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登場から約30年。バグハンターがスト2の新たな未知の現象を発見

 1987年に初代が稼働し、2018年にはそれを含んだ30周年記念のコレクション製品も発売されたストリートファイターシリーズ。なかでも1991年に登場したストリートファイター2は、現在の格闘ゲームの基礎を作り上げた記念碑的なタイトルである。そんな、登場から約30年が経過したストリートファイター2に新たな未知の現象がみつかった。

 みつけたのは、2年前にもそれまで26年間知られていなかったストリートファイター2のバグを発見したdesk氏。氏がCPU戦をやっていてたまたまみつけたもので、内容はというと、自分のキャラクターがジャンプをしはじめているにも関わらず、しかも相手の下段攻撃を立った状態でガードできた。その後、つぎの相手の下段攻撃をしゃがみガードするが、今度はガードができず、技を空中食らい判定で食らってしまう。

 氏はこの現象をみつけ、ネット上でかなりの検索を行なったが、これについてまとめたサイトや動画はみつけられなかったという。その後同氏は、この再現に取り組んだ。まず思いついたのが、これが、以前から知られていた、ストリートファイター2の、「1/512必殺技」に関連したものではないかということだ。1/512必殺技とは、レバー入力をせずとも、ボタンを押した時に1/512の確率で必殺技が出たり、レバーの入力方向によらず自動的にガードするというもの。最初のジャンプ移行中に相手の技のガードした部分は、1/512必殺技として既知だが、つぎの技を空中食らいになっているのが未知であり、氏は検証をはじめた。

【お詫びと訂正】初出時に1/512必殺技のことを「バグ」と表記しておりましたが、こちらは「仕様」でした。お詫びして訂正させていただきます。

 検証は、コントローラを2台用意し、1P側で下段攻撃、2P側でその直後にジャンプするというのを1人で操作するという地味で労力のいる方法で行なった。そして、約1,000回目の試行でジャンプに移行する最中に相手の下段攻撃をガードする1/512必殺技の再現に成功した。

 その後もさらなる調査を行ない、

  • 1/512必殺技が発生する
  • 攻撃側とジャンプ側のタイミングがどんぴしゃで合っている(おそらく猶予は1フレーム程度)
  • 特定のコンボを入れる(これで2発目の技が空中食らい判定になる)

という、100万分の1の確率で起こるようなことが同時に発生して、はじめて起こる現象であることが判明した。

 氏がこの調査に費やしたのは、なんと2カ月。バグハンターの根性に感服するばかりである。なお、この現象を活用して、ゲームを優位に進められることはない。