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上位クラスのCPU採用で薄型ノートの常識を打ち破る!レノボ「ThinkPad X1 Nano Gen 2」
~【2022年お勧めのプレミアムビジネスノートレビュー】
- 提供:
- インテル株式会社
2022年9月22日 06:30
レノボ・ジャパンのThinkPadと言えば人気ビジネスノートPCとして知られる。外資系企業ではあるが、開発拠点として現在は横浜のみなとみらいに移転した大和研究所のほか、米沢で製造される米沢生産モデルなど、ThinkPadに限れば日本との結びつきも強い。
今回紹介するのは「ThinkPad X1 Nano Gen 2」だ。ThinkPadシリーズの中でもプレミアムモバイルに分類される「ThinkPad X1」。その中でも16:10アスペクト比の13型ディスプレイパネルを採用するモデルだ。シリーズ最小でもコンパクトすぎるほどではない。ちょうどよいサイズ感が特徴と言えるだろう。
モビリティ重視ながらディスプレイの見やすさも抜かりなし
まずは本体サイズを紹介するので大きさをイメージしていただきたい。ThinkPad X1 Nano Gen 2は約293.2×208.0×14.4mm(幅×奥行き×高さ)。30cmを切る幅なので小さめのカフェテーブルでも余裕で置けて、14型モバイルノートPCではキツい小さめのカバンにも収めやすい。奥行きも208.0mmというのは、14型のThinkPad X1 Carbon(222.5mm)よりも短いので、この点でも多くのカバンとの相性がよい。
なお、上記のサイズはタッチ非対応モデルのもので、タッチ対応モデルでは約293.2×208.1×14.8mm(同)となる。非対応パネルの方が0.4mm薄い。いずれにせよ15mmを切っており、スリムな製品だ。
このように専有面積が小さいThinkPad X1 Nano Gen 2だが、実際に触れてみると窮屈感を感じない。理由の1つはアスペクト比にある。ThinkPad X1 Nano Gen 2の表示領域は実寸で280×177mmほど。一方、14型のThinkPad X1 Carbon(2017)の表示領域は実寸で310×175mmほど。幅は確かに詰まっているが縦はほぼ同じだ。
もう1つの要因は解像度とスケーリングにあるようだ。ThinkPad X1 Nano Gen 2の解像度は2,160×1,350ドット。フルHDと比べて高解像度なので、100%表示にするとかなり文字が小さくなるため、読める読めないのギリギリのラインだ。デフォルトのスケーリングは150%。さすがに150%では拡大しすぎな印象もあるので、視力などに応じて調整するとよい。
スケーリングの副次的メリットとして、テキストなどの輪郭がシャープになることが挙げられる。エッジがシャープになることで小さなテキストでも判読しやすく、目の疲れも抑えられる。テキストのサイズを大きくするために大画面、低解像度パネルを選ぶという人もいるが、高解像度パネルでスケーリングを使えば、小さな画面でも同様の使用感を得ることができるのだ。
最新の第12世代インテルCoreプロセッサー搭載で高い性能を実現
ThinkPad X1 Nano Gen 2のCPUは最新の第12世代インテルCoreプロセッサーを採用している。しかもスリムモバイルでは一般的に消費電力の低い「U」モデルを用いることがほとんどだが、ThinkPad X1 Nano Gen 2では1つ上の「P」モデルを採用しているのがポイントだ。
ベースパワーで見ればUモデルは9Wで、Pモデルは28W。そして、UモデルではCore i7でもP-cores 2基、E-cores 8基だが、PモデルではP-cores 4基、E-cores 8基と、より多くのコアを搭載している。PモデルのCPUによって、高いマルチスレッド性能を得られることになる。
試用機に搭載されていたのは第12世代インテルCore i5-1250Pだ。ThinkPad X1 Nano Gen 2は直販サイトで購入する際、カスタマイズが可能で、ほかにも第12世代インテルCore i5-1240P、第12世代インテルCore i7-1260P、第12世代インテルCore i7-1270P、第12世代インテルCore i7-1280Pが選べる。
CPU選びでポイントにしたいのは、インテルvProテクノロジーに対応するかどうかだ。よりセキュアなインテルvProテクノロジーに対応するのは第12世代インテルCore i5-1250Pおよび第12世代インテルCore i7-1270P、第12世代インテルCore i7-1280Pの3つ。残り2つのCPUは非対応なので注意したい。
インテルvProテクノロジー対応の構成では、例えば社内にある電源を落とした状態のThinkPad X1 Nano Gen 2に対し、遠隔から電源をオンにし起動させ、リモート操作を行なうことができる。また、管理者がこれを利用すればUEFIの設定やWindows Updateの管理といったこともリモートで行なうことができる。
在宅ワークやハイブリッドワークが重要となる現在、インテルvProプラットフォーム準拠PCは、使う場所を問わず、ユーザー、管理者のどちらにとってもメリットがあり、セキュアに行なえるのが特徴だ。
