Intel、低価格PC用統合チップTimnaをキャンセル
Timnaは低価格PC向けのソリューションとして、Katmaiコアとi810のグラフィックスとメモリコントローラ、128KBのL2キャッシュSRAMを統合したチップで、0.18μmルールで製造される予定だった。 当初RDRAMインターフェイスで計画されていたが、低価格PCのメモリの主流がSDRAMで継続したことからMPTと呼ばれるRDRAM→SDRAM変換チップを使い、SDRAMをサポートするように変更された。 Intelによれば、このMPTを新たに設計するため、スケジュールに遅れが生じ、市場で競争力を得られるタイミングを逸したことが、計画中止の第一の要因とされている。また、第二の要因として、Timnaが当初目指していた低価格帯の市場において、より自由度の高いCeleronと既存のチップセット(Intel 810など)との組み合わせでもニーズに応えられる状況となっており、新たに統合チップセットを投入する価値がなくなったとしている。 Timnaは直接SDRAMインターフェイスを備えたバージョンや、モバイルバージョンも予定されていたが、今回のキャンセルはこれらにも及んでおり、開発リソースは他の製品計画に割り当てられるという。また、これによりIntelのロードマップからは統合チップセットが消えることになるが、Intelでは市場の動向や顧客の要望によって、再度、投入する可能性もあるとしている。 すでに、MPTの追加発表の時点で、通常CPU+GMCH+ICHの3チップ構成がTimna+ICHの2チップ構成ですむというTimnaのメリットはほとんどなくなっていた。しかし、今年のIDFで実機が展示されるなど注目されていたチップだけに、今回の出荷中止の影響は大きい。
また、Intel 820のMTH、TimnaのMPTと、RDRAMとSDRAMのブリッジチップがトラブルの原因となっており、RDRAMを中心に据えたIntelのメモリの基本戦略の破綻が、チップセット製品に大きく影響したことになる。メモリ/チップセットとも、今後のIntelの戦略が注目されるところだ。
□Intelのホームページ (2000年9月29日)
[Reported by date@impress.co.jp] |
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