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「👍」は契約上の同意として有効。カナダの裁判所で判決

 カナダの法廷で6月、絵文字の「サムズアップ」(👍)が契約に同意するサインとして有効であるとの判決が下された。

 農家とバイヤーの間で争われた案件。事の顛末は、バイヤーがメッセンジャーアプリを用いて取引に関する契約書の写真を送り内容の確認を求めたところ、農家が「👍」で返答し、これを了承の意味で捉えたバイヤーは契約書通りの内容で発注したが、引き渡し期限までに農家からの納品がなかったことから、訴訟に発展した。

 両者間で👍に対する意味合いの認識に差異が生じており、農家側は👍の意味を「契約書を受け取った」ことだけを指すものと主張し、バイヤー側は「契約条件に同意した」ことを示すものと主張した。

 この訴訟で争点となった事柄の1つは、👍が契約書の署名(サイン)と同等の効力を持つかどうか。裁判官は👍を「文書に署名するための手段として伝統的に用いられてきたものではない」としつつも、今回のケースでは署名が持つ2つの目的(「署名者が誰であるか」、「契約を了承した」)を伝える有効な方法であるとした。

 また、今回👍が使われたやりとりは、以前に両者の間で契約の際に交わされたやりとり(契約書の写真に対して「ok」や「looks good」のように返答していた)と文脈的にほぼ一致していることから、バイヤー側の主張を支持。農家側に損害賠償の支払いを命じている。