第12世代インテルCore i5-1250PはP-cores 4基、E-cores 8基、合計すると12コア16スレッドに対応するプロセッサーだ。ターボブースト時の最大クロックは4.4GHz。コア数は同じでもCore i7と比べると若干最大クロックが抑えられているのがCore i5だ。
メモリはLPDDR5-6400を採用しており、試用機では容量16GBを搭載していた。カスタマイズでは32GBのオプションも用意されている。標準の16GBあれば、モバイルでの一般的な用途なら十分。さらに将来的な余裕が欲しい、写真補正や映像編集なども行ないたいという人は32GBを検討してみるのもよいだろう。
ストレージはNVMe対応SSDで、試用機ではPCI Express 4.0 x4接続で容量256GBのSSDを搭載していた。カスタマイズでは512GB、1TBといった容量バリエーションが用意されている。
試用機のOSはWindows 11 Pro。カスタマイズではWindows 10/11 ProおよびWindows 11 Homeが用意されている。Windows 10 Proは11 Proのダウングレード権行使によるもの。当然だが、ハードウェア的にWindows 11へのアップグレードに対応しており、会社の都合でWindows 10 Proを選んだとしても、社内システムの更新状況に合わせてWindows 11 Proにアップグレードするといったシナリオが描ける。
【表】「ThinkPad X1 Nano Gen 2」(試用機)の主な仕様 | |
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プロセッサー | 第12世代インテルCore i5-1250P、P-cores:4コア8スレッド/ブースト時最大4.40GHz、E-cores:8コア/ブースト時最大3.30GHz、合計スレッド数12 |
メモリ | 16GB |
内蔵ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 13型、2,160×1,350ドット、非光沢液晶 |
無線LAN | Wi-Fi 6E |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
キーボード | 日本語88キー、キーボードバックライト |
カメラ | プライバシーシャッター搭載(フルHD) |
生体認証 | 指紋認証センサー |
インターフェイス | Thunderbolt 4(USB4、USB PD対応、DisplayPort Alt-Mode対応)×2、ユニバーサルオーディオジャック×1 |
駆動時間 | 約18.2時間 |
サイズ/重量 | 293.2×208.0×14.4mm(幅×奥行き×高さ)/約966.5g ※タッチ対応モデルは約991.5g |
数こそ少ないが最新のThunderbolt 4を採用
ThinkPadと言えばインターフェイスも充実しているのだが、スリム&コンパクトなThinkPad X1 Nano Gen 2は少し事情が異なる。本製品では、左側面にUSB4(Thunderbolt 4)×2があるほかは、ヘッドフォン&マイクコンボジャックが1つあるのみだ。
USB4は1台でマルチに利用できるインターフェイスだ。外部機器の接続やデータ転送について、Type-A機器を接続する場合には変換アダプタが別途必要になるが、USBとしてUSB 2.0~USB4までのさまざまなUSB機器と接続し利用できる。USB Power Deliveryにも対応しており、充電ポートとして利用できる。DisplayPort Alt-Modeにも対応し、外部ディスプレイ接続にも利用できる。
2ポートが同時接続数として少なく感じる際は、別途ハブやドックを用意して対応したい。
無線LANコントローラはIntel Wi-Fi 6E AX211。Wi-Fi 6Eの高速無線LANおよびBluetooth 5.2に対応している。インテルvProテクノロジーではCPUだけでなく、ネットワーク系も対応している必要がある。もちろん、Intel Wi-Fi 6E AX211はこれを満たすWi-Fiチップだ。
カスタマイズではWWANオプションも用意されている。Qualcomm Snapdragon X55 5G Sub6 Modem-RF Systemは、5Gモデムでミリ波にも対応。SIMカードを挿せば外出先でもWi-Fiスポットに頼ることなく、どこでもインターネットに接続できる。
キーボードはThinkPadらしい6列レイアウト。Enterおよびその左隣を中心に一部のキーで幅が狭くなっているが、配列はほかのThinkPadと同じ。日本語88キーで、主要なキーの配置は標準なキーボードに近い。
ThinkPad独特と言えるところを紹介すると、入力しやすい点では一列下げた十字キー、慣れが必要な点を挙げれば右Altと右Ctrlの間に置かれたPrtSc、一般的なノートPCとは逆並びになる左CtrlとFnキーだ。左CtrlとFnキーの並びについては、UEFI設定から入れ換えが可能だ。カスタマイズでは英語配列キーボードを選ぶこともできる。
