SanDisk、プレスミーティングでUSBストレージなどを発表
~5月28日発表の他社PDAにSanDisk製SDコンボカードを提供

5月15日開催



 米SanDiskは15日、都内のホテルでプレスミーティングを開催し、リムーバブルストレージの新製品の発表や、今後の製品展開について説明した。

ネルソン・チャン リテールビジネス上級副社長

 ミーティングでは、同社リテールビジネス上級副社長 兼 ゼネラルマネージャーのネルソン・チャン氏がプレゼンテーションを行ない、同社の新製品などを解説した。

 まず、15日発表の新製品として、USBリムーバブルストレージ「Cruzer」について解説した。Cruzerは、USB接続のアダプタとSDメモリーカードをセットにしたリムーバブルストレージ。日本では6月より発売される。

 搭載メディアの違い(64MB/128MB)で2モデル用意される。価格はオープンプライスで、米国での価格は64MBモデルが74.99ドル、128MBモデルが99.99ドル。

 下半期には256MBメディアモデルも投入される。また、将来的にはファームウェアのアップデートでセキュリティ機能や高速化などの改良も可能になるという。本体サイズは66×44×17mm(幅×奥行き×高さ/コネクタ収納時)、対応OSはWindows 98/Me/2000/XPとMac OS 8.6/9、Mac OS X。

Cruzer

Image Mate Dual Reader

 また、USB接続のカードリーダー「Image Mate Dual Reader」も5月下旬~6月初旬より発売される。スマートメディア-CFリーダ、メモリースティック-CFリーダ、CF-SDリーダの3モデルが用意され、日本ではスマートメディア-CFモデルが発売される。価格はオープンプライスで、米国での店頭予想価格は29.99~34.99ドル。


 その後、同社の今後の事業展開について説明した。東芝との協業によるフラッシュメモリ製造会社フラッシュビジョンは、工場をアメリカから四日市へ移管しており、第3四半期より、0.13μmのフラッシュやNAND/MLCを製造開始する。

 また、産業用コンピュータの大手、台湾AdvantechのフラッシュサプライヤにSandiskが決定したことに言及し、産業用コンピュータの内蔵フラッシュがCFに置きかわりつつあると解説するなど、フラッシュメモリの最近の動向について説明した。

5月28日発売のPDAにSandiskのコンボカードを同梱

 また、CF/SDのデュアルスロットを搭載した富士通のPocket LOOXなどについて言及し、「PDAはメモリ用/アプリケーション用にそれぞれフラッシュカードを搭載するのが現在のトレンド」と解説。さらに大手コンピュータメーカーが5月28日に発表する新型PDAにSanDiskの新しいコンボカードが同梱されるという。この「コンボカード」は、ソフトウェアアプリケーションを書き込んだ領域と、ユーザーが自由に読み書き可能な領域を同一のメモリーカード上に実現したもの。そのSDメモリーカードをSanDiskが提供し、28日に正式に発表するという。


 また、主にデジタルカメラ向けに書き込み速度を高速化したCFカード「Ultra CompactFlash」についても解説し、「米国では、既に出荷しているが、日本でも今年中に投入する。第4四半期(2003年1月)には、全CF出荷数の10%を占めるようにしたい」と目標を語った。SDメモリーカードについては、下半期に256MB、年末~年初には512MBメディアを投入するという。

次世代メモリースティックは高速/大容量化

 同社は、昨年10月からSanDiskブランドでメモリーステックを投入しているが、その売れ行きが好調と解説した後、「フラッシュで協業している東芝やSDで協力している松下だけでなく、ソニーとも良好な関係を築いている」とし、「現世代ではメモリースティック用にソニーにチップを供給し、ソニーからSanDiskブランドのメモリースティックを調達、それを自社ブランドで売っているが、次世代のメモリースティックでは、ソニーと共同で開発し、知的所有権なども保持していく」という。また、次世代のメモリースティックは、ビデオやオーディオなどへの応用のため、高速/大容量化を目ざしているという。

 その後は、調査会社IDCのデータを元にフラッシュカードの市場について説明した。「昨年はフラッシュ、データストレージ業界にとってつらい年だった。IDCの調査では、市場規模が2000年の17億ドルから9.3億ドルに減少し、フラッシュの価格は6~7割下がるなど、厳しい状況だった」と説明。SanDiskはその中でもシェアを伸ばし2000年の31.3%から34%となったという。

 今後のカード別の予測では、SDメモリーカードが大きく伸び、特に携帯電話で3Gの普及の始まる2004年には枚数ベースでCFカードを上回るという。また、メモリースティックも2004年にCFを上回るとし、今後の主力製品をSDとメモリースティックと考えていることを伺わせた。

 同社のビジネスにおいては、OEM向けからリテールに移っており、2000年にはOEM 56%/リテール29%だったものが、2001年にはOEMが34%/リテール54%と逆転し、2002年第1四半期にはOEMは28%、リーテルが63%となったという。

フラッシュカードの種類別世界市場予測 同社のビジネスの推移

 また、同社が主要な市場として考えている分野を「デジタルイメージ」、「コンシューマデバイス」、「スマートハンドヘルド」の3つのセグメントに分けて、解説した。

・デジタルイメージ:主にデジタルカメラ/DVカメラをターゲットにした市場で、求められる容量は64~512MB

・コンシューマデバイス:MP3プレーヤーやGPSなどのハンドヘルドデバイス向け市場。容量は64~256MB

・スマートハンドヘルド:PDAやスマートフォンなどの端末向け。容量は128~512MB

 なお、現在の同社のリテール向けのメディア別売上構成では、CFが過半数を超えており、ついでスマートメディア、SDメモリーカードとなっているという。昨年末より投入したメモリースティックについては具体的な数字はまだ無いが今後大きく伸びる見込み。容量別ではCF/スマートメディア/メモリーステックの売れ筋が128MBとなっており、SDは現在は64MBで128MBに徐々に移行している段階だという。

□SanDiskのホームページ(英文)
http://www.sandisk.com/
□サンディスクのホームページ
http://www.sandisk.co.jp/
□関連記事
【2001年4月19日】SanDisk、プレス向け説明会を開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010419/sandisk.htm
【2001年10月16日】SanDisk、書き込みを高速化した「Ultra CompactFlash Card」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011016/sandisk.htm

(2002年5月15日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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