PDAソリューションフェア 2002開幕
~通信カード用Bluetoothモバイルアダプタが参考出品

会期:8月29日 10時~17時まで



 PDA関連のソリューションを一同にあつめた展示会「PDAソリューションフェア 2002 in Tokyo」が29日開幕した。企業ソリューションにフォーカスした展示会のため、コンシューマ向けの展示は少ないが、ハギワラシスコム製の通信カード用Bluetoothアダプタなど興味深い製品が参考展示されていた。会期は29日の10時から17時までで、入場料は無料。


■ NTTドコモブースで通信カード用Bluetoothアダプタが参考展示

Bluetooth Mobile Access Station

 NTTドコモのブースでは、ハギワラシスコム製の通信カード用Bluetoothアダプタ「Bluetooth Mobile Access Station」が参考展示された。

 Type2 PCカードスロットを搭載し、通信カードをスロットに挿し、Bluetooth内蔵のPDAとワイヤレス通信するためのBluetoothアダプタ。Pocket LOOXなどBluetoothを内蔵しているPDAであれば、CF通信カードを利用せずにインターネット接続が可能となるため、空いた拡張スロットをバーコードリーダなどほかの機器のために使うことができる。

 Bluetooth Ver.1.1(Power Class2)に準拠し、見通し距離は最大10m。対応BluetoothプロファイルはSerial Port ProfileとDial-up Networking Profile。対応OSはPocket PC/Pocket PC 2002/Palm OS 4.0以上で、対応予定の通信カードはFOMA P2401、P-in Comp@ct、P-in m@ster、P-in memoryなど。

 電源は単4アルカリ電池×4で本体サイズは110×85×23mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約150g。発売は今年の秋から冬で、価格は1万円台前半となる見込み。

 また、同ブースでは9月6日発売のPocket PC 2002搭載PDA「Musea(ミュゼア)」やドコモのPHS網を利用したWake On Ringソリューションの解説が行なわれた。

musea(ミュゼア)


■ P-in memoryを用いたPocket PCのセキュリティソリューション

 東芝ITソリューションのブースでは、NTTドコモのCF Type2用PHSカード「P-in memory」を利用したPocket PC用セキュリティソリューション「Portable ARCACLAVIS Pro」のデモが行なわれていた。

認証画面 解説

 デモは東芝のPocket PC 2002端末「GENIO e」を用いて行なわれた。P-in memoryを差し込み、電源を投入すると、4~8桁の任意のパスワードを入力する画面が立ち上がり、パスワードを入力して初めてPDAが利用できるようになるシステム。

 1度パスワードを入力すれば、通常のPocket PCとして利用可能。P-in側にリモートアクセス用の電話番号やIDなどを暗号化して保存可能で、P-in側の設定を行なっていれば、ユーザーが本体側で複雑な設定を行なうことなく、会社のサーバーなどにリモートアクセスが可能になる。

 本体側にはリモートアクセス用の設定などが一切保存されていないため、盗難時のセキュリティも保持される。また、P-in memory内の暗号フォルダ内に重量なファイルを保存することができるなど、さまざまなセキュリティ機能を搭載している。PDAの盗難や紛失時のデータ漏洩などが重大な課題となる企業向けのソリューションとして注目される。


■ 日立は無線LAN内蔵PDAで、名刺による顧客管理ソフトをデモ

 日立製作所はIEEE 802.11b無線LAN内蔵のWindows CE .NET端末「NPD-10JWL」をデモしていた。製品自体は既に出荷されているが、今回名刺情報を取り込んだ、顧客情報統合ソリューションを参考出展していた。

「NPD-10JWL」を利用したデモ

 スキャンした名刺データを元にOutlookのアドレス帳やスケジュールと連携可能なソフトウェアで、アドレスを名刺で管理できるほか、名前検索や会社検索などが可能。また、他社のサービスと連携し、例えば、会社住所をクリックするとインターネット上の地図サービスにアクセスして地図を表示したり、電車の経路情報などを表示することが可能となる。実用化の時期についてはまだ未定だが、他社のサービスと連携して提供するものとなるので、そうした連携がうまくいけば比較的早い時期に提供できるという。

□関連記事
【2月19日】日立、無線LANを内蔵したPDA「NPD-10JWL」
~XScaleを搭載し、Windows CE .NETを採用
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0219/hitachi.htm


■その他のブース

会場で一番大きかったマイクロソフトブース

 会場自体はあまり大きくなく、出展者も少ないが、会場は混雑していた。マイクロソフトやソニーも発表済みの新製品や参考展示を行なっている。ここではそのほかのブースの模様をお届けする。


最も大きなブースを構えていたマイクロソフトは、各社のPocket PCのほか、Pocket PC Phone Edition搭載端末やSmart Phone端末を参考展示していた ソニーのブースでは28日に発表したばかりのクリエ「PEG SJ-30」を展示していた。電子ブックのPookを前面に打ち出した展示となっている
京セラブースではJavaの高速起動に特化したPDA「Pocket Cosmo」をデモしている。法人向けの出荷は既に始まっているが、会場での注目度は高い ブラザーは、熱転写型のモバイルプリンタ「MW-100」を展示。既に販売開始されているが、法人販売のみとなっている。価格は49,800円
□関連記事
【8月28日】ソニー、小型のPalm OS搭載PDA「クリエ PEG-SJ30」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0828/sony.htm
【7月9日】ブラザー、企業向け薄型モバイルプリンタ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0709/brother.htm
【5月21日】京セラ、Javaの高速実行にフォーカスしたPDA「PocketCosmo」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0521/kyocera.htm

□PDAソリューションフェア 2002のホームページ
http://ric.mediacube.co.jp/

(2002年8月29日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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