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円安でPCの平均単価が10万円超え。2022年上半期出荷は2年連続減少。MM総研調べ

2022年度上半期国内PC出荷台数(出典:MM総研)

 株式会社MM総研は、2022年度上半期の国内PC出荷台数に関する調査結果を発表した。これによれば、出荷台数は552.6万台で、前年同期比で6.6%、2年連続の減少となった。

 半導体や部品の供給については改善傾向にあるものの、中国のゼロコロナ政策の影響による製品供給の不安定さや、急激な円安による価格上昇などが出荷台数減の要因になったと分析している。

 メーカー別でみると、NECレノボが128万台(シェア23.2%)で首位、HPが96.2万台(17.4%)、3位がデルで85.1万(15.4%)台、4位が富士通クライアントコンピューティング(FCCL)で76.6万台(13.9%)、5位がDynabookで44.2万台(8%)などとなった。NECレノボは首位を維持したもののノートPCの供給が安定せず、前年度同期比で2.2ポイントシェアを失った。

 また、急激な円安の影響で平均単価が10.9万円まで上昇しており、2022年度下半期には11万円台まで上がると予想している。特に企業においては10万円を超えると経費処理できなくなることもあるため、買い換えの鈍化にもつながるだろうと分析している。

PCの出荷平均単価の推移(出典:MM総研)
個人向け出荷台数(出典:MM総研)

 このうち個人向け製品は、前年度同期比6.6%減の185万台を出荷。各社ともに2022年の年末年始向け製品は円安の影響で値上げ傾向にあり、出荷台数が伸びない可能性があるとしている。

 メーカー別では、首位がNECレノボで37.7万台(20.4%)、2位がFCCLで29.3万台(15.8%)、3位がAppleで26.5万台(14.3%)などとなった。前年度同期と比べると、ECに注力したFCCLがAppleを抜きシェア2位となった。

法人向け出荷台数(出典:MM総研)

 法人向け製品については、前年度同期比6.5%減の367.6万台を出荷。GIGAスクール特需の反動がまだ残っているが、それを除けば出荷台数は3%増でプラスに転じている。供給は回復したものの、円安による出荷価格上昇が買い替えの先送りにつながりつつあるとしている。

 メーカー別では、首位がNECレノボで90.3万台(24.6%)、2位がHPで77.2万台(21%)、3位がデルで67.2万台(18.3%)となり、シェア上位5社については順位の変動はなかった。

 同社では、2022年下半期もPC需要の減少は続き、通年では前年度同期比6.3%減の1088.6万台を出荷し、2年連続の減少となる見通しだとしている。また出荷金額については、前年度比10%増の1兆2,076億円を見込んでいる。