主要なキーピッチは19mm弱。ThinkPad X1 Carbon(2017)と比べると、わずかに狭いように見える。キーストロークは昔のThinkPadから比べれば浅くなったが、反発力などにこだわっており、打鍵感についてはスリムモバイルノートPCの中でもトップクラスと言ってよい。キーキャップ自体も薄くなっているが、中央をわずかにくぼませ、下側に丸みをもたせた形状も受け継いでいる。一度ThinkPadのキーボードに触れると、なかなかほかのブランドに乗り換えできなくなるのはこうしたところにある。
また、キーボードの中央、「G」、「H」、「B」に挟まれるところにある赤いポインティングスティック「トラックポイント」と、スペースとタッチパッドの間にある左右クリックおよびセンターボタンはThinkPadのもっとも有名な仕様だ。これらの組み合わせでカーソル操作やクリック操作、センターボタンと組み合わせればスクロールや拡大/縮小ができるため、キーボード操作からカーソルそのほかの操作において、最小限の指の動作でシームレスに実行できる。
タッチパッドも搭載しているので、一般的なノートPCに慣れた方でもそちらを使えば問題ないが、ThinkPadを購入したなら一度はチャレンジしてほしい機能と言える。
Webカメラに手動プライバシーシャッターをほかに先駆けて搭載したのはThinkPadだったと記憶している。ThinkPad X1 Nano Gen 2も上部ベゼル内にWebカメラを搭載しており、手動のプライバシーシャッターが利用できる。センサーはフルHD解像度で、Lenovo Viewというアプリのビデオ・エンハンサー機能で、明るさや強度、色味などを調節できる。
音声についてはDolby製アプリのノイズ抑制機能が利用できる。発話者、参加者それぞれのノイズの抑制や、PCの前にいる使用者の声にフォーカスしてほかの音声を抑制するプライバシーモードなどの機能が利用可能だ。
ACアダプタはUSB PD対応のものが付属する。出力は65Wだ。
前世代から着実に強化されたベンチマーク性能
それではこうしたスペック、機能を備えたThinkPad X1 Nano Gen 2のパフォーマンスを紹介しよう。今回利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.1.2556」、「3DMark Professional Edition v2.22.7359」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。結果は下にまとめた通りだ。
一部、比較対象にはThinkPad X1 Nanoの前世代モデル(Core i5-1140G7搭載)の結果を引用した。PCMark 10ではすべての項目で前世代モデルを上回っている。アプリケーションテストなのでCPU性能の向上だけでなく、メモリの性能向上や、CrystalDiskMarkの通り、ストレージ性能も向上しており、トータルでより高性能になったと推測できる。また、3DMarkのFire Strikeで向上が見られた。Wild Lifeはスコアが飽和しがちなテストなのでベンチマーク誤差と思われる。
続いてバッテリ駆動時間。ThinkPad X1 Nano Gen 2は3セル49.6Whのバッテリを搭載しており、JEITA2.0測定法では18.2時間駆動とされる。ここではWindowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%、無線LANをオンに設定し、充電容量95%からPCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測した。結果は9時間7分を記録した。
JEITA2.0が動画再生を行なうのに対し、PCMark 10のModern OfficeシナリオはLibre Officeなどオープンソースのアプリケーションを利用したビジネスシーンを想定するシナリオを繰り返すテストだ。適度なアイドルタイムもあり、実際の利用に近い。この9時間強という結果からすれば、7~8時間想定の一般的なビジネスモバイルの用途では丸1日カバーできると言えるだろう。
また、導入されている「Lenovo Commercial Vantage」ユーティリティにより、最大まで充電しないことでバッテリ寿命を延ばす「スマート充電」、PCを使う/使わない時間のスケジュールを設定することでバッテリ消費を最適化する「スマート・スタンバイ」といった設定も行なえる。
インテルvProテクノロジーを始めとしたビジネスに必須なセキュリティ機能
本製品は、インテルvProテクノロジーを始め、Intel Total Memory Encryption、Microsoft Device GuardといったチップメーカーやOSメーカーのセキュリティ機能にも対応している。それに加え、独自のセキュリティ機能「ThinkShield」も搭載。
UEFI設定には「Bottom Cover Tamper Detection」といったレノボ独自の機能もある。Bottom Cover Tamper Detectionは筐体の裏蓋の開閉を検知できるものだ。開閉を検知した際はシステムブート時にスーパーバイザーパスワードの入力を要求するといったもので、仮に第三者がPC内部にアクセスし、悪意あるハードウェアを仕込むといった行為も検知することができる。