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性能と効率が向上した「Android 14」公開。まずはPixelから
2023年10月5日 11:10
Googleは4日、新OS「Android 14」をリリースした。ソースはAndroidオープンソースプロジェクト(AOSP)にプッシュされるほか、同日より一部「Pixel」で展開され、2023年後半にはGalaxy、iQOO、Nothing、OnePlus、OPPO、Realme、シャープ、ソニー、Tecno、vivo、Xiaomiの一部デバイスでも利用可能になる。
性能と効率の向上
Android 14ではプラットフォームの性能と効率の向上にフォーカスしており、従来ある程度制限なしで実行できていたキャッシュ済みアプリケーションも、短期間で“フリーズ”させCPUタイムを0にする。フォアグラウンドサービス、JobScheduler、WorkManagerといったAndroid アプリライフサイクルAPI以外でバックグラウンド作業が行なえなくなる。
フリーズされたアプリがより長くフリーズされたままにするため、アプリがキャッシュ状態になった後、コンテキスト登録されたブロートキャストを受信する方法も調整される。
その一方で、デバイスのメモリ量に応じてキャッシュされるアプリの最大量も増加。ベータテストの結果では、アプリのコールドスタートは、8GBのデバイスでは20%、12GBのデバイスでは30%減少し、これにより電力消費量と効率向上を達成した。
さらにART(Android Runtime)の最適化により、性能に影響を与えることなくコードサイズを平均9.3%削減できたとしている。
カスタマイズ性の向上
既にサイズが十分に大きいフォントが一律にスケーリングされてさらに大きくならないよう、非線形スケーリングに対応。フォントを200%まで拡大できるようになり(従来Pixelでは130%)、バランスの取れた拡大が可能。
また、アプリごとの言語設定に対応したほか、温度単位や週の最初の曜日といった習慣に基づく地域設定もサポート。「Grammatical Inflection API」対応により、性別を持つ言語では文法の性別ごとの翻訳が活用できるようになる。
このほか、以下のような機能の対応がなされた。
- 10bit HDR(Ultra HDR)画像形式サポートの追加
- より長い処理時間に対応したカメラ拡張機能のアップグレードと改善
- ロスレスUSBオーディオの対応
- 頂点シェーダー/フラグメントシェーダーを備えたカスタムメッシュ
- Canvasのためのハードウェアバッファレンダーの対応
- マルチタスク向けのタスクバーや大画面に最適化されたシステムアプリ、通知UIなど、さまざまなフォームファクタのデバイスへの対応
- OpenJDK 17のサポート
- 資格情報マネージャー、パスキーの対応
- ヘルスコネクトの実装
- Predictive Backといったユーザー体験を向上させる新しいアニメーション
- 位置情報に関するデータをアプリと共有する際の新しいセッションの表示
- 写真とビデオの部分的なアクセス
- バックグラウンドアクティビティ開始時の権限付与の追加
- 古いSDKバージョン(targetSdkVersion 23以下)を対象としたアプリのインストールのブロック
- 全画面インテント通知を、通話とアラームのみを提供するアプリに制限
- より安全な動的コード読み込み
- より安全な暗黙的インテント
- アプリに影響を与える可能性のオプトイン変更のテストをしやすくするため、開発者オプションにおける個別のトグルのオン/オフの追加