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不要バッテリ処分で新品をお得にゲット!CIOの回収サービス体験記。ただし手順に「罠」あり?
2025年12月18日 06:03
処分方法が分かりにくいと言われるモバイルバッテリにおいて、自治体による回収や、家電量販店の回収ボックスへの投入という手段によらず、自前で回収サービスを提供しているメーカーはいくつかある。
中でも有名なのは、CIOが提供している「モバイルバッテリー回収サービス」だろう。これは同社が2023年から行なっているもので、不要になったモバイルバッテリを郵送で回収してくれるというもの。対象となるモバイルバッテリは同社製に加えて他社製にも対応、さらに同社製品の購入に使える割引クーポンまでもらえるという太っ腹ぶりだ。
今回はその試用レポートをお届けするわけだが、実際に試してみると「思っていたのとちょっと違った」というのが率直な感想だ。サービスがよい、悪いというのではなく、筆者がサービス内容を少々誤解していたのが原因なのだが、同じような人も多いと思われるので、何がどう違っていたのか、具体的な流れとともに紹介する。
自社他社を問わず回収可能、さらに割引クーポンももらえる
同社のモバイルバッテリー回収サービスでは、不要になったモバイルバッテリを同社に郵送することで無料で回収してもらえ、さらに同社製品をAmazonで購入する時に使える割引クーポンが提供されるというものだ。回収対象が同社製のモバイルバッテリの場合、1個で10%、2個で13%、3個以上で15%オフと、そこそこの割引率だ。
このモバイルバッテリの回収は他社製の場合も対応しているが、その場合のクーポンの割引率は個数にかかわらず5%オフと、自社製とはかなりの差がある。もっともこれは「他社製品は割引率が低い」というよりも「これまで自社製品を使ってくれていたユーザーにはより割引率を高くしている」とみるのが正解だろう。
そもそも他社の回収サービスでは、送料はユーザー持ちの場合もあるので、送料の負担は不要、かつ割引クーポンまでもらえるとなれば、文句があろうはずもない。実に太っ腹なサービスだ。
さて回収のフローについてだが、回収対象のモバイルバッテリが同社製品の場合と、他社製品の場合とで異なっている。ざっくりと概要を紹介する。
まず回収対象が同社製品の場合は、同社サイトのマイページにログインし、回収を申し込むモバイルバッテリのモデル名を指定して申請する。確認メールが送られてくるので、回収用封筒の到着希望日を返信すると、その時点で割引クーポンコードがメールで送られてくる。
あとは封筒が届き次第モバイルバッテリを返送しつつ、任意のタイミングで割引クーポンコードを用いてAmazonで同社製品を購入すればよい。つまりモバイルバッテリを必ず新規に購入する必要はなく、回収だけでも構わない。その場合は割引クーポンコードを使う権利を放棄したというだけの話だ。
一方、回収対象が他社製品の場合は、同じくマイページにログインし、回収を申し込むモバイルバッテリの数量(モデル名ではない)を指定して申請する。この時点で割引クーポンコードがメールで送られてくるので、Amazonで製品を選んで購入。この時に発行される注文番号を用いて本申し込みを行なうと、同社から回収用封筒が送られてくるので、モバイルバッテリを封入して返送するという流れになる。
つまり他社製品の場合、割引クーポンを用いた同社モバイルバッテリの購入が先にあり、それによって回収用封筒が受け取れるという、購入ありきのスキームになっている。自社製モバイルバッテリの場合のように、ひとまず回収だけしてもらい、もらった割引クーポンを実際に使うかどうかは後日考える、ということはできない。これはこのサービスを、単なる他社モバイルバッテリの無料回収に使われないための工夫だろう。
Makuakeの「バッテリー回収割」を試してみた
さてこの回収サービスではもう1つ、回収と併せてMakuakeで同社製品を応援購入する「バッテリー回収割」という選択肢もある。こちらもやはり一定の割引が受けられる上、回収対象のモバイルバッテリは自社製と他社製のどちらにも対応しているとあって、今回はこちらを試してみることにした。結論からいうとこれがなかなかの曲者だったので、以下に手順をざっと紹介する。
まずは同社サイトでマイページにログイン。他社モバイルバッテリの回収サービスを選択し、数量を指定して申請する。ここで送られてくる受付完了メールには、このあとの手順で用いるクーポンコード、および本申請のためのURLが記載されている。つまりこの時点ではまだ仮申請に過ぎない。
続いてMakuakeにアクセスし、応援購入が行なわれている同社製品を選択する。ここで気をつけたいのは、複数あるリターンの中から「MB回収割」と書かれたリターンを選択することだ。クラウドファンディングに慣れている人ほど、上位にあるリターンほどお得だとして反射的に選択してしまいがちだが、それだと今回のモバイルバッテリ回収とひもづけられない場合があるので注意したい。
