特集
デザイン刷新とさらなるAI統合がもたらす使い勝手を「macOS Tahoe 26」ベータ版でチェック
2025年8月19日 06:00
Appleは今秋、Mac用最新OS「macOS Tahoe 26」の提供を開始する。対象となるのはAppleシリコン搭載Macと、「MacBook Pro (16-inch, 2019)」などのインテルプロセッサー搭載一部モデル。インテルプロセッサーをサポートするのは「macOS Tahoe 26」が最後のOSとなる予定だ。
「macOS Tahoe 26」は新デザイン「Liquid Glass」、Apple Intelligenceの機能拡張、電話アプリ追加やライブアクティビティによる連係強化、「史上最大のアップデート」と謳うSpotlightへの新機能追加……などが実施されている。
記事執筆時点でデベロッパベータ版とパブリックベータ版が提供されており、後者では誰でも「macOS Tahoe 26」の新機能を試せる。とは言え、メインマシンにベータ版をインストールするのをためらう方が多いことだろう。
そこで今回は、Appleより許可を得て、記事執筆時点のパブリックベータ版をもとに「macOS Tahoe 26」のレビューをお届けする。正式リリースの際には細かなデザイン、動作が変わっている可能性があるが、導入前の予習としていただければ幸いだ。
見た目だけでなく実用性にも寄与する新デザイン「Liquid Glass」
「macOS Tahoe 26」のデザインにおける最大の特徴が「Liquid Glass」。公式サイトでは「コンテンツがリアルタイムで屈折したり反射する」と記載されており、Dock、サイドバー、ツールバーなどがガラス板のように透けており、うしろにある壁紙やウインドーがうっすらと見える。完全な透明ではなく、イメージ的には透明度が高い磨りガラスのようだ。
奥行きを感じさせるデザイン上のアクセントとしてだけではなく、奥にウインドーが存在する場合には、デスクトップ上になにがあるのかを把握するのにも役立つ。サードパーティアプリが「Liquid Glass」に対応すれば、さらに見通しのいいデスクトップが実現する可能性がある。
「macOS Tahoe 26」発表時には「Windows Vista」の「Windows Aero」に似ていると指摘する声もあったが、処理性能が向上した現代のPCであれば、実用性を高める方向へさらに進化させられるだろう。「Liquid Glass」がより広い範囲で活用されることを期待したい。
「Liquid Glass」採用と合わせて、カスタマイズ性も向上。「アイコンとウィジェットのスタイル」に「デフォルト」「ダーク」「クリア」「色合い調整」の項目が用意され、デスクトップを自分の思いどおりにカスタマイズできる。また、OS標準の機能として、フォルダーに任意の記号や絵文字を追加可能となった。凝り出すとキリがないが、フォルダーのカスタマイズは楽しそうだ。
スマホライクに操作できるコントロールセンターには、前述の通り「Liquid Glass」が採り入れられており、展開していても下のウインドーや壁紙が透けて見える。もっと多くのコントロールを登録したとしても、デスクトップがより広く感じられるようになっている。
コントロールセンターには他社製アプリを含めて追加でき、配置やサイズもカスタマイズ可能。頻繁に使用するコントロールをメニューバーにも追加できる。
コントロールをたくさん登録しすぎると一覧性が悪くなるが、頻繁に使うものを厳選して配置すれば、素早く実行、オンオフできる。デフォルトのまま使うのはもったいないので、ぜひ試行錯誤して最適な構成を追求してほしい。
より多くのアプリに組み込まれた「Apple Intelligence」
「macOS Tahoe 26」のもう1つの大きな進化が、Apple Intelligenceがより多くのアプリに組み込まれたこと。さらなる統合がさまざまな作業を快適に、効率化してくれる。
代表的な例として挙げられるのが「ライブ翻訳」。「メッセージ」アプリを例に挙げると、他言語のチャットを受信すると「このチャットを自動翻訳しますか?」というメッセージが表示され、そこで「●●から翻訳」をクリックすれば、以降は原文と日本語訳が同時に表示される。もちろんこちらのチャットも相手の言語に翻訳されて送信される。
今回は試せなかったが、「FaceTime」では相手の声を聞きながら「ライブキャプション」によって字幕を表示可能だ。相手も「macOS Tahoe 26」を使っていれば、同様に「ライブキャプション」を利用できる。言語を越えた双方向コミュニケーションが可能となるわけだ。
さまざまな処理を自動化できる「ショートカット」アプリは、多くのMacユーザーにとってなくてはならない機能となっている。キーボードショートカットからだけでなく、Siriからも実行できるので、本当に重宝する機能だ。
「macOS Tahoe 26」では「ショートカット」アプリに、Apple Intelligenceを組み込めるようになった。さらにここでは「プライベートクラウドコンピューティング」「オンデバイス」「拡張(ChatGPT)」のいずれで処理するかも選択できる。
「ショートカット」アプリのルーチンに生成AIが組み込めるようになったことで、さらにパーソナルかつ具体的な情報を出力できるようになったわけだ。
「Image Playground」はオリジナル画像を生成するためのアプリ。「提案」に表示されている「追加プロンプト」を指定するだけで見栄えのいい画像を手軽に作成できるというメリットがある一方、思いどおりの画像を生成できないという弱点があった。
しかし、今回「Image Playground」に「ChatGPTスタイル」が追加されたことにより、さらにバリエーション豊かな画像を生成できるようになった。
ただしデフォルトの「アニメ」「イラスト」「スケッチ」は10秒前後で画像を生成できるが、「ChatGPTスタイル」では生成に1分前後の時間を要した。デフォルトスタイルの生成画像に満足できないときに、「ChatGPTスタイル」を利用するという使い方がよさそうだ。
