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ワイヤレスLANカードも内蔵できる2nd GENERATION「AIBO」

挨拶するソニー会長 (CEO) 出井伸之氏
11月16日予約開始 12月上旬出荷予定

価格:150,000円

連絡先:AIBOショップ
     Tel:0570-008-811


 ソニー株式会社は、エンタテインメントロボット“AIBO”の2nd GENERATION「ERS-210」を12月上旬から出荷する。11月16日からインターネット、電話により受注を開始。初代AIBO「ERS-110」は国内3,000台限定で販売され20分で完売したが、今回は予定数や受注期間は設けずに販売する。また、一部のソニープラザや百貨店にAIBOショップを開設し、受注を受け付ける。価格は150,000円。

 都内で行なわれた発表会に出席したソニー会長 兼 CEOの出井伸之氏は「ロボットはコンピュータの総合芸術だ。1st GENERATIONはAIBOを市場に認知させることができた。2nd GENERATIONではソニー内に独立カンパニー (エンタテイメントロボットカンパニー) を作りビジネスとして飛躍させていきたい」と自信たっぷりに語った。


■ 初代AIBOのコンセプトは犬、2nd GENERATIONのイメージは“子ライオン”

エンタテイメントロボットカンパニー プレジデントの天貝佐登央氏
 エンターテイメントロボット「AIBO」のビジネスを専門に行なう部署として8月にスタートしたばかりのエンタテイメントロボットカンパニーでプレジデントを務める天貝佐登央氏は、「初代AIBOは“犬”をコンセプトとして制作したが、あくまでも犬ではなく“エンタテイメントロボット”だ。今回も同じくエンタテイメントロボットだが、コンセプトデザインは“子ライオン”。犬は尻尾で感情を表現するので長くしたが、今回はライオンなので尻尾が短い。では、どこで感情を表現させるかということで、新たに耳を動かせるようにした。AIBOは犬だ犬だと言われてきたので猫に変えてみたいという気持ちもあった (ライオンはネコ) 」とコメント。

 今後のビジネスについては「エンターテイメントに主眼を置き、ソニーらしい思いつきをどんどん実現していきたい。具体的には、対応アプリケーションの発売、サードパーティからのソフトウェア発売、外装の交換、映画などをはじめとしたキャラクタの展開などを考えている」とし、ビジネス規模としては20年後にはソニーの柱の1本として、他商品への技術の転化なども考えていきたいという。


■ 音声コミュニケーションを強化

デザインが一新されている2nd GENERATION AIBO
 2nd GENERATION AIBOのデザイン上で大きく変わったのは、動く耳と短くなった尻尾。尻尾にはLEDがセットされており、機嫌がよいと (ときめきを感じると) 青く光らせながら横に振ったりする。可動部はこれまでの18カ所から両耳を加えた20カ所。センサーは従来のものに加え、背中や顎に追加で設置されている。

 音声コミュニケーション機能が強化されており、付けた名前に反応するようになった。機嫌がいいときにAIBOの名前を呼べば声に反応するほか、AIBO独特の声で物まねも披露する。発表会では“遊ぼ”と問いかけると物まねモードに入り、“静かに”と問いかける自律モードに切り替えられていた。ただし、製品版では変更される可能性もあるという。音声コミュニケーションが充実したため、サウンドコマンダーは付属しない。このほか、1st GENERATIONとコミュニケーションを取ることができるという。

 2nd GENERATIONではプロセッサやメモリが強化されているほか、OPEN-R ver1.1に対応しており頭部や足を取り外し別ユニットに取り替えることができる。発表会場では「有名人などがデザインした面白いものが登場すれば発売していく」としており、別ユニットの登場が待たれるところだ。実際には1st GENERATION AIBOでも取り外し可能とされているが、説明書などに明記され正式に対応するのは2nd GENERATIONからとなる。

 2nd GENERATION AIBOにはカラーのデジタルカメラが搭載されており、「写真を撮って」と命令すると撮影する。撮影した画像はメモリースティックに記録され別売ソフト「AIBO ファンパック (10,000円) 」を使えばPCに取り込むことも可能。

