円と工事費の11,900円がかかる。もっともこれは、Ethernetケーブルが各住戸に張られている場合で、こういった設備のない多くのマンションでは、電話用屋内配線を用いて接続するための端末機器(PNA)が必要となる。このPNAの使用料は月額1,200円、導入時に必要な工事費は8,100円。なお、マンションタイプは、最低でも10契約が見込まれる場合にしか提供されず、また申し込みは管理組合などからの申し込みとなるが、これについても柔軟に対応していく考えだという。
このほかにフレッツADSLおよびフレッツISDNのサービスエリア拡大についても発表された。7月以降、青森県の5都市、茨城県、新潟県、北海道の9都市などにフレッツサービスの提供エリアを拡大し、東日本エリアの場合、年度内で85%のユーザーをカバーする計画だ。
サービスエリアの拡大とあわせて、開通までの所要時間の短縮も図る。具体的には、フレッツADSLの場合、これまで首都圏で1カ月程度、神奈川県にいたっては50日間程度かかっていたものを、今後、7月には3週間程度、9月には2週間程度に短縮する。こういった対策により、フレッツサービス全体(ISDN、ADSL、光)で、年度内に200万契約(NTT東日本)程度を目指すという。
試験サービスの申し込み件数は、ADSLの半数くらいの実績としており、最終的にはADSLと同じくらい需要が出ると見込んでいる。
質疑応答では、ADSL参入とともに思い切った低価格政策を打ち出したYahoo! BBについて質問が集中した。
「YahooBB、usenはエリアを限定することで可能となるサービス。アクセスラインでペイするわけではなくコンテンツとあわせて稼ごうと両社は言っている。しかしNTTは、そうはいかない。Yahooのようにアクセスラインで赤字というのは上のほうで稼ぐということだろう」と、NTT東日本の古賀哲夫営業部長は語った。
「しかし、個人的な見解だがインターネットの普及を考える上で、そういうのが本当にいいのかというのは疑問だ。コンテンツ事業者が伸びていく土壌を消すのではないかと懸念している。全体を伸ばすためにはよろしくないと思う。個別のレベルで健全な収益を確保したほうがよい。各レベルで、皆がぎりぎりの料金でがんばっていくほうが正道ではないか。
すでにISPには千万単位でユーザーがいる。これからNTTが出ていってもお客はこないのではないか。全部NTTがやったほうがいいとすれば、小会社がやっていくレベルのお話し。NTTがやるのは邪道だ」とし、「NTTのADSL事業の黒字化は2年近く、1年強はかかるだろう」と述べている。
また、Bフレッツでの実効帯域の平均速度については、「試験サービスにおいて、フレッツスクエアでの速度測定では、(HTTPで)10Mbpsの場合は最高で7Mbps。100Mbpsの場合は20Mbpsくらいは出ている」と述べた。
□NTT東日本のホームページ
http://www.ntt-east.co.jp/
□ニュースリリース
光・IP通信網サービス「Bフレッツ」の本格提供開始について
http://www.ntt-east.co.jp/release/0106/010628b.html
「フレッツ・ISDN」及び「フレッツ・ADSL」の料金値下げ等について
http://www.ntt-east.co.jp/release/0106/010628a.html
□NTT西日本のホームページ
http://www.ntt-west.co.jp/
□ニュースリリース
光・IP通信網サービス「Bフレッツ」の本格提供開始について
http://www.ntt-west.co.jp/news/0106/010628b.html
「フレッツ・ISDN」及び「フレッツ・ADSL」の料金値下げ等について
http://www.ntt-west.co.jp/news/0106/010628a.html
(2001年6月28日)
[Reported by kasai@impress.co.jp]
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