ソニー、2001年度連結売上高は過去最高の7兆5,783億円
~営業利益は40%減、バイオは堅調、ゲームは「収穫期」に

徳中暉久CFO

4月25日発表



 ソニー株式会社は25日、2001年度の連結決算を発表した。売上高は過去最高の7兆5,783億円となったが、営業利益は40.3%減少し1,346億円に、純利益は8.6%減の153億円になった。

2001年度連結業績

 ソニーグループの中核事業といえるエレクトロニクス部門の売り上げが、主にOEM向けの半導体やコンポーネント事業の大幅減などにより82億円の赤字となったものの、ゲーム分野の売上高が初めて1兆円を超え、1兆37億円となるなど、大きく伸びた。

 エレクトロニクス分野は、売上高が前年比3%減の5兆3,104億円で、営業損失は82億円となった。製造部門別の売上高は、オーディオ部門が前年比1.2%減の7,474億円、ビデオ部門が1.9%増の8,064億円、テレビ部門が6.3%増の7,478億円、情報・通信部門が7.2%減の1兆2,276億円、半導体部門が22.3%減の1,822億円、コンポーネント部門が6.5%減の5,724億円、その他が11.5%減の5,088億円となっており、半導体部門や情報・通信部門の落ち込みが大きい。


2002年連結業績

 バイオなどのPCを含む情報・通信部門は、上期に携帯電話の欠陥/回収など携帯電話事業で大きな損失を出したが、下期に合弁会社「ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ」に事業を移管しており、携帯電話の損失を除いた売上高では、前年比1%増となる。また、アイワを含む構造改革費用850億円なども含まれている。

 「バイオ」や、「クリエ」、デジタルカメラなどの事業は増収で、バイオの売上高は前年比で16.1%の増加となっている。バイオの売上は日/米/欧それぞれの地域で堅調という。

 なお、2001年度のバイオの出荷実績は約350万台で、ノートが約210万台、デスクトップが約140万台と、ノートがデスクトップを上回っている。国内/海外の出荷比率はほぼ半々。来年度については、ノート約250万台、デスクトップ約190万台の合計440万台の出荷を見込んでいる。また、海外向け出荷が国内向けを上回り、6割強が海外向けとなると予測している。

 CCDなどを生産する半導体部門では、市況の悪化などに伴い、売上が減少したほか、コンポーネント部門では、PC向けのCRTなどの各種デバイスの需要が低迷したとしている。

 一方、プレイステーション 2を中心とするゲーム分野は好調で、売上高は前年比51.9%増の1兆37億円に、営業利益は829億円となり、前年度の511億円の赤字から黒字転換した。

 増収の原因としては、PS2本体のコストダウンやソフトウェアの粗利増加などを上げている。ソニーの徳中暉久CFOは、「発表から2年になるが、2001年はプラットフォームとしてのPS2を確立した年」とし、「本体のコストダウンも進み、ソフトも増えている。PS2は収穫期に入った」と述べた。なお、売上に占めるハード/ソフトの割合はハード7割、ソフト3割程度とのことで、2002年度もほぼそのままの構成比を見込んでいるという。

2002年度連結業績見通し

 なお、2002年度の見通しもあわせて発表された。半導体市況の状況や、第2四半期に公開の映画の上映にあわせた巨額のマーケティング費用などから、第1四半期は赤字となる見通しだ。その後は、半導体やコンポーネントの市況も厳しいながらも回復に向かうとしており、通年での売上高は2001年度に比べ6%増加の8兆円、営業利益は2,800億円と予測している。


山本泉二社長

 また、ソニー本体の発表にあわせて、ISPのSo-netを運営しているソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)の山本泉二社長が、同社の決算発表を行なった。

 売上高は前年比4.4%減の331億5100万円(前年はAIBOの売上を含む)で、営業損失は17億700万円(前年度は1億円の黒字)、純損失は21億100万円(前年度4億9,900万円)と前年より大きく損失が拡大した。

 会員数は61万人増の224万人となったが、そのうちADSLなどのブロードバンドユーザーは25万人と10%強程度となっている。山本社長は来年度のブロードバンド会員を50万人以上と予測し、「状況が不確定なので場合によっては100万人に届くかもしれない。最低でも50万人」と説明した。FFTHやブロードバンドコンテンツの開発、IPv6対応研究などの新規ビジネスに約9億円投資し、10月には常時接続を意識した「PostPet バージョン3」をリリースするほか、PS2などのソニー製ハードウェアとの連携も考えていくと説明した。

 来年度については、売上高を20.7%増の400億円、営業損失は約4億円、純損失は約10億円との見通しを明らかにした。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200204/02-0425/
□関連記事
【2001年4月27日】ソニー、2000年度の決算を発表
--PC分野は好調。HiFD生産終了にともなう損失を計上
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010427/sony.htm

(2002年4月25日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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