リターンを選択したら色、配送先、支払い方法などを入力して申し込むのだが、この時に同社から受領した受付完了メールに記載されているクーポンコードを入力することで、事前の申込内容と紐づけられる。うっかり「MB回収割」でないリターンを選択していた場合は、ここでクーポンコードの入力欄が見つけられず詰むことになる。理由にピンと来て申し込みをやり直す人もいるだろうが、離脱してしまっている人は少なからずいそうだ。
Makuakeでの申し込みが終わったらこれにて完了……と言いたいところだが、1つ前の手順で同社から届いた仮申請完了のメールを開き、記載されている「本申請URL」をクリックして再び同社サイトにアクセス。Makuakeから届く応援購入決済完了のメールに書かれている「ご注文番号」を入力して申し込む。これでようやく手続きは完了、あとは製品が届くのを待つばかりとなる。
つまり流れとしてはCIOサイト(仮申請)→Makuake→CIOサイト(本申請)と行ったり来たりになり、正直かなりややこしい。説明はきちんと書かれているのだが、筆者のように説明をナナメ読みした段階でまずやってみて不明な場合だけ読み返すタイプだと、一部の工程を飛ばしたことに気づかない可能性もある。自己責任と言えばその通りだが、ミスを起こしやすいタイプのフローと言える。
なおモバイルバッテリ返送用の封筒は製品と同時に届くので、申込完了直後の時点では何もできない。Makuakeで応援購入した製品のスケジュールによっては長期間待たされることになるが、先に回収対象のモバイルバッテリを返送することはできず、ひたすら到着を待つしかない。
発送フローは至って簡単。ただし「到着待ち」の期間に注意
と、本記事のここまでの部分は8月までにほぼ書き終えたものだが、これ以降は12月に入って執筆したものだ。というのもMakuakeで申し込んだ応援購入の製品が遅れに遅れ、12月上旬まで到着しなかったからだ。編集部には原稿の納品予定日から大幅に遅れて迷惑をかけ、さらに本稿を読んだ読者諸兄からは「いやクラウドファンディングはそういうもんだろ」と突っ込まれるのは確実で、筆者としては踏んだり蹴ったりである。
このあたり筆者的には「モバイルバッテリ回収は独立したサービスなのだから製品が遅延したなら回収用封筒だけ先に発送してくれてもいいんじゃないの」と思わなくもないのだが(Makuakeのシステムを使っている以上、回収だけ済ませてユーザーが購入をキャンセルするおそれはないからだ)、それが行なわれないのは、この回収サービスが実質的には製品の販売促進の一環として運用されているからだろう。
まあそれはともかく、処分予定の不要なモバイルバッテリを目の前に積んだまま、当初よりも長い期間待たされるのは、正直なところ少々ストレスだった。不要になったモバイルバッテリを1日でも早く手放したい人は、Makuakeを組み合わせたプランは回避し、Amazonを組み合わせた通常のプランを利用したほうがよいかもしれない。
ちなみに実際のモバイルバッテリ回収の手順は、届いた製品に同梱されている回収用封筒にモバイルバッテリを入れて封をし、注文IDを記入して返送するだけ。住所氏名すら記入不要で、これ以上シンプルにするのは難しいだろうと思えるほど簡単だ。気になる点があるとすれば、回収用封筒があまり大きくなく、モバイルバッテリが入り切らなかった場合の対処法が明示されていないことくらいだろうか。
便利かどうかはコース次第。メリットデメリットを把握して使いたい
以上のように、不要なモバイルバッテリを無料で引き取ってくれるサービスとしてはなかなか優秀だが、「モバイルバッテリー回収サービス」という名前から多くの人が想像するであろうシンプルな手順ではなく、選んだコースによってはフローがかなり複雑になることは知っておきたい。
実際のところ今回の試用時も、途中でいつのまにか意図しないルートに逸れていて、いちからやり直したケースがあったほどだ。説明を熟読しないとミスを犯しがちな要因がいくつもあり、おそらく同社から見えないところでうまくいかず途中離脱してしまっている人も多いのではないかというのが、実際に使ってみた感想だ。
モバイルバッテリの処分方法は昨今選択肢も増え、何を優先するかによって最適解は異なっている。今回紹介した同社のサービスは、自ら回収場所に持参しなくて済むこと、送料や手数料が無料であること、新規購入時に割引になるのがメリットで、(コースにもよるが)フローの複雑さ、回収までの日数がかかるのがデメリットだろうか。実際にモバイルバッテリを処分する場合に、本稿を参考にしてもらえると幸いだ。




































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