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HTC、単体でもPCと接続しても使えるハイエンドVRヘッドセット

 HTC NIPPONは、単体でもPCと接続しても利用できるハイエンドなVRヘッドセット「VIVE Focus Vision」シリーズを本日より予約開始し、10月18日に発売する。価格は個人向けモデルが16万9,000円、法人向けモデルが21万4,000円(VIVE BUSINESS保証&サービス込み)。

 PCと接続して利用するための「VIVE Wired Streaming Kit」は2万9,000円だが、予約購入で無償提供されるほか、複数のゲームのうち1本が無償で提供される。

 同社がXR(Extended Reality)ヘッドセットとして位置づける製品で、「VIVE Focus 3」をベースに設計/開発された。VRだけでなくリアルの周囲状況が確認可能で、ゲームのみならず、ロケーションベース体験、産業トレーニング、コラボレーション、Mixed Realityアプリを実現するという。

 特徴としては、内蔵アイトラッキングおよびモーターによる自動IPD(瞳孔間距離)調整、PCからのDisplayPort転送によるロスレスVR体験、2基のステレオフルカラーパススルー用の1,600万画素のカメラ、最大120度のFOV、90Hzのリフレッシュレート(2024年後半のアップデートで120Hz対応)、シーン認識のための深度センサー、低照度下でのトラッキングを強化する赤外線センサー、指向性のスピーカーなどが挙げられる。

 また、人間工学に基づく高いフィット感、耐久性と安定性を高めたマグネシウム合金フレーム、即座に取り外せるクイックリリースボタン、ホットスワップ可能なバッテリなどを搭載。別途「VIVEトラッカー(Ultimate)」を使った全身の動きのトラッキングや、「VIVE Focus シリーズ用フェイシャルトラッカー」を使った顔の表情の変化のトラッキングも行なえる。

VIVE Focus Vision
アイトラッキングと電動レンズによりIPDを自動的に調整
ファン内蔵で高負荷時も静かかつ低温に動作
DisplayPort Alt Mode対応
ホットスワップ可能なバッテリ
フルカラーパススルーを実現する1,600万画素のカメラを2基搭載
暗所でも手のトラッキングが可能な赤外線センサー
マグネシウム合金フレーム
メンテナンスなども容易としている

 プロセッサにはSnapdragon XR2を採用。メモリは12GB、ストレージは128GB。最大2TBのmicroSDカードもサポートする。解像度は片目あたり2,448×2,448ドット。インターフェイスはUSB 3.2 Gen 1 Type-C(DisplayPort Alt Mode対応)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2。バッテリ駆動時間は最大2時間。付属品はコントローラ×2や30W ACアダプタなど。

 24日に都内で開かれた製品発表会には、台湾のHTC本社より来日した副社長 HTCグローバルセールス&マーケティング統括のCharles Huang氏が登壇。Windows Mobileを搭載したスマートフォンから始まり、世界初の4G対応スマートフォンやAndroidスマートフォンを開発したことから振り返り、HTCが業界においてさまざまな革新をもたらしてきたことをアピール。

 また、同社のヘッドセットは世界で初めて国際宇宙ステーションに持ち込まれ、無重力環境下でも動作する技術や信頼性を誇っているとし、今回投入するVIVE Focus Visionは新技術を多数投入し、人間とVRの付き合い方を変革させるような製品であることを語った。

本体前面
レンズ部
バンド調整はダイヤルで行なえ、底面のクイックリリースですぐに取り外し可能
本体右側面
深度センサーやトラッキング用カメラを装備
本体底面