 AIBOのインターフェイスとしてはメモリースティックスロットと、PCカードスロットを装備。別売のハードとしてIEEE-802.11bに準拠した「AIBOワイヤレスLANカード」が20,000円で用意されており、ワイヤレスでデータを取り込むことが可能となっている。発売当初は対応ソフトはAIBOの行動プログラムソフト「AIBOマスタースタジオ」のみだが、対応アプリケーションを増やしていきたいとしている。

スライドで表示された2nd GENERATION AIBOの機能の図解。 AIBOへの命令はピンッと立った耳の下 (というか目の横) にあるマイクに向かって話しかける AIBOの撮影した写真を取り込み日記を付けることもできる「AIBO ファンパック」


■AIBOムービー■
音声認識を中心としたムービー1 (QuickTimeムービー 7.63MB)
ボールと戯れるムービー2 (QuickTimeムービー 8.96MB)


■ ビジネス展開を考え多種多様なアプリケーションを用意

 天貝氏によれば「1st GENERATIONでは周辺機器やソフトも収録したフルパッケージで、2nd GENERATIONはユーザーがアクセサリやプログラムを選択できるスターターキットと考えている」という。このため、2nd GENERATION AIBO「ERS-210」には本体のほか、専用リチウムイオンバッテリーパック1個、AC電源、ボールなど最低限の付属品しか同梱されない。

 AIBOとコミュニケーションを取るために必要となるソフトウェア「AIBOライフ」は9,000円で別売となる (1st GENERATION AIBOでは使用できない) 。このソフトでは自律行動や学習、成長、名前の登録、音声認識などを実現する。また、すでにある程度学習しているお披露目用のAIBOの頭脳を収録した「ハローAIBO! タイプA」が8,000円で販売される。このほかAIBOとじゃんけんやゲームを楽しむことができるアプリケーション「パーティマスコット」が9,000円となっている。
 AIBOはカレンダー、時計機能を搭載しており、これらの機能を利用し日記を付けたり、誕生日を祝ったりしてくれるソフトウェア「AIBO ファンパック」が用意される。日記帳にはAIBOの写真撮影機能を利用し撮影した写真を取り込み表示させることが可能となっている。
 また、本格的にAIBOの行動や音声などをプログラムしたいユーザーを対象としたツール「AIBOマスタースタジオ」が50,000円で発売される。プログラムしたデータは専用メモリースティックにセーブするか、AIBOワイヤレスLANカードを通じてAIBOに転送する。

 ソフトウェアの供給はピンク色のAIBO専用メモリースティックで行なわれる。メモリースティックにはセキュリティ機能が搭載されており、AIBO専用メモリースティックを採用したのは、サードパーティなどからも発売される予定のソフトウェアのコピー防止のためとしている。これらのソフトはWindows 98/Me/2000対応で、Macintosh版やプレイステーション2など他OSの制作は予定されていない。

AIBOの動きや音をプログラムできる「AIBO マスタースタジオ」。プログラムしたデータを「AIBO ワイヤレスLANカード」に転送しAIBOを操作することができる 発表会で表示されたプログラム画面。フローチャートを組み合わせてプログラムするのだろうか? AIBO ワイヤレスLANカード。グリーンの部分がアンテナ。アンテナも含め全てAIBOの胴体の中に収納される
別売のメモリースティックアプリケーション「ハローAIBO! タイプA」と「パーティマスコット」。ソフトはAIBO専用メモリースティックに収録される AIBOとのコミュニケーションを可能とする「AIBO ライフ」とAIBOの撮影した画像などを日記に取り込めるなどのアプリケーションソフト「AIBOファンパック」

 2nd GENERATION AIBOは本体のみでも充電可能だが、AIBOの充電のほか、予備バッテリースロットを持ち、AIBOに内蔵されている時計の時間設定や音量調整まで可能な「エナジーステーション」が17,000円で用意されている。また、ピンク、ブルー、ブラックの3色の「AIBOキャリングバック」が発売される。

2nd GENERATION AIBOのパッケージ。全世界統一でこのデザイン AIBOキャリングバック。ピンク、ブルー、ブラックが用意される AIBOの巣ともいえる「エナジーステーション」。単体での充電も可能だが、ステーションの上で芸を披露するという


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□AIBOホームページ
http://www.aibo.com
□関連記事
【'99年5月11日】ソニー、ペットロボットを製品化。インターネットで限定販売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990511/sony.htm

(2000年10月12日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]

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