特集
メモリ16GBの10万円切りモバイルノート5選。将来性○なAI対応機もある
2024年11月28日 06:21
物価上昇が続き、PCも価格が上がっている中で、ノートPCを新調しようと思っても予算が厳しいという場面は少なくなさそうだ。本稿ではそんな状況において、十分な性能を持ちつつ10万円を切るお手頃なノートPCをピックアップして紹介したい。
製品選択にあたっては、販売価格が10万円を切りつつも、なるべく新しくて必要十分な処理能力を備えるCPUを搭載するとともに、メモリを16GB以上、内蔵ストレージを最低256GB以上搭載することを条件として設定した。
ちなみに、最新のノートPCでは、AI処理に特化したプロセッサ「NPU」による高度なAI機能を備える「AI PC」と呼ばれる製品が注目を集めている。現状は10万円台後半以降と比較的高価な製品が中心だ。ただし、NPU対応アプリやサービスはまだ限られており、AI処理はNPUがなくても行なえるものが少なくない。予算に余裕があるならAI PCを選択してもいいが、しばらくはNPUなしでも大きな支障なく利用できるはずで、現時点ではあまり気にする必要はないだろう。
そういった条件を踏まえて製品を選別してみたところ、結構多くの製品が見つかったので、その中から厳選した5製品を紹介する。
今回は見つかった製品の中から、14型ディスプレイを搭載し、据え置き利用からモバイル利用まで柔軟に対応できる製品をピックアップしている。いずれも軽快に持ち運べるサイズ、重量となっているため、特に毎日持ち歩けるPCを探しているビジネスマンや学生に、購入の参考にしてもらいたい。
なお、掲載している価格は11月27日時点のもので、この価格で購入できるとは限らないという点はご了承いただきたい。
NPU搭載のRyzen 8040採用でAIもイケる
デル「Inspiron 14 AMD」
デルのメインストリームノートPC「Inspiron」シリーズの14型モデル。CPUにAI処理に特化した「NPU」を内蔵するAMDの「Ryzen 8040」シリーズを採用する点が大きな特徴だ。
Ryzen 8040シリーズ内蔵NPUの処理能力は16TOPSのため、Microsoftが定めるAI PC「Copliot+ PC」の基準は満たしていない。それでも、「Windows Studios Effects」の画像処理にNPUを活用できるだけでなく、今後NPUを活用するアプリが続々登場予定で、活躍の場面も増えると考えられる。AI処理に興味があるなら、10万円切りの低価格PCながらこの点は魅力となるはずだ。
搭載CPUは、「Ryzen 5 8540U」と、上位の「Ryzen 7 8840U」のいずれかを選択できる。Ryzen 5 8540U選択時には、メモリが16GB、内蔵ストレージが容量512GBのPCIe SSDとなり、価格は7万4,980円。Ryzen 7 8840U選択時には、メモリが16GB、内蔵ストレージが容量1TBのPCIe SSDとなり、価格は8万7,980円となる。予算に余裕があるなら上位CPU搭載がおすすめだ。
ディスプレイは、1,920×1,200ドット表示対応の14型液晶を採用。一般的なフルHDよりも縦の情報量が多く、より快適な作業が可能。無線LANはWi-Fi 6準拠で、WebカメラはHD画質。生体認証機能非搭載だが、SDカードスロットをはじめ豊富な拡張ポートを備える点は利便性を高めてくれる。
重量は1.61kg(最小)と少々重いが、ボディは米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する優れた堅牢性を備えている。ストリーミング動画視聴時の駆動時間も最長14時間37分と長く、モバイル用途にも申し分なく活用可能だ。
内蔵GPUも強いRyzen採用ノート
HP「HP 14-em0005AU スタンダードプラスモデル」
HPのメインストリームノートPCの中で、AMD Ryzenシリーズ採用の高コスパモデル。さらに安価なモデルも存在するが、メモリ搭載容量が16GBの場合は今回取り上げるモデルが最も安価だ。
搭載CPUは、AMDのRyzen 5 7530U。2世代前のCPUを搭載している形だが、ビジネスマンや学生が利用するPCとしては現在でも全く不満のないパフォーマンスを発揮する。また、Ryzenシリーズということで、内蔵グラフィックスの描画性能が優れる点も魅力で、カジュアルゲームなども問題なく楽しめる。メモリは16GB搭載、内蔵ストレージは容量512GBのPCIe SSDを搭載する。
ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)表示の14型IPS液晶。広視野角で発色性能に優れ、非光沢パネルのため写りこみも少ない。クラブ活動などで複数人で画面を見るといったシーンでも快適だ。標準でBluetoothマウスが付属する点も、作業効率を高められるという点でありがたい。
無線LANはWi-Fi 6準拠。WebカメラはHD解像度だが、プライバシーシャッターを搭載するため不意な写り込みを防げる。また、指紋センサーを標準搭載しており、ワンタッチでWindowsにログインできる利便性とセキュリティ性を両立できる点は大きな魅力だ。ポート類も、USB Type-Cをはじめ比較的豊富に用意。ただ、USB Type-CがUSB PD/DisplayPort Alt Modeに対応しない点はコストダウンの影響だろう。
ボディはスタイリッシュかつ約1.39kg、17.9mmの薄型軽量で、持ち運びも軽快だ。しかも最大11時間の長時間駆動が可能なため、電源を取れない場所での利用も安心だ。
堅牢性テストをクリアしたボディで持ち運びも安心
レノボ「IdeaPad Slim 3i Gen 9」