オリジナル絵文字を生成できる「ジェン文字」では、既存の絵文字や説明から作成開始したり、「髪型」「ヒゲ」「メガネ」などの個人的属性を変更、追加可能となった。生成時間が早いのでこちらでは「ChatGPT」は使われていないようだが、細かく要素を指定した「ジェン文字」を生成可能になったわけだ。iOS端末以外を使っている人に送ると結構驚かれるので、ぜひ活用してみてほしい。
Mac、iPhoneなどApple製デバイス間での連携機能がさらに強化
Apple製でデバイスを揃える最大のメリットが連携機能。「macOS Tahoe 26」はデバイス間の連携がさらに強化されている。個人的に楽しみにしていたのが「ライブアクティビティ」。たとえばUber Eatsで注文すると、iPhoneのライブアクティビティがMacのメニューバーにも表示され、それをクリックするとiPhoneミラーリングでアプリが開き、より詳しい情報を確認できるという機能だ。ただ、記事執筆時点ではまだ利用できなかった。
OS側では実装されているが、アプリ側(今回の場合、「Uber Eats」アプリ)が対応していなかった可能性もある。メニューバーに情報やコントロールが集約されれば、通知などを見逃す心配が少なくなる。正式リリースの際には、ぜひ多くのアプリ、サービスがライブアクティビティに対応することを期待したい。
連携という点では、Mac用に「電話」アプリが新しく追加されたこともトピック。大画面で履歴、連絡先、留守番電話などにアクセスできるのはもちろんのこと、未知の電話番号からの着信時に名前と用件を確認する「着信スクリーニング」、サポートセンターへ問い合わせした際にオペレーターにつながったことを知らせる「保留アシスト」などの機能も利用できる。
「着信スクリーニング」と「保留アシスト」をMacで利用できれば、わざわざiPhoneの画面を確認したり、保留音を聞き続けなくて済む。とは言え「ナビダイヤル」の通話料がえんえんと発生する事態は避けたい。「保留アシスト」利用の際には注意してほしい。
「検索機能」だけにとどまらないツールへと進化した「Spotlight」
Mac標準の検索機能「Spotlight」は、もはや「検索機能」だけにとどまらないツールへと進化している。たとえば「Spotlight」に、「メッセージ」と入力すると「メッセージを送信」というアクションがサジェスト(提案)されるので、その後、「メッセージ内容」と「宛先」を入力すれば、アプリを起動することなくキーボード操作だけで素早くメッセージを送信できる。
もちろんメッセージ以外にも、Eメールの送信、メモの作成、ポッドキャストの再生などさまざまなアクションを「Spotlight」から直接実行可能だ。
GUI(Graphical User Interface)はユーザーの熟練度を問わず利用できる環境だが、キーボードに習熟した方にはまどろっこしく感じることもある。「Command+Space」で素早く「Spotlight」を起動し、キーボードから手を離さずアクションを実行できるのは非常に便利。古くからのコンピュータユーザーは懐かしく、楽しく感じるかもしれない。
「アプリ」ランチャーは慣れが必要、「Apple Games」はゲーム数増加に期待
個人的に慣れが必要だと感じたのが「アプリ」ランチャー。iPhone用アプリも含めてアイコンを表示し、実行すれば「iPhoneミラーリング」でシームレスに利用できるのは便利だ。ちゃんと、iPhoneアプリを表示しないという設定も用意されている。ただ起動時には20個(5×4)のアプリしか表示されず、ウインドーは上下にしか拡大できない。また再度「アプリ」ランチャーを起動した際には、再び20個(5×4)表示に戻ってしまう。
「Finder」から「アプリケーション」フォルダーを開けば一覧表示できるが、Macに慣れていない方がその方法にたどり着くのは少々難しいように思う。一覧性を重視するなら、「アプリケーション」フォルダーをDockに登録することをお勧めする。
「Apple Games」はゲーム用のポータルアプリ。ゲーム中にシステム設定を調整したり、友人をゲームに招待できる「ゲームオーバーレイ」も提供される。「ゲームオーバーレイ」で音量、輝度、コントローラ、動作モードを集中して変更できるのは便利そうだ。
「サイバーパンク2077アルティメット」はすでに販売開始され、「Architect: Land of Exiles」「Cronos: The New Dawn」「EVE Frontier」「HITMAN World of Assassination」「InZOI」「Lies of P: Overture」「Where Winds Meet」「紅の砂漠」などのリリースを控えているとのこと。Mac用ゲームのタイトルがもっと充実することにも期待したい。
従来ユーザーには戸惑う変化もあるが、日々の作業を快適かつ効率的にする順当な進化
「macOS Tahoe 26」は、デザインと実用性の両面で進化を遂げている。新デザイン「Liquid Glass」は、視覚的な美しさだけでなく、デスクトップを広く感じさせ、複数のウインドーを把握しやすくする実用的なデザインだ。
また、Apple Intelligenceはライブ翻訳や画像生成などにおいて、より多くのアプリに統合された。さらに、iPhoneとの連携強化、Mac用「電話」アプリの追加、Spotlightの多機能化など、ユーザー体験を向上させる多くの新機能が搭載されている。
従来からのユーザーには戸惑う変化もあるが、日々の作業をより快適かつ効率的にする順当な進化と言える。新バージョン提供開始時には不具合が残っていたり、常用アプリが動かなくなる可能性もあるため、決して急ぐ必要はない。しかし、動向を見極めつつ、前向きにアップデートを検討することをお勧めする。








































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