シャツやパンツなどを認識しファッションの質問に回答できるAI。早稲田大とZOZO研究所

　早稲田大学とZOZO研究所の研究グループは、ファッションにおける「カジュアル」や「かわいい」といった曖昧な表現を理解し、服装の個別アイテム(シャツ、パンツ、スカートなど)に関する質問に回答できるAI技術を開発した。

　ファッションの説明には「カジュアル」や「フォーマル」、「かわいい」といった曖昧な表現が用いられるため、一般的にファッションを理解、解釈することは容易ではない。ファッション分野特有の曖昧性は、ユーザーがファッションへの興味を深めることの妨げとなる問題があった。

　研究グループはこの問題を解決するため、全身の画像をもとにコーディネート全体に関する問いに回答できるAI技術「Fashion Intelligence System」を先行研究で開発していた。だが、従来のFashion Intelligence Systemでは服装の個別アイテムに関する質問への回答はできなかった。

従来のFashion Intelligence Systemの回答例

　本研究では、服装の個別アイテムに関する質問に回答できるマシンラーニングモデル「Partial Visual-Semantic Embedding」を開発した。同モデルをFashion Intelligence Systemに実装することで、コーディネート全体に関する問いにより正確に回答できるだけでなく、個別アイテムに関する曖昧な問いに対する回答が可能となったという。

新たに可能となった回答例

　研究グループは、本技術がファッション特有の曖昧性を軽減し、着る服や購入するアイテムなどファッションに関するユーザーのあらゆる選択や行動を支援することを期待している。