レノボのメインストリームノートPC「IdeaPad」シリーズの中で、薄型軽量ボディの携帯性を重視したモデル。販売価格は10万円を大きく下回り、8万円も切る7万7,000円だ。
基本スペックは、CPUがCore 5 120Uにメモリが16GB、内蔵ストレージが512GBのPCIe 4.0 SSDと申し分ない。また、ディスプレイはフルHD表示ではあるが14型と大きく、13型クラスのディスプレイと比べても文字の視認性に優れ、作業効率を高められる。
このほか、フルHD Webカメラにはプライバシーシャッターを搭載するとともに、電源ボタン一体型の指紋センサーも搭載しており、セキュリティ性も十分。マイクで拾った音声からノイズなどを除去するAIノイズキャンセリング機能も用意しており、Web会議も安心だ。比較的豊富な拡張ポートを搭載し、近年搭載が少ないSDカードスロットを備える点は、一眼カメラなどで撮影する機会が多いという人にうれしい部分だろう。
細かな仕様を見ると、無線LANが2.4GHz/5GHz帯域のみ対応のWi-Fi 6対応、USB Type-CがUSB 3.2 Gen 1対応にとどまるなど、コストダウンの影響も一部に見られるが、全体的には非常によくまとまった製品となっている。
そのうえで、17.8mmとなかなかの薄さと、約1.37kgの軽さを実現するボディは、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」準拠のテストをクリアした優れた堅牢性を兼ね備えている。ボディの外観がスタイリッシュな点と合わせ、軽快かつ安心して持ち歩けるはずだ。
シンプルデザインで使いやすく、Wi-Fi 6Eや有線LANも搭載
ドスパラ「THIRDWAVE F-14RP5 メモリ16GB搭載」
携帯性を重視した、メインストリームノートPC。14型液晶搭載ではあるが、13型クラスと同等のコンパクトボディと、約1.3kgの軽さを実現。また、天板はメーカーロゴのないシンプルなデザインも、毎日PCを持ち歩くビジネスマンや学生にとって魅力的だ。
CPUは現行から2世代前となるIntelの第13世代Core CPU「Core i5-1335U」を採用。CPU/は高性能なP/を2つ、電力効率に優れる高効率なE/を8つ内蔵し、優れたパフォーマンスと省電力性を両立。メモリは16GB、内蔵ストレージは容量500GBのPCIe SSDを搭載するので、性能面での不安はないだろう。
ディスプレイはフルHD表示対応の14型液晶。この液晶は180度水平になるまで開けるため、対面プレゼンや大人数で画面を見る場合に便利。何より、無理にディスプレイを開こうとして破損させる危険性が少ない点もありがたい。また、HDMIとDisplayPort対応USB Type-Cを利用して本体を加えた最大3画面のマルチディスプレイ表示も可能だ。
無線LANは、6GHz帯域に対応するWi-Fi 6Eに対応するとともに、Gigabit Ethernetも標準で搭載。6GHz帯域による安定して高速な無線LAN通信に加えて、有線での確実なデータ通信も可能な点は、特にビジネスシーンで大きな利点となるはずだ。
Webカメラはプライバシーシャッターを備えるHDカメラを搭載。ポート類は、USB PD/DisplayPort対応のUSB Type-CやmicroSDカードスロットなど豊富に搭載する点もありがたい。
このほか、過失による物理故障にも対応する追加保証「セーフティサービス」を用意。有償サービスのため追加料金は必要だが、落下などで破損した場合でも保証してもらえるため、特に持ち出す頻度が多いということならこちらへの加入も考えるとよいだろう。
豊富なインターフェイスで利便性が高い
マウスコンピューター「mouse A4-A5U01SR-B」
CPUにAMD Ryzenシリーズを採用する、コストパフォーマンス重視のモバイルノートPC。ボディは、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠する8種類の堅牢性試験をクリアし、高い耐久性を備えている。それでいて重量は約1.34kgと十分な軽さも実現。安心かつ軽快に持ち運びが可能なので、毎日PCを持ち歩くという人にとって大きな魅力だ。
搭載CPUのRyzen 5 7430Uは、6コア/12スレッド処理に対応しており、このクラスのPCとして申し分ないパフォーマンスを発揮する。メモリも16GBと十分な容量を搭載しているため、アプリ利用時にメモリ不足で動作が遅くなる心配もほぼない。内蔵グラフィックスの優れた描画能力と合わせて、Officeアプリの利用はもちろん、写真編集や動画視聴、カジュアルゲームのプレイなど、幅広い用途を快適にこなせるはずだ。内蔵ストレージは、容量256GBのPCIe SSDを搭載する。
ディスプレイは180度開閉するフルHD表示対応の14型液晶。HDMIとUSB Type-Cを利用し、内蔵ディスプレイと合わせて3画面のマルチディスプレイ表示が可能な点も、大きく利便性を高めてくれる。大画面テレビに接続して動画を大迫力で楽しむといったことも簡単に行なえる。
アイソレーション型の日本語キーボードには、標準でCopilotキーを搭載。Windows 11のAIアシスタント機能であるCopilotをワンタッチで起動できるので、高度な検索、文書の要約、スライド作成の手助け、返信メールの提案など、AIを活用したさまざまな機能を簡単に利用できるのもうれしい。
このほか、6GHz帯域対応のWi-Fi 6E準拠無線LANの搭載、プライバシーシャッターを備えるフルHD解像度のWebカメラ、USB PDによる給電に対応するUSB Type-CポートやGigabit Ethernet、microSDカードスロットを含む豊富な拡張ポートの用意など、基本スペック以外の仕様面が充実している点も大きな魅力だ。