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産総研、「先端半導体研究センター」を新設

先端半導体研究センターの概要

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)は1日、「先端半導体研究センター」を新たに設立した。

 先端半導体研究センターは、半導体が社会課題の解決や産業競争力強化に不可欠な存在となっていることと、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)の推進による半導体の重要性増大を設立背景とした研究センター。

 経済産業省の「半導体・デジタル産業戦略」においては、半導体製造基盤の国内確保と次世代技術の研究開発が強調されており、産総研も「次世代コンピューティング基盤戦略」をもとに研究を行なってきた。これらの取り組みを加速し、先端半導体技術の国内確保を目指すため、同研究センターが設立されることとなった。

 同研究センターは、研究開発、共用パイロットラインの構築、社会実装、人材育成を一貫して推進することを特徴としている。研究開発においては、以下の5つの課題を重点的に取り組むという。

  • 2nm世代で実用化されるゲートオールアラウンド(GAA)構造の電界効果トランジスタ(FET)の基盤技術と先端構造技術の確立
  • 2nm世代以降に向けた極限デバイスおよび材料開発
  • 微細化によらずに性能を向上する3次元集積技術
  • 最先端のSoC設計
  • 半導体製造の環境負荷評価およびグリーン化

 産総研は、5つの課題に関して、共用設備のスーパークリーンルーム(SCR)や未踏デバイス試作共用拠点(COLOMODE)、AIチップ設計拠点を活用するとしているほか、同研究センターが先端半導体のオープンイノベーションを推進する中核拠点となることを図っている。