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GeForce GTX 1070で学習したAIモデルが古代ローマの巻物の一部を解読

AIモデルでスキャンデータを解読した結果

 NVIDIAは10日(米国時間)、ベイネブラスカ大学リンカーン校の学部生Luke Farritor氏らが、GeForce GTX 1070でトレーニングしたAIモデルを使って古代ローマの巻物の一部を解読したと発表した。「ヴェスヴィオ・チャレンジ(Vesuvius Challenge)」と呼ばれるコンテストにおける成果となる。

 今回解読されたのは、「ヘルクラネウム・パピルス」と呼ばれる古代ローマの巻物。西暦79年に発生したヴェスヴィオ火山の噴火によって埋もれたものとされ、1750年に発掘されたものの、炭化した状態で壊れやすく、物理的に開いて読むことは非常に困難とされる。

 巻物の3D X線スキャンデータからCasey Handmer氏が発見したインクと思われるひび模様のパターンについて、Luke Farritor氏がこれに基づくAIモデルをトレーニングして構築。改良を進めることで「ΠΟΡΦΥΡΑϹ」(紫の染料・布)という文字列を解読した。今後は144文字の文字列を巻物から解読することを目指すという。

 同チャレンジではこの成果に対して10月14日付けで、Luke Farritor氏をはじめとした3名に計6万ドルの賞金を授与している。

ヘルクラネウム・パピルス。炭化しているため開くことが困難