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Intel、IDFの後継となる“ON”イベント「Vision」を今夜23時より開催

現地の会場に取り付けられたIntel Visionのロゴ

 Intelは、5月10日~5月11日(現地時間)に同社のプライベートイベントとなる「Intel Vision」(インテル・ビジョン)をアメリカ合衆国テキサス州ダラスフォートワース空港近くの「Marriott Gaylord Texan & Convention Center」で開催する。

 同社は最後に「ON」がつくイベントを、2016年を最後に開催がなかったかつてのIDF(Intel Developer Forum)の後継イベントとして位置づけており、昨年の10月には「Intel Innovation」(インテル・イノベーション)をデジタル開催し、今回のVisionはそれに次ぐ2回目のイベントとなる。今回のVisionでは、基調講演などはデジタルで配信されるが、基本的には対面の形で行なわれるハイブリッド・イベントとして開催される。

 Intelは今回行なわれるVisionで、新製品や将来のロードマップなどを明らかにする計画で、5月11日午前9時(現地時間、5月10日 23時)に予定されている、同社のCEO パット・ゲルシンガー氏をはじめとする同社幹部による基調講演に注目が集まっている。

IDFのキーパーソンだったゲルシンガーCEOの復帰により始まったONシリーズのイベント

Intel CEO パット・ゲルシンガー氏

 IntelはかつてIDF(Intel Developer Forum)と呼ばれる開発者向けのイベントを、多い時には春と秋の2回開催するなどして、同社の製品や技術を、同社の顧客や同社製品を開発する開発者向けに紹介する場として活用してきた。しかし、2016年に行なわれたIDFを最後に開催されなくなった。

 このIDF、そもそも企画して運営を中心になって推進していたのは、2021年にIntelにCEOとして返り咲いたパット・ゲルシンガー氏であることはよく知られている。ゲルシンガー氏は、2009年にIntelを(結果として)一時的に退職する前に30年近く勤務しており、そのキャリアの後半で力を入れてきたのがIDFだったのだ。その後、ゲルシンガー氏はDell EMCへ移籍し、その傘下企業であるVMwareのCEOとなり同社を成長させた後、その手腕を認められて昨年にIntelへCEOとして返り咲いた。

 そうしたIDFの父とも言ってよいゲルシンガー氏が「帰って来たCEO」としてIntelに復帰したからには、IDFも復活というほど簡単な話ではないとは思うが、ゲルシンガー氏は常に開発者との対話を重視していることはよく知られている通りで、そうした延長線上にONシリーズと呼ばれる最後に「ON」が入るイベントが計画されることになった。

 その第1弾として行なわれたのが昨年(2021年)の10月にはデジタルで開催された「Intel Innovation」。このInnovationは開発者向けと位置づけられており、より技術者よりの内容として行なわれ、オンライン開催ではあったが、かつてのIDFのような内容が帰ってきたという印象を参加者に与えている。

 それに対して今回の「Vision」はもう少しマーケティング寄りというイベントに位置づけられており、Intelの将来のビジョンやロードマップを説明するイベントとして、同社の顧客や開発者でもよりマーケティングよりの担当者をターゲットにしたイベントになる予定だ。

Intelの将来ビジョンがわかる「Vision」、今夜23時から基調講演などが行なわれる

参加者の登録と設営が行なわれている会場

 昨年10月に行なわれたInnovationはデジタルイベントとして開催されたが、今回のVisionは基本対面で行なわれ、その内容の一部(基調講演など)はストリーミングの形で配信されるというハイブリッド形式となる。Intelがこの規模のイベントを対面で行なうのはCOVID-19のパンデミックが発生して以来、初めてのことになる。

 開催前日となる5月9日には、参加者の登録やバッジの受け取りなどが行なわれており、会場では明日からの講演や展示などに向けた準備が進められていた。注目はゲルシンガーCEOなどが登壇する予定の5月10日午前9時(現地時間、日本時間5月10日23時)から行なわれる初日基調講演で、この中でIntelは新しいロードマップや新製品などを公開するとみられている。

 本誌ではこのVisionを現地で取材した内容などを含めてお伝えしていく予定になっており、順次レポートの形でアップデートしていく予定だ。